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2013年9月の2件の記事

2013年9月30日 (月)

No.137 朝まで生テレビ「激論!雇用と若者」に思う

 月1回の「朝生」で、2013年9月27日(金)25:25~28:25(日付が変わった9月28日の深夜から未明)、「激論!雇用と若者」というテーマで放映された。
 9月27日~28日は、過労死弁護団全国連絡会議の年1回の総会で、しかも今年は大阪で行われたのでリアルタイムで観ることはできなかったが、「ブラック企業」や「企業の社会的責任」が議論されるということで、録画しておいて、土・日の2日に分けて観た。

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 司会はもちろん田原総一朗氏。
 パネリストは
 ・佐藤ゆかり(経済産業大臣政務官、自民党・参議院議員)
 ・辻元清美(民主党・衆議院議員、党幹事長代理)
 ・荻上チキ(「シノドス」編集長、評論家)
 ・奥谷禮子(ザ・アール社長、経済同友会幹事)
 ・勝間和代(経済評論家)
 ・今野晴貴(NPO法人POSSE代表)
 ・宋文洲(ソフトブレーン創業者)
 ・永沢徹(弁護士)
 ・堀紘一(ドリームインキュベータ会長)
 ・松田元(武蔵野学院大学SMB研究所所長、アズグループホールディングス社長)
の各氏であった。
 台風の目は、何といっても「ブラック企業」について数々の本を出し、この言葉を社会用語にした今野晴貴氏だったと思う。
 田原氏や他のパネリストの皆さんから疑問や批判を浴びせられながらも、よく頑張っておられた。

 全体として、よい番組だったと思うが、率直な感想として、次のような疑問を感じた。

① まずは、パネリストの人選の問題である。
 「若者の雇用」をテーマにしていながら、実際に就職や雇用で苦しんだり、ブラック企業で使い捨てられている若者の声を代弁するパネリストが、今野氏と荻上氏くらいしかいなかった。他のパネリストの方々はそれぞれ一家言お持ちの方であり、私が思っていた以上に、是々非々の柔軟な議論をされていたと思うが、基本的には良心的な企業経営者で、かつ、ご自分は成功された方であり、議論が噛み合いにくいと感じた。

 また、経済産業大臣政務官の佐藤ゆかり氏、民主党の辻元清美氏は、いずれもよい発言をされていたが、お二人とも本来この問題に責任を負っている厚生労働省の関係者ではない。

 それに、ブラック企業は社会全体に損害を与えるものである以上、日本経団連の然るべき部署の人にもパネリストになってほしかったし、労働者全体の権利・利益を守る立場にある連合の方にも登場してほしかった。さらには、使用者側の弁護士だけでなく、ブラック企業対策弁護団や労働者側の弁護士にも登場してほしかった。

 しかし、そう言っていくと、どんどんパネリストが増えてしまうので、難しいとは思うが・・。

② 議論の仕方として、現実に就職やブラック企業で苦しんでいる若者の実情やデータを提示せずに行われていたことである。例えば、異常なまでの長時間労働やパワハラでうつ病になったり自殺したとして労災認定を受けた人の半数は20代、30代の若者なのである。
 アルバイトをして高い学費を払い続けながら、何十社も採用試験を受けて落とされ続け、ようやく「正社員」として採用された企業にひどい働かせ方をさせられても、そう簡単に辞めることなどできない。
 そのような実情を踏まえないで、すぐに「甘えている」「弱い」「なぜ組合を作って戦わないのか」というような発言が多かったのは、残念に思った。

③ この問題は、本来、日本の未来を担うべき若者を守り、育成していくという日本全体の問題であり、国・業界団体・労働組合などが連携し力を合わせて改善していくべき問題であるのに、そのような責任論や改善の筋道論が議論されず、せいぜい「そんな企業は自然淘汰されていくと思う」とか、「今野さんやブラック企業対策弁護団の皆さんには頑張ってほしい」といった程度の議論しかなされなかったのは残念である。
 この点は、私たちが取り組んでいる「過労死防止基本法」制定の目的とも重なる問題であり、個人レベルの問題や個別企業の問題にしてはいけないと思うのである。

 とはいえ、このような番組で、若者の雇用問題やブラック企業問題がテーマに選ばれたことは、画期的なことである。これが話題になり、社会全体で議論が発展していくことを望みたい。

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2013年9月27日 (金)

No.136 ドラマ「半沢直樹」の超人気の理由

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 ドラマ「日曜劇場」の連続ドラマ「半沢直樹」(全10回)が、9月22日(日)の最終回で終了した。
 最終回の視聴率は関東地区42.2%、関西地区45.5%で、今世紀最高、関西地区では歴代民放ドラマ1位だったという。1983年に国民的人気ドラマとなったNHK連続テレビ小説「おしん」で平均視聴率52.6%というから、現在の多局時代を考えると、いかにすごい視聴率であるかがわかる。
 私は「アレは面白いなあ」というクチコミをあちこちから耳にして、ようやく見始めたのが第7回からであったが、確かに面白かった。面白い、というより痛快なのである。
 銀行内部での上司の不正を、同期入社の仲間と知恵と力を出し合って一緒に暴いていく。その過程でピンチに陥るが、危機一髪のところで大逆転をして、悪人を断罪する。
 流行語とまでなった決めゼリフは「やられたら、やり返す。倍返しだ!」
 なぜこのドラマがこれだけ爆発的な人気を得たのだろうか。

 よく言われているようだが、上記のようなストーリーは、基本的に時代劇に近いと思う。「お主もワルよのう」みたいな悪党を、ハラハラドキドキの経過を経て、主人公が最後に打ち負かす。これを、現代の銀行を舞台に設定したという点が新しい。そして、この現代性が、日々上司からのパワハラや理不尽な要求に苦しむサラリーマン層の心を掴んだとされるのである。
 また、「銀行の本来の役割」や「同期入社の仲間同士の友情」なども、今や失われつつあるものを思い出させてくれるのであろう。

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 そのため、ストーリー的には突っ込みどころ満載の無理な部分も含みながらも、最後は痛快な大逆転勝利を収めるだろう‥‥そんな安心感をもって見ていることができるのである。

 しかし、その点からいえば、最終回の終わり方には「?」を感じた人も多かったのではないだろうか。半沢に脅されたとはいえ大和田常務の悪事を証言した内藤営業部長は出向になったのに、巨悪を暴かれた大和田常務は平取締役への降格で済まされる。そして何よりも、「2階級特進」もあるかと囁かれた半沢は、系列の弱小証券会社に出向を言い渡されたのである。
 言渡しを受けた半沢の目の奥の怒りが、その理不尽さを訴えていた。

 これについては、「取締役会で大和田を土下座までさせたのはやり過ぎだったからやむを得ない」という意見もある。しかし、このドラマはそんな常識論を超えた痛快さをウリにしていたのだから、最後に常識論を持ってくるのは一貫性がない。
 また、このような終わり方は原作どおりであり、そこからの更なるリベンジを図る続編が予定されているという情報もある。しかし、このドラマはドラマで一旦完結となるのだから、それなりの種明かしをしておかないと不親切である。視聴者はこのドラマのコンセプトがわからなくなり「はあ?」というようなストレスを感じながら終わらざるを得なくなってしまう。

 とはいえ、全体として、大変面白いドラマであったことは間違いない。そして、「企業のあり方」、「不正を許さない」、「職場の仲間との友情や連帯」といったテーマについて、全国あちこちで議論がなされたとしたら、社会的な意義も決して小さくないと思うのである。

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