No.134 楽しい和歌山弁講座(4) 各論③ な行~わ行
各論の第3回は、「な行」以下全部である。
【な行】
にえる (動詞)青あざができる
にんにこ (名詞)おにぎり
・・・のし (接尾語)ですね
年配の女性が使う。(例)「ええ天気やのし」
【は行】
はしかい (形容詞)むずがゆい、ちくちくする
はしゃるく (動詞)走り回る
はちかる (動詞)足を開いて立つ
ぴっぴ (名詞)下痢
お腹が下ること。語感がよく出ていて笑える。
ひねきる (動詞)つねる
「その口、ひねきっちゃろか!」と、昔よく母に叱られた。
ひやこい(ひゃっこい) (形容詞)冷たい
ふうわり (形容詞)みっともない、世間体が悪い
「ふう」は「風」ではないかと思う。
ぶらくる (動詞)ぶら下げる
和歌山市内に「ぶらくり丁」という商店街があるが、ウィキペディアによれば、「(この商店街は)間口の狭い店が多かったため、その商人たちが商品をぶらくって(吊り下げての意)軒先を飾っていたのがぶらくり丁という名前の由来であると言われているほか、「ぶらぶら歩く」が由来との説もある」とのことである。
へったらつく (動詞)ひっつく、くっつく
ほいたら (接続詞?)そうしたら
ほたえる (動詞)(どたばたと)騒ぐ
【ま行】
まあ・・・ 【重要】(接頭語)すぐ、もう
(例)「まあはた」(すぐそば)、「まあそこ」(すぐそこ)、「まあちょっと」(もうちょっと)
「まあ」は右下がりの発音ではなく、横延びの発音。
まくれる (動詞)転ぶ
(例)「そこの道で思いっきりまくれたんよ」
もじく (動詞)(精密なものを)壊す
自動詞は「もじける」(壊れる)。私の小中学校時代の友人の森脇君は、たぶん「キャラがもじけている」という意味と「もり」を懸けたニックネームで、「もじやん」と言われていた。
・・・もて (助詞)・・・しながら
(例)しゃべりもて歩く(しゃべりながら歩く)
もむない (形容詞)おいしくない、まずい
(例)「今年の桃は、もむないで」(今年の桃は、おいしくないですよ)
【や行】
・・・やっしょ(やいしょ) 【重要】(接尾語)・・・ですよ
・・・やん 【重要】(接尾語)・・・ない
(例)「できやん」(できない)、「行けやん」(行けない)
やー(やーそー) やる、あげる
(例)「それ、けー」(それ下さい)と言われ、「よっしゃ、これ、やー」(わかった、これをあげよう)
・・・よし (接尾語)・・・しなさい
年配の女性がよく使う。(例)「もう寝よし」(もう寝なさい)、「そろそろ帰りよし」(そろそろ帰りなさい)
よばれる 【重要】(動詞)ご馳走になる
(例)「おいしいもんよばれて、おおきにやで」(おいしいものをご馳走になって、ありがとう)
【ら行】
・・・ら 【重要】(接尾語)・・・しよう
英語の「let's」に当たる。(例)「行こら」(行こう)、「食べよら」(食べよう)、「いのら」(帰ろう)など。「連れもていこら」(いっしょに行こう)は、和歌山弁の代表例として言われる。
【わ行】
わい(わえ) (代名詞)私、わし
わや(わやくちゃ) (形容動詞)ぐちゃぐちゃ。台無しな様子。
以上で「楽しい和歌山弁講座」を終わるが、何が楽しいのか、自分でわからなくなった。(笑)
読者の皆さんは、ここにある言葉を覚えて和歌山に行けば、かなり和歌山人だと思ってもらえること請け合いである(だからどうだとツッコミが入りそうだが)。
【追補2013・8・17】
この記事について、フェイスブックで同じ和歌山県(田辺市)出身の弁護士のAさんから、地元で流行った「和歌山弁講座」という歌があることを教えてもらいましたので、紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=Ou6hpSsrm50
「ちゃある ちゃーらー ちゃーれすと」など、思い切り笑えます。
また、私の挙げた和歌山弁の単語が、結構いい線をカバーしていたので、安心しました。
Aさん、ありがとうございました。
【追補2013・8・19】
「・・・もて」を追加し、「ぶらくる」を改訂しました。
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コメント
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方言って良いですよね(笑)。
それでも、私も方言で話すのは、自宅に帰って夫と話すときくらいでしょうか。
岡山弁で一番他県の方に分かって頂けないのは、「ぼっけぇ」と「おえん」ですかね(笑)。「ぼっけぇ」は凄い、非常にという意味で、岡山人なら若い子でも通じると思っています。
「おえん」というのは、「いけない」「駄目だ」という意味です。
私も小学生の頃、父の四国の実家の浜辺で従兄弟と海に行ったときに、大阪から来ている従兄弟に、「秀樹、そんなことしたら、おえんが!」と言ったら、「利ちゃん、おえんって何?」と聞かれましたから(笑)。
士業者という職業柄、いつも標準語で、尊敬・謙譲・丁寧語を使い分けてお話しているつもりですが、玉木弁護士にだけは付き合いも長く、稀に方言が出るようで、玉木先生の一番のお気に入りは、「ほんま」です。
これは、皆様もご存知なように「本当に」という意味ですが、私がいつも玉木弁護士にお話するのは当然丁寧語ですが、ついぞヒートアップして、ほんま、駄目ですよ!などと申しますと、玉木先生に受けていて(笑)、「ほんま、ほんま、そうですよ。」と言われます。
先月JRの関係で講演に行ったのですが、小・中学生時代の同級生に会って、(社長となっている)「久保、ビールでも飲みに行こうや。忙しいんじゃろうけど。」と岡山弁丸出しで誘ってくれたのは、嬉しかったです(笑)。
方言で話せる関係って、良いですよね。
投稿: 久保利子 | 2013年8月17日 (土) 01時55分
よばれる、ほたえる、は大阪でも使いませんでした??
はしかい→落ち着きが無い、せっかちと言う意味で大阪では
ありですかね???
大阪で育っているので、なにが標準か分からなくなってます。
一つ言えるのは、明石家さんまさんが使っているような
関西弁は、使ってる人いません。
でんがな、まんがな って言ってる人を聞いたこと、
ありまへん(^。^)←ありまへんも使いません。
投稿: 五十嵐 | 2013年8月17日 (土) 19時55分