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2013年10月の9件の記事

2013年10月29日 (火)

No.146 法律雑誌「労旬」が「過労死防止基本法」を特集!

 月2回発行の法律雑誌「労働法律旬報」(労旬)が、11月上旬号(No.1803)で「過労死防止基本法」制定を特集として掲載してくれることになった。

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 同号の「主な目次」は次のとおりである。

[巻頭]インターンシップから考える=山田省三・・・04

[特集]「過労死防止基本法」制定の実現に向けて
  過労死110番から四半世紀のいまこそ過労死防止基本法の制定を=森岡孝二・・・07
  過労死根絶をめざして「過労死防止基本法」の制定を!=寺西笑子・・・10
  過労死防止基本法の趣旨と内容=川人博・・・16
  過労死・過労自殺に関する国連勧告について=須田洋平・・・20
  「過労死防止基本法」制定の取組みの経過と展望=岩城穣・・・25
  資料/過労死防止基本法(案)(2013.4.16 “ストップ!過労死” 過労死防止基本法制定実行委員会)・・・48

[研究]NHK受信料集金人の法的関係と契約破棄―NHK前橋放送局(受信料集金人)事件・前橋地裁判決の検討=近藤昭雄・・・30
労働判例/NHK前橋放送局(受信料集金人)事件・前橋地裁判決(平25.4.24)・・・50
[紹介]弁護士短信―労働事件簿105神戸刑務所(管理栄養士偽装請負)事件・大阪高裁判決/偽装請負(違法派遣)であっても、派遣先は、苦情申出に対処する義務がある=永嶋里枝・・・40
労働判例/神戸刑務所(管理栄養士偽装請負)事件・大阪高裁判決(平25.1.16)・・・69
[連載]労働者の弁護士たち―大韓民国を揺るがした労働事件3労働者の弁護士たちが歩んできた道=オ・ジュノ/訳 中村猛・・・42

 私の担当は、『「過労死防止基本法」制定の取組みの経過と展望』であるが、ちょうど今国会で立法が大詰めを迎えているため、少し書きにくかったこともあって、編集長のKさんには大変ご迷惑をおかけし、申し訳なく思っている。
 何はともあれ、ちょうどこのタイミングで、過労死防止基本法が制定されたらいいなあ、と思っている。


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2013年10月28日 (月)

No.145 当ブログの記事の引用・転載について(お知らせ)

◆当ブログの私の記事や、寄せられたコメントをお読みになる方へ

 当ブログの私の記事は私の個人的な文章であり、また、これに寄せられたコメントは私のブログに寄せられた文章ですので、著作権・管理権はすべて私にあります。

 よって、自由にお読みいただくのは結構ですが、これらの記事やコメントを無断で転載したり引用すること(原文を切り貼りして批判することを含む。)は、固くお断りします。

 既に無断転載・引用されたものについては、速やかに削除して下さい。

2013年10月27日 (日)

No.144 森岡孝二先生の出版記念シンポジウムのご案内

 大阪過労死問題連絡会とNPO法人働き方ASU-NETの会長、過労死防止法制定実行委員会の委員長を務めておられる森岡孝二関西大学教授が、このたび『過労死は何を告発しているか ― 現代日本の企業と労働』(岩波現代文庫)を出版されました。
 これを記念して、大阪過労死問題連絡会とNPO法人働き方ASU-NET共催により、下記要領で講演会を開催致します。
 事前の申し込みは不要です。是非、お気軽にご参加ください。

 ◆講演会の概要◆
『過労死は何を告発しているか-現代日本の企業と労働』 出版記念シンポジウム
 日 時: 11月12日(火)午後6時30分~8時30分
 場 所: 中之島 大阪中央公会堂小会議室(3階)
 演 題: 過労死社会ニッポンを語る―諸悪の根源は何か(仮題)
 座 興: 桂福点さんの古典落語
 参加費: 500円

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 ◆著書の概要◆ なぜ日本人は死ぬまで働くのか。過労死の四半世紀を踏まえて、働きすぎのメカニズムを検証。
過重労働とストレスの要因を解明し、過労死・過労自殺をなくす方策を展望した全勤労者必携の一冊です。(岩波書店「8月の新刊」より)
 定価1302円(本体1240円)

 <目次>
 序 章 過労死が社会問題になって四半世紀
 第1章 企業中心社会はいかにして成立したか
 第2章 日本的働きすぎと労働時間の二極分化
 第3章 賃金不払残業の手法と実態
 第4章 日本的生産システムと過労死
 第5章 仕事で命を奪われるホワイトカラー
 第6章 多発する若者の過労自殺と大学生の就活自殺
 終 章 過重労働対策と過労死防止運動

 ◆森岡先生からのご紹介◆
 本書は現代日本の労働時間と過労死をテーマにした拙著『企業中心社会の時間構造―生活摩擦の経済学』(青木書店、1995年)をもとにしています。
しかし、今年が「過労死110番」全国ネット開設25周年にあたることから、この四半世紀を視野に入れて全面的に改稿することになりました。旧著の骨格は残っていますが、大半は岩波現代文庫のための書き下ろしの新編集版です。

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No.143 なかなかやるな、「ダンダリン 労働基準監督官」

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 「半沢直樹」の終わりあたりから話題になっていたこのドラマ(竹内結子主演)が、10月2日から毎週水曜22:00~23:00に放映されている。視聴率は各回とも10~7%くらいのようで、まずまずのヒットといえよう。
 平日の夜のドラマはなかなか観れそうにないが、録画しておいた4話をこの週末にまとめて観た。
 一言で言えば、「なかなかやるな」という感じである。
 そうか、「ダンダリン」というのは、主人公の労働基準監督官の名前(段田 凛)の名前だったのか。法令違反を見つけると見逃さずに突き進んでいく主人公のイメージと重ねることに成功している。

 各回のテーマは、次のとおりであり、いずれもタイムリーで、いい線をついている。
 第1回(10月2日) ブラック企業、サービス残業
 第2回(10月9日) セクハラ、名ばかり店長
 第3回(10月16日) 建設現場の転落事故
 第4回(10月23日) 就活学生の内定切り

 原作は、マンガ「ダンダリン一〇一」(いちまるいち)で、コミック「モーニング」に2010年に月1回で連載されたものとのことである。2010年当時これらの問題は話題になっていたものの、マンガに取り上げたのは先見的だったといえるが、現在はもっともっと酷くなっていることから(「ブラック企業」はまさに今年の流行語大賞になってもおかしくない言葉になっている)、今年になってTVドラマに制作され人気を博する条件が整ったということであろう。

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 作者の田島隆氏は社会保険労務士ではなく行政書士の方のようであるが、労働法規や労基署についてよく勉強していると思う(おそらく、弁護士や社労士、労基署関係者の助言があるのであろう)。
「現実は少し違う」といった議論もあり得るが、実態とかけ離れた裁判ものや弁護士ものに比べたら、ずっとましである。

 このドラマのいいところは、「本当は労働者はこんな風に法律によって守られているんですよ」「労基署は、本当はこんな風に労働者を守ってくれる役所なんですよ」というメッセージを発しているところだと思う。こんなドラマは、これまでなかったのではないか。

 また、折しもこの9月から、厚労省が率先して「若者の使い捨ての疑われる企業への取組み強化」(電話相談や集中監督指導)を行っているが、このドラマは、これまであまり日が当たらず地味に苦労してきた現場の労働基準監督官や職員たちも励ましているのではないだろうか。
先日大阪府内の労基署に、過労死の労災申請に赴いたが、心なしか署内の雰囲気も、私たちたちに対する対応も明るく感じた。

 残りの回も、楽しみに観たいと思う。
 それにしても、主人公が理不尽さを感じたときに「ウー」と唸るのはなかなか面白い。僕もやってみようかな。(笑)

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2013年10月19日 (土)

No.142 超党派議連の世話人会と緊急集会が、大きく報道

 No.141で紹介した超党派議連の第2回世話人会と、私たちが開いた「過労死防止基本法の今臨時国会での制定を願う緊急集会」の様子について、いくつもの新聞報道がなされた。

 以下、紹介しておきたい。

■毎日新聞(2013/10/17)

過労死基本法:過重労働含め防止へ 超党派議連

 超党派の議員連盟が臨時国会への提出を目指す過労死防止基本法の法案の骨子が17日、固まった。法案名は「過労死等防止基本法」で、「等」をつけることで過労死や過労自死だけでなく、その原因となる過重労働を含めた防止を目指すとしている。議連は各党に持ち帰り、今月末までに意見をまとめた上で提出したい意向だ。

 法案の基本理念は(1)過労死等はあってはならない(2)社会的・経済的な取り組みとする−−など。国と地方公共団体に防止対策策定と実施の責務を課し、事業主にも対策への協力と労働者の健康保持についての努力義務を課した。防止対策の基本計画では、過労死等防止総合対策会議を厚生労働省に置くとし、被害者遺族の代表と学識者で構成するなどとしている。

 議連には与野党から超党派の議員約80人が参加。遺族や過労死問題に取り組む弁護士らが同日開いた緊急集会で、自民党の薗浦健太郎衆院議員は「新聞記者時代に過労死問題を取材した。法律や施策が遺族の意向に沿うよう調整したい」と話した。【東海林智】

■東京新聞(2013/10/17)

過労死防止「立法早く」 超党派議連が骨子案

 過労死を防ぐための基本法の制定へ、国会が動き始めた。与野党七十人以上が加わる超党派の国会議員連盟の各党代表者が十七日、世話人会を開き、国の責務などを盛り込んだ骨子案をまとめた。各党で議論し、開催中の臨時国会での成立を目指す。

 一九八〇年代後半から社会問題化した過労死は、若年化も目立つ。遺族らは、国レベルで対策を進めるよりどころになる法律が必要とし、二年前に実行委員会をつくり、制定を求めてきた。今年六月に議連が結成され、実行委員会の案を基に骨子案を作成した。

 名称は「過労死等防止基本法」。個人の問題ととらえられがちな過労死を、過労自殺や過重労働による疾患も含めて、社会的に取り組むべき問題と明記。国の責務として、遺族や学識経験者で構成する会議の意見を聴いて基本計画を作り、総合的な対策を進めることを盛り込んだ。過労死の実態も調べ、政府が毎年国会へ報告するとしている。

 厚生労働省によると、昨年度は脳・心臓疾患による過労死で百二十三人が労災認定された。精神疾患による自殺は九十三人が認定された。(柏崎智子)

◆署名46万人 遺族ら訴え

 国会議連の会議後に遺族や弁護士らが開いた緊急集会では、過労死等防止基本法の一日も早い制定を求める声が相次いだ。

 「若い人やお父さんたちのため、息子と私の二人分の魂を込めたい」。神戸市の西垣迪世(みちよ)さん(69)は二〇〇六年、女手一つで育てた二十七歳の一人息子を亡くした。IT企業のシステムエンジニアで、長時間労働の末、うつ病になり、会社の寮で治療薬を大量に飲んだ。ブログに「なぜ日本人はこんなに働くのか」「普通の生活がしたい」と悩みをつづっていた。「あの子のために必死に働いた私の人生も終わった。過労死のない社会という息子の思いを実現してからあの世へ行きたい」と涙ながらに語った。

 過労から、くも膜下出血で倒れ、後遺症で全盲になった横浜市の山下照之さん(51)は「会社のためと仕事にまい進し、気付いたら体はぼろぼろ。そうなる前に、会社や仲間がストップをかける仕組みが必要」と話した。

 改善が見えない状況に、過労死弁護団全国連絡会議などは〇八年、法制化を求め決議。署名は四十六万人分を超え、自治体の意見書の可決も増えている。今年五月には、国連社会権規約委員会が日本政府へ是正を勧告した。

  過労死等防止基本法案 骨子案

◇過労死等はあってはならない。社会的・経済的な取り組みとして対策を実施
◇政府は国会に過労死の概要や防止対策の実施状況を年次報告する
◇国は家族や遺族、学籍経験者で構成する会議の意見を聴いて、防止対策推進の基本計画を作成
◇事業主は国や自治体に協力し、労働者の健康保持に必要な措置を講ずるように努める

■神戸新聞(2013/10/17)

早期制定に意欲 過労死防止基本法議連 神戸の遺族らが緊急集会
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 「過労死防止基本法」の制定を求める超党派による議員連盟(泉健太事務局長)が17日、東京都内で会合を開き、基本法の骨子案を示すとともに今国会中の制定を目指すことを確認した。

 基本法の柱は、過労死はあってはならないと国が宣言▽国・自治体・事業主の責務の明確化‐など。過労死で家族を失った遺族や弁護士らでつくる実行委員会が制定を求め、約47万人の署名を集める一方、国会議員にも協力を求めてきた。

 議員連盟には約80人が加盟。この日の会合では各党代表者に基本法骨子案を提示し、今国会での制定に向け、10月中に各党で法案の審査を終えるよう、党内に働きかけることを確認した。

 会合後、遺族らによる緊急集会が開かれ、約130人が参加。議員連盟の報告に続き、全国過労死を考える家族の会代表の寺西笑子さん(64)が「今も過労で家族を失った人たちから多くの相談が寄せられている。この現実を早く解決したい」と訴え、神戸市垂水区の遺族、西垣迪世さん(69)も「基本法の制定が、過労死を防ぐという強いメッセージを社会全体に送ることになる」と早期制定を求めた。(段 貴則)

 ※なお、神戸新聞の画像は、同新聞の記事より借用させていただいた。

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No.141 過労死防止基本法の今臨時国会での制定を!──議連世話人会と緊急集会が開かれる

 10/15~17日、過労死防止基本法制定の取り組みで、大きな進展があった。
 10月15日の臨時国会の開会を前に、賛同して下さる議員の中で、「今臨時国会での立法をめざしてはどうか」という積極的な動きがあり、私たち実行委員会はこれに応じて、最大限の取り組みを行うことにした。

 15日から、東京過労死家族の会の皆さんを中心にロビー活動を開始し、16日には、台風26号の強風による交通手段マヒのため遠方組の合流がお昼前になるというアクシデントもあったが、精力的にロビー活動を行った。

 17日は、早朝8時から、民主党の厚生労働部会に実行委員会メンバーが出席させていただき、基本法の早期制定を訴えた。
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 続いて午前9時から、超党派議員連盟の「第2回世話人会」が行なわれ、私たちの「過労死防止基本法案」を基に衆議院法制局が作成した「過労死等防止基本法案(仮称)骨子(案)」が示されるととともに、今国会中の制定をめざして、10月中に各党でこれを検討することが確認された。なお、「過労死等」として「等」をつけたのは、過労死や過労自殺だけでなく、その原因となる過重労働を含めた防止をめざすという趣旨とのことである。
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 午前11時半からは、私たち実行委員会主催の「過労死防止基本法の今臨時国会での制定を願う緊急集会」が、衆議院第一議員会館地下会議室で行われた。直前の呼びかけにもかかわらず、定員45席の会議室は補助席も満席で立ち見が出、100部用意した資料は大幅に足らず、超党派議員30名、秘書22名、報道各社を含め137名もの参加で、熱気溢れる集会となった。
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 集会では、超党派の参加議員から今臨時国会で制定させたいとの決意表明がなされるとともに、参加した過労死遺族らが、基本法の早期制定を強く訴えた。

 議連世話人会、及び緊急集会に参加された議員の皆様、関係者の皆様に、心から感謝する次第である。
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 このように、「過労死等防止基本法」は今臨時国会(12月6日まで)で制定が実現する可能性が大きく広がった。
 この動きを確実なものにするため、引き続き「ストップ!過労死 100万人署名」と「ネット署名」、「過労死防止基本法の制定を求める自治体意見書」の採択、そして11月19日の第8回院内集会の成功に、最後の最後まで頑張りたいと思う。
 皆様のご支援、ご協力を心からお願いする次第である。
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 なお、上記「緊急集会」についての新聞記事は、次の投稿で紹介したい。

 ※写真の説明(上から順、敬称略)
  ① 議連世話人会の様子(左から大西健介(民主党)、丸川珠代(自民党)、泉健太(民主党)の各議員)
  ② 同(真ん中より左に輿水恵一(公明党)、高橋千鶴子(共産党)、川田龍平(みんなの党)、玉城デニー(国民の生活が第一)の各議員)。なお、薗浦健太郎議員(自民党)も参加された。なお、手前に積まれているのは、これまでに集まった署名である。
  ③ 緊急集会の様子(発言する川人博弁護士)
  ④ 同(一人を除いて右から、山井和則(民主党)、薗浦健太郎(自民党)、今枝宗一郎(自民党)、高橋千鶴子(共産党)の各議員)。なお、写真には写っていないが、多数の議員の皆様が参加されていたことを付言する。
  ⑤ 同(参加した遺族、マスコミ関係者の皆さん)

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2013年10月14日 (月)

No.140 大阪労働健康安全センター結成20周年を祝い、北口修造さんの退任を労う

◆2013年10月13日、大阪市中央区のシティプラザ大阪で、大阪労働健康安全センター(以下「大阪センター)結成20周年のレセプションが行われた。
 私は、名ばかりではあるが同センターの副理事長ということで、僣越ながら乾杯のご挨拶をさせていただいた。
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 大阪センターが結成されたのは1993年12月11日。当時私は弁護士6年目であったが、その結成準備段階から関わり、名称や活動などについて議論に参加したことを覚えている。

 なぜ関わることになったのかはよく覚えていないが、当時平岡事件をはじめ多くの過労死事件を担当し、また1990年12月に結成された大阪過労死家族の会のお手伝いをする中で、「大阪の未組織、不安定雇用を含めた労働者・労働組合のいのちと健康を守るために企業や国に対し、予防と補償の十分な対策を講じさせ、権利を拡大する運動の前進に寄与すると共に、安全衛生活動に携わる関係諸機関(者)との協力体制の向上に資する」ことを目的とするこのセンターの結成に、強く共感を覚えたからだと思う。

 当時はまだ全国センター(働くもののいのちと健康を守る全国センター)も結成されておらず(全国センターの結成は5年後の1998年12月である)、全国に先駆けての地域センターの結成だったようである。

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◆あれから早や20年というべきか、まだ20年というべきか迷うが、働く人々のいのちと健康の問題が当時よりもさらに深刻になり、センターの果たすべき役割はいっそう高まっていることは疑いがない。

 レセプションには、大阪で長年安全衛生問題に関わってこられた個人・団体の皆さん約70人が参加された。大阪過労死家族の会からも9人が参加した。
 事務局次長の是枝一成さんと幹事の藤野ゆきさんの司会で、和気あいあいと楽しいひとときをすごさせていただいた。
 アトラクションの牧 志徳さんと奥 ちひろさんの「沖縄島唄演奏」もとても楽しく、カチャーシーや口笛など参加者も加わって、大いに盛り上がった。

◆レセプションの最後に、大阪センターの事務局長を長年務められた北口修造さんの退任のお祝いのセレモニーが行われた。
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 北口さんは化学一般という産別労組の専従として、約50年にわたって労働運動一筋の人生を歩んでこられた。特に安全衛生問題に早くから取り組み、大阪センター結成後は事務局長として、数々の過労死事件で支援の会を組織し(N事件、S事件、T事件、K事件、H事件、O事件など)、またそれ以外も多くの過労死・労災事件をセンターとして粘り強く応援して下さった。

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 セレモニーでは、北口さんは時に声を詰まらせながら、これらの事件の思い出を語られ、胸が熱くなった。
 仲のよい奥様と共に、センターと過労死家族の会から花束が贈呈された。
 終了後には、家族の会からの参加者に囲まれて、幸せそうな北口さんであった。
 
 役職を退任され寂しくなるが、これからも様々な相談に乗ってもらったり、助言していただけるとのことである。
 今後も末永くご活躍下さることを願う次第である。

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2013年10月13日 (日)

No.139 働きすぎを防ぐために――「過労死防止基本法」が求められる背景とは?──「弁護士ドットコム」掲載(2013.10.12)

 以下の私の文章が、「弁護士ドットコム トピックス」に掲載された(10月12日(土)11時45分配信)。
 今回のテーマは、私が今全力投球している「過労死防止基本法」についてなので、タイムリーな依頼であったと思っている。

 なお、同サイトへの掲載は、これが4回目である。関心のある方はご参照下さい。
 ①2013年4月 3日 (水) No.111 ネット掲示板やブログで「ブラック企業」と批判することは名誉毀損になるのか──「弁護士ドットコム」2013.2.11掲載
 ②2013年4月 4日 (木) No.112 深夜労働後に強盗に襲われた 「労災」は適用されるのか?──「弁護士ドットコム」2013.3.23掲載
 ③2013年5月27日 (月) No.120 政府が「ブラック企業」の名前を公表!? 問題解決につながるか──「弁護士ドットコム」2013.5.27掲載

働きすぎを防ぐために――「過労死防止基本法」が求められる背景とは?

死ぬまで働かされる――。近年、長時間労働を強いる企業に若者が使いつぶされ、心身の健康を害したり、自殺に追い込まれる事例が報告されるなど、「働きすぎによる死」が相次いでいる。

そんな中、国に対し、総合的な対策を求める動きがある。「過労死防止基本法」の制定に向けた取り組みだ。過労死遺族や弁護士らでつくる「過労死防止基本法制定実行委員会」によると、2010年秋から始まった法案制定を求める署名活動には、今年9月11日時点で46万人を超える賛同が集まっている。

「働きすぎ」を防ぐためには、労働基準法をはじめ、労働組合法や労働契約法など、すでにいくつもの法律がある。今回の「過労死防止基本法」は、すでにある法律と何が異なるのだろうか。制定されることで「過労死防止」への取り組みはどう変わるのか。過労死防止基本法制定実行委員会の事務局長をつとめる岩城穣弁護士に聞いた。

●「過労死防止」の基本理念を明確にする法律

そもそも「過労死防止基本法」とは、どんな法律なのだろうか。

「過労死防止基本法の主なポイントは、次のような内容になるべきだと考えています。

(1)労働者全体、さらには勤労市民全体の過労死を防止するという基本理念を掲げること

(2)国と自治体、使用者(雇用する側)の責務を明確にすること

(3)過労死・過労自殺についての調査・研究と、それに基づく総合対策を国などが行うこと」

この「基本法」は労働基準法などと何が違うのだろうか?

「基本法とは、最高法規である憲法と個別の法律の間にあって、国政にとって重要な問題について、基本的な制度・政策・対策などについての理念や原則を明らかにする法律です。

現在わが国には、約40の基本法があり、近年では自殺対策基本法や肝炎対策基本法などがあります。

労働分野では労働基準法や労働組合法、労働契約法をはじめとする多くの法律がありますが、労働分野の基本法はまだありません」

●現在の法律は「過労死・過労自殺」の歯止めになっていない

いま、「基本法」が必要なワケは?

「残念ながら、労働基準法をはじめ、労働安全衛生法、労働組合法や労働契約法などは、過労死・過労自殺の有効な歯止めとはなっていません。その現状を変える必要があるのです」

現在のルールのどこが問題となのだろうか? ポイントを挙げてもらった。

「たとえば労働基準法は、労働時間の規制を中心に労働者の保護を図る法律です。ところが、労働時間の上限について規制はなく、使用者は、労働組合または労働者の代表と協定(36協定)を結べば、実質的にはいくらでも残業をさせることができてしまいます。

この点について、厚生労働省は、たとえば1週間の時間外労働の限度を15時間とするといった『時間外労働の限度に関する基準』を策定していますが、法的強制力はなく、これを超える36協定も、受理せざるを得ないのが現状です」

岩城弁護士は続ける。

「また、たとえば深夜・交替制労働や過重な責任・ノルマといった労働の質的な過重性や、パワハラなどについても労働基準法は規定していません。

そのため、時間外手当の不払いと一体になった長時間労働に、労働の質的過重性やパワハラが加わるなどして、過労死・過労自殺が広がっているのです」

確かに、そこには「過労死を防ぐ」という観点が不足しているように思える。

「また、公務員労働者にはそもそも労基法の適用がありませんし、トラック・タクシーなどの労働者の運転労働については、非常に長い拘束時間が認められています。こうした問題点は他にも数多くあります」

●働く人すべてが対象の「総合対策」が可能になる

それでは、「過労死防止基本法」の制定によって、事態はどんな風に変わるのだろうか。

「この法律が制定されると、次のような取り組みがなされるでしょう。

(a)過労死を防止する責務が明確になった国・地方自治体・使用者などは、それぞれの立場から様々な啓発活動・キャンペーンを含め、各種の具体的な取り組みを行うことになります。

(b)国は過労死・過労自殺の実態についての調査と、その防止のための研究を系統的に行い、それを踏まえた総合的な対策を行うことになるでしょう。

(c)その総合対策は、民間労働者・公務員を問わず、企業の役員や自営業者をも対象とし、また学校教育や就職指導、国や自治体の相談体制や医療体制の確立など、省庁や分野を超えたものになるでしょう」

この基本法には、労働法の枠組みを超えた、幅広い範囲への影響が期待されているようだ。「過労死」を社会からなくすためには、立場の違いを超えた協力が必要ということだろう。

岩城弁護士は「このような過労死防止基本法の制定を実現するために、今こそ国民の世論を高め、国民全体の声として立法を求めていく必要があります」と強調していた。

(弁護士ドットコム トピックス)


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2013年10月 7日 (月)

No.138 浜矩子さん、「アベノミクスの正体」を喝破──働き方ASU-NET第18回つどい

◆私たちは2006年9月「働き方ネット大阪」を結成し、ホワイトカラーエグゼンプションやワーキングプア、ブラック企業など働き方をめぐる様々な問題を取り上げてユニークな活動を展開してきたが、これを「働き方ASU-NET」に改組発展させ、2013年7月、NPO法人として認証された。
 なお、「ASU」は、「Activist」、「Support」、「Union」の頭文字を取ったものである。

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◆そこで、2013年10月4日、「働き方ASU-NET」NPO移行記念のつどい(働き方ネット時代から通算すると第18回つどい)として、「どう変える 日本経済と働き方」を、府立労働センター(エル大阪)で開いた。会場は満席の約200人で埋まり、大変な熱気であった。

◆記念講演は、エコノミストで同志社大学大学院教授の浜矩子さんのアベノミクスとどう立ち向かうか」。この方のお話をお聞きするのは初めてだったが、本当に明快で、わかりやすかった。要点をレジュメ風に整理すると、次のとおりである(なお、あくまで私なりの理解であり、間違っている部分もあるかもしれない。また、3の後半部分は、後述の対談の最後に浜先生がおっしゃったことを加えている)。

1、アベノミクスの正体
 「アベノミクス」は「アホのミクス」。最近は頭に「ド」を付けることにしている。
 「幽霊の 正体みたり 枯れ尾花」ということわざのとおり、正体を見抜くことが重要である。
 アベノミクスに副作用があるかどうかという議論は、本作用はよいということを前提にしており、それ自体が誤っている。
 アベノミクスは安倍政権の「富国強兵」政策の経済的側面である「富国」。政治的側面である「強兵」は憲法改正。両方あわせて「大日本帝国を取り戻す」というものである。
 「3本の矢」という時代がかった言い方をしていたが、いつの間にか4本目に東京オリンピックを入れている。

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2、アベノミクスの3つの「内なる敵」
①異次元緩和
 日銀を「専任金貸し業者」にして経済に莫大な金を流し込ませ、国債を買い支えさせるものであるが、異次元から帰れなくなる。帰ると国債も円も大暴落する。
②市場至上主義
 市場を勢いづけるために、常にイベントを行い続けなければならない。株価も円安も、予想以上に勢いがなかった。そこに「神風」として登場したのが東京オリンピック。イベント型の経済政策なので、イベントの種が尽きたら終わり。
③みぞの鏡病
 「みぞの鏡」というのは、「ハリー・ポッター」に出てくる、自分の理想を映し出す魔法の鏡(逆に読むと「のぞみ」)である。ひとたび見てしまうと、その前から離れられなくなって立ち尽くし、現実が見えなくなる。安倍首相は、このみぞの鏡病に罹っており、永遠の若さ(永久に右肩上がりを続ける)を手に入れたような錯覚に陥っている。そのために、格差や貧困、非正規や地域社会の崩壊といった現実を直視できなくなっている。
 日本の現実は、豊かな社会なのに貧困率が増大し、社会の「包摂度」が低下している。貧困率はデンマークが5.2%なのに対し日本は16%に達している。この人たちを包摂しないで、デフレが脱却できるはずがない。政権としてこの病にかかること自体が犯罪的である。

3、アベノミクスにどう立ち向かうか
 合い言葉は「シェアからシェアへ」。
 前者のシェアは、「市場占有率」であり「奪い合い」。薄利多売で大量に売りさばく「出血大サービス」や「集中豪雨型輸出」など。
 後者のシェアは「分かち合い」。賃金や金利の上昇による再分配、ワークシェアリング、地域の重視、国境を越えたシェアなど。喜びや悲しみの分かち合い、精神的なサポートも分かち合いであり、誰でも参加できる。このようなNPOの活動もまた、分かち合いである。

◆続いて、森岡孝二教授によるミニ講演「雇用改革と限定正社員」。森岡先生は、ここまできた非正規労働者の増加、低下する若者の労働所得、正社員は今も働きすぎ、といった現状を整理したうえで、アベノミクスの成長戦略の柱である労働・雇用改革について、①問題だらけの「限定正社員」制度、②ホワイトカラーエグゼンプションの再登場、③国家戦略特区はブラック企業公認特区、の3点をわかりやすく説明された。

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◆休憩を挟んで、「質問を受けた対談」(会場の参加者から提出された質問用紙も織りまぜながら、浜・森岡両先生に対談していただく)を、私がコーディネーターとなって行った。質問用紙が16通も寄せられ、時間も限定されていたため、あたふたしているうちに時間が来てしまった感じであるが、何人かの参加者が「よかった」と言ってくれたので、ほっとしている。

◆浜先生は、前日は広島で開かれた日弁連人権擁護大会のシンポジウム「なぜ、今「国防軍」なのか」にもパネリストとして出席された(私は参加できなかったが)。大変ご多忙ななか、ご講演下さった浜矩子先生に、心から感謝する次第である。

 なお、浜先生のご厚意と若者の皆さんの頑張りで、録画したものをユーストリームで視聴することができます。ぜひご覧下さい。
 http://www.ustream.tv/recorded/39510140

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