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2011年9月 9日 (金)

No.45 若者の過労自殺 3つの新聞記事

 就職氷河期であったために就職できず、5年間のアルバイト生活後、ようやく正社員として就職できた(と本人は思っていた)27歳の若者が、入社してわずか4か月弱で過労自殺し、労基署から労災と認定された件で、今般、会社に対して民事訴訟を提起した。
(弁護団は、当事務所の上出恭子、他の事務所の須井康雄の各弁護士と私である。)

 この件で、3つの新聞が、それぞれ提訴を報道してくれた。
 それぞれ着眼点や表現の仕方に違いがあるが、記者の方々の熱意や思いが伝わってくる。

 変な話だが、私たち自身もこのような新聞報道に励まされ、「頑張るぞ!」と思うのである。

 また、下記の毎日新聞記事でコメントをされている森岡孝二関西大学教授が、「働き方ネット大阪」のホームページの「森岡孝二の連続講座」で「就職を巡る若者の地獄絵」の意味を解説してくれている。あわせてご覧いだきたい。

110905朝日新聞(2011年9月5日 大阪版) 

  自殺「パワハラ・過酷勤務が原因」 両親、会社を提訴へ

 先輩社員から浴びせられた暴言などが原因で男性(当時27)が自殺したとして、両親が大阪市の飲料配送会社に慰謝料など約8千万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に近く起こす。代理人の上出恭子弁護士は「パワーハラスメントを受けた社員は声を上げられないことがある。訴訟では、企業の職場管理のあり方を問いたい」としている。

 訴状などによると、男性は2008年春に入社し、トラックでの飲料運搬や大阪市内の担当エリアにある自販機への商品補充を担当していたが、同年夏ごろにうつ病を発症。8月2日に自宅で首つり自殺した。

 両親は「連日2千本以上の飲料補充を指示され、自殺直前3カ月の時間外労働は月平均81時間だった」「作業が少し遅れただけで先輩から『のろま』『殺すぞ』などと言われた」と指摘。経験の浅い男性が精神的に追い込まれ、うつ病を発症したと主張している。

 ※なお、右の新聞記事のコピーの方が詳しくなっています(クリックで拡大)。

毎日新聞(2011年9月5日 大阪朝刊)

 「過労でうつ、自殺」 兵庫の遺族、配送業者を提訴へ

 飲料水配送会社に勤めていた08年8月に自殺した兵庫県尼崎市の男性(当時27歳)の両親が近く、過労でうつ病を発症したのが原因だとして、会社に計約8300万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴する。男性は就職難の中で得た仕事を失いたくないと思い働き続けたといい、両親は「厳しいノルマを課され、心理的負荷が大きかった」と主張している。

 訴状などによると、男性は大学卒業後約5年間、アルバイトをしながら正社員職を探し、08年4月に大手飲料メーカーの配送業務を行う「日東フルライン」(大阪市住之江区)に就職。自販機の補充業務を担当した。同年7月から1人で業務に就いたが、夏場で販売量が増加。早朝出勤や深夜退勤が重なり、8月2日早朝、自宅で首をつって自殺した。

 両親は「過労によるうつ病」として労災を申請し、大阪西労働基準監督署は昨年6月に認定。タイムカードでは、うつ病発症前1カ月の時間外労働は約104時間、3カ月平均は約81時間だった。

 同社代理人は取材に「週休も取っていて過労とは考えていない」としている。

 両親によると、男性は採用が決まった際、「きつい仕事みたいだが、やっと正社員になれたから頑張る」と張り切っていた。しかし、7月初旬ごろから帰宅が遅くなり、職場日報には「倒れそうです」と書かれていた。

 森岡孝二・関西大教授(企業社会論)は「過労死や過労自殺が若年化している。正規雇用されても過労死しかねないという、就職を巡る若者の地獄絵図を見るようだ」と話す。【牧野宏美】

産経新聞(2011年9月5日朝刊)

 「猛暑配慮なく過労自殺」新入社員の両親、7日提訴

 自動販売機に清涼飲料水を補充する仕事をしていた兵庫県尼崎市の男性=当時(27)=が、入社約4カ月後の平成20年8月に過労自殺したのは繁忙期の猛暑にかかる負担への配慮がなかったためとして、両親が男性の勤務先だった大阪市住之江区の運送会社に対し、約8280万円の損害賠償を求める訴えを7日に大阪地裁へ起こすことが4日、関係者への取材で分かった。

 大阪西労働基準監督署は22年6月、自殺1カ月前の時間外労働(残業)が100時間を超えていたなどとして、労働災害(労災)を認定。運送会社の代理人弁護士は産経新聞の取材に「安全配慮義務違反はなかったと考えている。提訴されれば、きちんと主張して争いたい」と話している。

 訴えによると、男性は20年4月に入社後、大手飲料メーカーの清涼飲料水を積んでトラックを運転し、ノルマとして1日15台前後の自販機を巡回、商品を補充していた。ほかに自販機の故障や客からの苦情があれば対応しており、出発前の洗車や帰社後の商品搬入なども業務だった。

 気象庁によると、20年7月の31日間のうち、大阪では最高気温30度以上の真夏日が24日、35度以上の猛暑日は5日あった。男性の両親に対し、会社関係者は「商品が一瞬で売れ、全員くたくただった」と明かしたという。

110905trl11090506590001n1  自殺する1週間前の7月26日の業務日報には、男性が「倒れそうです」と書き残し、同僚の従業員も「体調管理したいです」などと過労を訴える記述をしていた。父親(64)は「このとき会社が何とかしていれば、息子は死んでいなかった」と話している。

 男性は就職氷河期さなかの15年に大学を卒業しており、運送会社に正社員として採用されるまでの5年間はアルバイトなどを続けていた。遺品には、ぼろぼろに使い古した担当地域の地図や商品コードを覚えるための自作の単語カードもあり、両親の代理人の上出恭子弁護士は「男性はようやくつかんだ正社員の職を捨てるまいと、必死で仕事をしていた」と話している。

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コメント

私たちの問題を取り上げて頂いて有難う。
新聞に掲載されてから色々な人に (まだ本当の事を言えなかった) 「頑張ってるね」とか言われて気が楽になったと嫁が言っています。

被害者さんが自殺された当時フルライン管理職は自分らのみで日東ゴルフコンペや管理職のみだけの外国慰安旅行など大盤振る舞いな業務でした、その中でまったんの社員さんの自殺はあまりにも可哀想すぎます。現在もフルラインは人手不足でグループ会社の日東陸運から応援を要請させてます、せっかくの休日をフルラインに出向させる状態で第二の過労死自殺をフルラインは容認してます。

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