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2013年12月の8件の記事

2013年12月30日 (月)

No.159 「過労死防止基本法の制定を求める意見書」を和歌山県と和歌山市が同時採択!

 12月19日、表題の意見書が、和歌山県と和歌山市の両議会で同時に採択された。
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 6月に国会内に「過労死防止基本法の制定を求める超党派議員連盟」が結成され、12月4日には「過労死等防止基本法案」が国会に提出され、継続審議となっていることから、各地で過労死遺族や過労死問題に取り組む弁護士、支援団体や地方議員の皆さんが、地元の自治体に働きかけている。
 和歌山では、ご主人の過労死について、私も弁護団に加わり和歌山地裁で裁判中の小池江利さんが、11月7日に和歌山県・和歌山市と、ご自宅のある有田川町の議会に、弁護団の林裕悟弁護士と一緒に申し入れを行っていたところ、12月10日に有田川町議会、そして12月19日に和歌山県議会と和歌山市議会で採択されたのである。
 和歌山県は私の出身地でもあるので、とても嬉しい。

 私たち「ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会」が把握している、意見書を採択した自治体は、12月26日までに75自治体にのぼっている(実行委員会のホームページには現在、69番目の兵庫県芦屋市議会までが紹介されているが、その後、愛知県豊川市(12/20)、兵庫県三田市(12/24)、京都府の福知山市(12/25)・八幡市(12/25)・京田辺市(12/26)・舞鶴市(12/26)で採択されている)。
 これ以外にもご存じの方は、ぜひ教えてほしい。また、皆様の地元の自治体に、ぜひ意見書採択を働きかけてほしい。
 ご連絡をいただけば、具体的なノウハウをお教えしますので、よろしくお願いします。

 以下は、①和歌山県議会の意見書採択を報じる産経新聞の記事と、②11月7日に小池さんが申し入れを行ったことを紹介してくれた読売新聞の記事である。

①◆「過労死防止法」求め意見書 県議会 30議案可決・認定し閉会 和歌山  産経新聞 2013.12.20 02:06

 12月県議会は19日に閉会し、総額約1億6800万円の平成25年度一般会計補正予算案や議員提出された県中小企業振興条例案など計30議案を可決・認定した。また「過労死防止基本法」の制定を国に求める意見書も採択された。
 (中略)
 過労死・過労自殺の防止に向けた基本計画の策定などを国に義務付ける過労死防止基本法制定を求める意見書採択は、「全国過労死を考える家族の会」によると都道府県議会では兵庫、島根、宮崎に続き4例目。同日、和歌山市議会でも同様の意見書が採択された。

 同会代表の寺西笑子さんは「議会で採択されたことは大きい。過労死は身近なところにあると認識していただき、国には働く人の意識を変える取り組みをしてもらいたい」と話した。


②◆「過労死の悲しみ、もう二度と」法整備訴え署名活動
(2013年11月8日 読売新聞)

 家族を過労死で亡くした遺族らが7日、「過労死防止基本法」の制定を国に求める意見書を和歌山・有田川町議会の議長らに手渡した。

 議会での採択を求めており、広川町の介護老人福祉施設で働いていた夫(当時49歳)を亡くした主婦小池江利さん(51)(有田川町)は「夫の死を無駄にしたくない」と活動に励んでいる。

 2003年から事務職として働いていた小池さんの夫は、10年10月、残業中に脳動脈瘤(りゅう)破裂が原因のくも膜下出血で倒れ、8日後に亡くなった。11年6月に御坊労働基準監督署から労災認定を受けた。

 就職してから本来の業務である経理に加え、ヘルパーの資格を生かした業務や宿直もこなし、休日に出勤することも少なくなかった。小池さんが「きちんと休んで」と訴えても時間が取れないようで、ほぼ毎日4、5時間は残業していたという。「まじめで責任感が強い人でした」と振り返る。

 小池さんは、そうした夫の仕事ぶりに疑問を抱き、「過労死110番」に相談。弁護士の紹介で入会した「大阪過労死を考える家族の会」(大阪市)で、同じ境遇の遺族らと出会った。

 「過労死と認められても大切な人が戻らない現実に、『無理にでも仕事を辞めてもらっていれば』と遺族は自分を責める。こんな思いをもう誰にもしてほしくない」と、同法制定に向けた署名活動などに参加するようになった。

 遺族や弁護士らでつくる同法制定実行委員会は、国や企業に過労死を防止する責任があることなどを明記した過労死防止基本法の制定を求める活動を11年にスタート。今年6月には同法制定を目指す超党派の国会議員連盟が結成され、開会中の臨時国会への法案提出を目指している。

 議会への意見書採択の呼びかけは昨年6月から全国で行っており、2県議会と36市区町村議会で採択されている(10月末現在)。

 この日は、県議会と和歌山市議会の事務局にも意見書を提出。小池さんは「個人や企業だけで対応するには限界がある。法の制定に尽力することが私の使命と思って、頑張りたい」と意気込んでいる。

 同行した林裕悟弁護士は、「不況が続き、リストラで社員の数が減るなどして過酷な労働を強いられている人は少なくない。誰の身に起きてもおかしくない問題で、少しでも防止につながるよう、法の制定を実現させたい」と話していた。(落合宏美)

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No.158 若者の過労自殺事件で、会社が全面謝罪し和解が成立

 就職氷河期であったために就職できず、5年間のアルバイト生活後、ようやく正社員として就職できた(と本人は思っていた)27歳の若者が、入社してわずか4か月弱で過労自殺した事件の民事訴訟(提訴時に「No.45 若者の過労自殺 3つの新聞記事」で紹介した事件)で、12月25日、大阪地裁で和解が成立した。

 ご家族(両親とお姉さん)が一緒に暮らしている中で被災者がみるみるうちに変化していき、ついに出勤前に自宅ベランダで自死するという衝撃的な経過であっただけに、ご家族の怒りはすさまじく、厳しい裁判であったが、9月11・12日に2日連続で行われた人証調べ(会社の上司たちと両親・お姉さんの尋問)の後、裁判所から和解勧告がなされたのである。
 和解は容易でないと思われたが、原告側と被告側、裁判所の三者間で十分な和解協議を行い、成立に至ることができた。

 和解条項(謝罪、再発防止とその具体宅、解決金の支払いなど)は大変詳細であったうえ、当日は、単に和解条項を読み上げるだけでなく、会社の実質的な代表者と元上司らが出席して、自ら直接ご家族に謝罪の言葉を述べるという、被告会社にとって大変厳しいものであったが、私から見てこれらの人たちの謝罪の言葉と態度は真摯であり、重みのあるものであった。
 また、裁判長が最後にご家族に対して、温かい言葉をかけてくれたことは、とても嬉しかった。

 被告会社が、この事件と和解を教訓として、若者たちに「入社してよかった」と言ってもらえる企業になってくれることを願うと共に、ご遺族の悲しみと怒りが、ほんの少しでも和らぐことができれば、と願うばかりである。

 和解終了後、急きょ司法記者クラブで記者会見を行うことにした。この日は泉南アスベスト第2次訴訟の大阪高裁判決があったこともあり、記者の皆さんも大変なようであったが、朝日、毎日、読売、産経、日経、NHKなどが報道してくれた。
 私にとっても、忘れられない「クリスマス和解」となった。

 ※画像は朝日、毎日、日経、読売の各新聞記事、下記は朝日、毎日のネット配信記事である。

◆過労死訴訟、6千万円で和解 運送会社員遺族 大阪地裁
 朝日新聞デジタル 12月26日(木)1時22分配信
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 清涼飲料運送会社の社員だった兵庫県尼崎市の男性(当時27)が自殺したのは過労が原因だとして、両親が会社に計約8200万円の損害賠償を求めた訴訟が25日、大阪地裁(相沢真木裁判長)で和解した。会社側が過労自殺と認めて謝罪し、解決金6千万円を支払う内容で合意した。

 訴状によると、男性は2008年4月、「日東フルライン」(大阪市)に入社。トラックに乗り自動販売機に缶飲料を補充する仕事をしていたが、同8月に自殺した。夏場で販売量が増えるなどして、直前の1カ月間の時間外労働は104時間に上っていた。

 男性の父親は「この裁判が一石を投じ、過重労働をする若者が二度と出ない世の中になってほしい」と語った。日東フルラインは「再発防止に努めたい」とのコメントを出した。

◆<過労自殺>飲料水配送会社が因果関係認め和解 再発防止も
毎日新聞 12月25日(水)20時58分配信

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 過労のため自殺したとして、飲料水配送会社に勤めていた男性(当時27歳)の両親が会社に約8300万円の賠償を求めた訴訟が25日、解決金6000万円を支払うなどの内容で、大阪地裁(相沢真木裁判長)で和解した。会社が過労と自殺の因果関係を認めて謝罪し、再発防止策などを記した書面を全従業員に配ることも盛り込まれた。

 訴状などによると、男性は2008年4月、飲料メーカーの配送業務を担う「日東フルライン」(大阪市住之江区)に就職、清涼飲料の配送と自動販売機の補充を担当した。7月に入り、1カ月間の時間外労働が104時間に達したことから、男性はうつ病を発症、8月2日に自殺した。

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 両親の代理人弁護士によると、過労自殺を巡る和解で、会社側が謝罪内容を含んだ文書を全従業員に配るのは異例という。

 この日、大阪市内で記者会見した男性の父親(67)は「長時間労働で死ぬ若者が二度と出ないための一石になれば」と語った。日東フルラインは、「今後とも再発防止に努めたい」としている。【林田七恵】

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2013年12月25日 (水)

No.157 「クリぼっち」でもいいじゃん! “Merry Christmas To You”

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 今宵はクリスマス・イブ。前にも書いたが(No.100 年の瀬と日本人)、私はこの時期が好きである。
 特にクリスマスは、クリスマスソングやサンタクロース、恋人たちの語らい、家族の団らんなどが街に溢れ、北欧風でもあり、独特の雰囲気がある。

 昨日の読売新聞によれば、若者の間では、イブを1人きりで過ごすことを、一人ぼっちにかけて「クリぼっち」と呼ぶのが定着しているとのことである。そして、レストラン予約サイトが20~30歳代の男女約1800人を対象にした「クリスマスディナー」に関する調査では、男性70%、女性58%が「付き合っている人がいない」と回答。男女平均で、64・5%がイブに恋人がいないとみられるという(2013年12月24日15時45分 読売新聞)。3人に2人は「クリぼっち」なのである。

 でも、それぞれが自分で自分の幸せを確かめられることが、一番幸せなんだろうと思う。「クリぼっち」という言葉にも、自分でそれを楽しんでいるような響きがあるような気がする。

 クリスマスを題材にした歌では、山下達郎の「クリスマス・イブ」が好きだが、最近では「Merry Christmas To You」という歌が気に入っている。
 1990年ころの曲とのことだが、当時は全然知らなかった。永井真理子さんの作詞とのことだが、恋人に対するしっとりとした切ない思いや、溢れる愛情が伝わってくる。辛島美登里さんの歌も、とてもいい(永井真理子、小林明子、麗美さんとの4人で歌ったバージョンも素敵なハーモニーである)。
 こんな詞がかける人は、本当に心が優しく、他人に寄り添える人だと思う。

Merry Christmas To You

歌:辛島美登里 作詞:永井 真理子 作曲:辛島 美登里

キャンドルの灯りほのかに窓辺のカフェ・テラス
赤い花かかえ現れたあなたに微笑む
てのひらをそっと重ねて凍えたその指を
あたためるからおしゃべりをねぇ 少し休めて
ときめく会話やJokeにいつかまぎれた
せつない恋(おも)いを 今夜は伝えられそう
Snowy night 初めて恋した日のよう
一瞬のふれあいも大事にしたいの
Snowy heart くもりガラスに描いた文字
あえてよかった 私からのMerry Christmas to you

賑やかな人の波間を肩寄せ歩く道
粉雪が踊るアスファルト降ちては溶けてく
急いだりはしゃぐ足どり誰もが倖せを
捜しているの それぞれの夜 夢を託して
無邪気な子供の心を いつか忘れた
素直な気持ちを今夜は想い出せそう
Snowy night 生まれたままの街の色
真綿色の愛で二人を包んで
Snowy heart まぶしいほどの星空は
永遠(とわ)の祈り 天使からのMerry Christmas to you

Snowy night 初めて恋した日のよう
あえてよかった 私からのMerry Christmas to you


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2013年12月12日 (木)

No.156 ハッピーエンドでよかった!──「ダンダリン」最終話

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 12月12日、「ダンダリン」最終話の録画再生のボタンを、緊張しながら押した。
 だって、第1話の出だしが、労基署の同僚たちが黒い喪服を来て、宿舎の片づけをするところから始まっていたんだから‥‥。
 いったいどんな終わり方をするんだろうか。お願いだから、死ぬなんてことはやめてほしい‥‥ドラマを毎週観ていた人は、ずっと気になっていたはずである。

 でも、ダンダリンは死ぬどころか、退職も「未遂」に終わり、冤罪で捕まった南三条クンは釈放されたうえ、南三条クンをハメた小西美月や、アプリドリームに魂を売りダンダリンに「死んで下さい」とまで言い放った胡桃沢社労士までもが救われて、見事なまでのハッピーエンドだった。
 よかった、よかった。

 No.143で、「なかなかやるな」と書いて以降も、毎回ダンダリンは楽しみに観てきた。
 前回投稿以降の各回の一応のテーマは、次のようなものであった。

  第5話(10月30日)  労働者の退職の自由
  第6話(11月6日)  外国人の技能実習と最低賃金法違反
  第7話(11月13日)  過重労働と通勤災害
  第8話(11月20日)  ブラック企業の「自主的研修」
  第9話(11月27日)  労働者から「個人事業主」への契約切り替え
  第10話(12月4日) 労働時間の記録改ざん+南三条が冤罪で逮捕
  最終話(12月11日) 働くことの意味は?

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 最初は、おちゃらけた行進曲のようなオープニング曲や、融通の効かないダンダリンのキャラに違和感を感じたが、だんだんこれらが「クセに」なり、松任谷由実のエンディング・テーマ(「今だけを きみだけを」)がジーンとくるようになってきた。
 「リーガル・ハイ」と競合したこともあって視聴率は今イチだったとも聞くが、私の周囲では、概ね評判はよかった。
 労働基準監督署を舞台に、労働基準監督官を主人公にした初のドラマとしては、予想以上の反響を呼んだのではないだろうか。
 時代的にも、大変マッチしていたと思う。
 聞くところでは、このドラマが始まってから、労基署への相談が激増しているという。
 来週から観れないと思うと、ちょっと寂しい。

 最後に、「ダンダリン」をおさらいしたい人は、こちらがおすすめです。
 ・ウィキペディア 「ダンダリン」
 ・「ダンダリン」公式サイト
 ・「ダンダリン」あらすじ


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2013年12月 8日 (日)

No.155 日本国憲法の基礎を作った人々の情熱を熱演──劇「真珠の首飾り」

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 12月6日、西九条にある「クレオ大阪西」で上演された「劇団きづがわ」の「真珠の首飾り(作/ジェームズ三木、演出/林田時夫)を観てきた。ホールの席は満席で、階段に腰をかけて観劇。

 1946年2月2日、東京日比谷のGHQ(連合軍総指令部)の一室に民政局員たちが秘密裏に集められた。招集をかけたのは局長のホイットニ-将軍。日本政府の憲法改正案をスクープ記事で知った連合軍最高司令官マッカーサー元帥は、その保守的な内容ではポツダム宣言の精神が生かされないと失望し、逆にGHQで草案を作成すべし、と民政局に命じたのであった。
 ホイットニ-は草案作成のための“3つの原則”を記したマッカーサー・ノートを示し、「締切期限は一週間!」と告げる。 25名の民政局員たちは、22才のベアテ・シロタを含め、20代から50代まで、いずれも弁護士、学者、"日本通"など多士済々のメンバ-たち。作戦命令を受け止めたケーディス大佐(民政局次長)は、秘密厳守の命令の下、ただちに立法、人権、天皇などの7つの委員会(天皇、立法、行政、司法、人権、財政、地方自治)にメンバーを配属し、1週間不眠不休で、草案作成をやりあげるという物語である。

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 主役のベアテ・シロタ・ゴードンさんは、25人の民政局員の中では最年少の22歳で、憲法起草委員会では人権部門を担当。10年間の日本生活で、貧しい家の少女の身売りなどを見知っていたことから、女性の地位を向上させる条項を強く提案し、14条(法の下の平等)や24条(両性の平等)に反映されたという。
 ベアテさんはその後もしばしば講演などで来日するなどしていたが、ほぼ1年前の昨年12月30日、89歳で亡くなった。
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 私が中学校の社会科で日本国憲法を知った時も、司法試験で日本国憲法を勉強した時も、憲法は最初からあった。そして、前文の独特な文体や、条文数の少なさを感じたりしていた。
 しかし、今回劇を観て、当初の日本政府の憲法改正案は明治憲法とほとんど変わらないものであったこと、GHQの憲法草案の原型を作ったのが20名余の民生局員であり、情熱を注ぎ喧々諤々の激しい議論をして作ったこと、その内容は当時の世界の憲法や不戦条約などを研究し、取り入れた「歴史と国境を超えた世界の良心」であったことを、改めて知ることができた。

 現在の日本国憲法は保守派の人々から「押しつけ憲法」と言われ、改憲の動きも強まってきている。そんな状況だけに、日本国憲法誕生の経緯や議論の状況を知ることができたのは、大変貴重であった。
 また、奇しくも昨日12月6日は、憲法上多くの重大な問題点を含む「特定秘密保護法」が参議院で強行可決された歴史的な日となった。
 今後は、これまで以上に、憲法を単なる条文としてではなく、平和と民主主義の理想を掲げた「世界の良心」として大切にしていきたいと思う。
 最後に、熱演下さった劇団きづがわの皆さん、ありがとうございました。

※1 (注)ベアテさんのことは、こちらに詳しい。
※2 画像は、いずれも劇団きづがわのリーフレットより。


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2013年12月 5日 (木)

No.154 ついに「過労死防止法案」を国会に提出! 年明けの通常国会で成立めざす

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 下の新聞記事(毎日・朝日・神戸・東京、クリックで拡大)のとおり、「過労死防止基本法の制定をめざす超党派議員連盟亅(参加議員124人、代表世話人・馳浩自民党衆院議員)は12月3日に開いた総会で、現在行われている臨時国会に野党6党で法案を共同提出することを決めた。
 そして12月4日午後6時、議連の泉健太事務局長(民主党衆議院議員)から衆議院事務総長に法案が提出され、記者会見が行われた。

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 この間の取り組みは与党の自民・公明両党も含めて全政党で進めてきたが、自民党内の手続が終わらなかったため、とりあえず野党6党が先行して提出したうえで継続審議とし、年明け(1月24日開会予定)の通常国会で与党との修正協議を経て、早期成立をめざすことが確認されている。

 また、上記に先立って、11月末、「ストップ!過労死」署名約52万人分を、28人の紹介議員に託して、国会に提出することができた。

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 ようやくここまで来たと、感無量である。
 議連の世話人の方々と関係議員の皆様に心から感謝を申し上げるとともに、この国会での成立をめざして昼夜を分かたず活動を続けてきた過労死遺族、過労死弁護団、実行委員会の皆様に心から敬意を表する次第である。
 そして、来年早々からの通常国会で、よりよい法律が制定されるよう、引き続き署名活動と「過労死防止基本法の制定を求める自治体意見書」採択の取り組みに力を入れていきたい。


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2013年12月 3日 (火)

No.153 話題性十分!2013年「新語・流行語年間大賞」発表

 12月1日、「2013ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。名称が変わるなどしたが、1984年に始まり、今年で第30回を迎えたととされる。

 今年は
①「今でしょ!」(林修先生)
②「じぇじぇじぇ」(宮藤官九郎、能年玲奈)
③「倍返し」(堺雅人ほか)
④「お・も・て・な・し」(滝川クリステル)
の過去最多の4語が選出された。非常に豊作の年だったようである。

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 このほかトップテンには、
⑤「ご当地キャラ」(くまモン)
⑥「アベノミクス」(安倍首相)
⑦「特定秘密保護法」(西山太吉)
⑧「PM2.5」(日本気象協会)
⑨「ブラック企業」(NPO法人POSSE代表・今野晴貴)
⑩「ヘイトスピーチ」(国際政治学者・五井野郁夫)
が選ばれたとのことである(個人名については敬称略)。

 その年の新語、流行語といっても、知名度、世相反映度、先見度(後々まで使われるもの)、社会問題性か娯楽性か、といった点で、人によって基準やウェイトが違い、選ぶのはかなり難しいと思う。
 それだけに、誰でも自分の感覚で議論に参加しやすく、巷の話題になりやすいともいえる。

 私個人としては、4語のうちでは、③の「倍返し」(ドラマ「半沢直樹」の主人公の決めゼリフ)が、世の中のうっ屈感を跳ね返したい庶民感覚の現れとして、ダントツだと思う。
 ちなみに、朝日新聞(11月30日付)によれば、中国でも無許可でネット視聴され、中国では「倍返し」は「加倍奉還」と訳されているとのことである。「奉還」は「大政奉還」の「奉還」であり、「倍に増やしてお返しさせていただく」という感じがよく出ていて面白い。

 ⑤の「くまモン」は、本当に大ヒットである。わんぱく小僧のような不敵さをもっているので、「憎めないかわいさ」がある。あちこちに出没して踊ったりするのが、またかわいい。

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 ⑨の「ブラック企業」は、もしかしたら大賞に選ばれるのではないかと密かに期待していたが、トップ10に入っただけでもすごい。
 今野さん、おめでとうございます!

 ベスト10には入らなかったが、50の候補にノミネートされた言葉で面白かったのは、「激おこぷんぷん丸」である。絵文字では ٩(๑`^´๑)۶ 
 これは女子高生のツイッターではやった言葉で、「怒りの6段活用」として、
 おこ→まじおこ→激おこぷんぷん丸→ムカ着火ファイヤー→カム着火インフェルノォォォオオオウ→激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム
と発展していくらしい。何となく、笑える。
 若い人たちの感覚も楽しくていいな、と思う。


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2013年12月 2日 (月)

No.152 「一票の格差」(投票価値の平等)について──国民主権と選挙制度のあり方(その1)

◆現在の選挙制度の深刻な問題点
 日本国憲法では主権は国民にあるとしているが(憲法第1条)、日本国憲法前文は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」するとしており、国民は、具体的には国会議員を選挙で選ぶことによって、その主権を行使することになる。
 したがって、国民主権を実質化するためには、選挙制度のあり方は極めて重要である。

 しかし、私は、現在の選挙制度は、いくつもの深刻な問題点を抱えており、憲法の理想から著しくかけ離れた状況になっていると思う。
 具体的には、
① 投票価値の不平等(一票の格差)
② 小選挙区制と定数削減論
③ 二院制のあり方
④ 企業・団体献金と政党交付金
⑤ 不自由だらけの選挙活動
といった点である。
 今後、これらについて、私なりの意見を書いていきたいと思っている。

◆一票の格差(投票価値の平等)の問題について
 まず手始めに、①の投票価値の不平等(一票の格差)の問題を取り上げたい。

 選挙区によって(特に過疎地域の選挙区と都市部の選挙区の間で)、議員一人あたりの有権者数(逆に言えば、有権者一人ひとりが持っている投票権の価値)が大きく異なるのは、法の下の平等(憲法14条)に違反するのではないか、という問題は、昭和40年代から論じられるようになり、昭和51年4月14日の最高裁大法廷判決が、昭和47年12月の衆議院議員選挙における投票価値が最大約5対1になっていたのは憲法の選挙権平等の要求に反する程度になっていたが、合理的期間内によける是正がなされなかった場合に初めて違憲とされるべきであると判断して以降、常に国会と司法の間で判断と是正の応酬がなされてきた。

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 そして、最高裁は長年、一票の格差が衆院選ではおおむね3倍未満、参院選では6倍未満であれば合憲としてきたが、最近はやや厳格になり、衆議院では2.30倍(2009年8月衆院選についての最高裁H23・3・23判決)や2.43倍(2012年12月衆院選についての最高裁H25・11・20判決)、参議院では5.00倍(2010年4月参院選についての最高裁H24・10・17判決)は「違憲状態」とした。もっとも、いずれも「違憲状態」ではあるがただちに「無効」とまではしないとしている(事情判決の法理といわれる。)。

 日本の司法(裁判所)は、「立法府・行政府という政策決定者の決断は最大限度の『謙譲と敬意』をもって扱うべきだとする立場」(司法消極主義)を採っているが、いわゆる「民主政の過程」に関わる問題については、積極的に憲法判断をしていくべきである(すなわち、いったん不平等な制度ができてしまうと、その制度のもとで選出された議員にその是正を求めるのは困難だから、その前に裁判所が積極的に是正すべきである)というのが、憲法学界の通説である。

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 そのような考えからすれば、この一票の格差(投票価値の平等)の問題について、司法はより厳しい対応をすべきであり、「違憲無効」というショック療法も必要な段階になっていると思う(「無効」といっても、将来に向かって無効を宣言すれば、既に成立した法律に影響はないし、その後の立法についても、他の改選時期の議員と比例選出議員によって活動は可能である。)。
 この点、この11月28日に広島高裁岡山支部が、今年7月の参院選で岡山選挙区の選挙を違憲・即時無効との判決を出したことは、高く評価されるべきである。

◆衆議院議員選挙‥‥完全平等が原則であり、格差は最大1.5倍未満とすべきである
 私は、まず衆議院議員選挙については、一票の価値は限りなく完全平等に近づけるべきであり、日本人の「四捨五入」的感覚からいえば、1.5倍以上になることは許されないと考える。例えば、1対1.3であれば何とか納得できるが、1対1.8では2倍に近いので納得できない、という人が多いのではないだろうか。
 ちなみに、アメリカの下院は州ごとに人口比例で議席数が割り振られ、州内では行政区画と別に選挙区が設定され、完全平等が要求される。フランスは原則1.50倍以内、イタリアは1.22倍以内とのことである。3倍や6倍になるまで認めてきた日本は、あまりに投票権の平等に無頓着すぎたと思う。

 もっとも、そもそも私は、1選挙区から1人しか選出しないという小選挙区制は、憲法上重大な問題があり、かつてのような中選挙区制(議員数3~5名程度)、または比例代表制にすべきだと考えている(比例代表の場合、全国一区、ブロック別、都道府県別の3つが考えられるが、この中ではどれでもよいと思う。)。
 現在の比例代表選挙(ブロック別)を見ればわかるように、比例代表制をとると、投票価値は限りなく完全平等に近づくことになり、この点でも望ましいものである。中選挙区制は、比例代表制に比べるとやや格差が生じるが、人口の変動に伴う調整は、小選挙区制よりもはるかにやりやすい。

◆参議院議員選挙‥‥様々な属性に着目して別枠で選出できる制度にし、同一の枠内では許容される格差は衆議院と同じく1.5倍未満とすべきである
 なぜ日本で衆議院・参議院という二院制(両院制)をとる必要があるのかについても、別に書きたいと思っているが、結論だけを言えば、様々な属性を踏まえて選挙ができる制度設計を行うべきだと考える。

 現在、制度的に属性として考慮されているのは、地域代表(選挙区=都道府県の代表)ということのみである。確かに、参院の選挙区が過疎の県の声を反映させるという役割を果たしていることは事実である。
 しかし、属性というのは地域(都道府県)だけではない。男女、年代(例えば20~30代、40~50代、60代以上といった区分)、少数民族(アイヌなど)や障がい者、性的少数者などの社会的少数者、所属階層(例えば労働者、中小企業経営者、農林漁業者、医師・税理士といった専門職など)といった属性も、それぞれ大変重要である。

 これらのうち一定の属性については、事実上、比例代表選挙で打ち出されている(例えば経団連、労働組合、農協、医師会などが推薦したり、組織内候補を出して支援したりしている)。
 しかし、例えば女性や若者といった属性では選出しにくいし(「〇〇女性党」のような政党はあるにはあるが)、社会的少数者については、まさに社会的少数者であるが故に、別枠の取扱いも考慮されてしかるべきはないかと思う。

 少なくとも、現在の選挙区(都道府県単位)と比例区の2本立てが絶対のものとは思えない。現在、それぞれについて1人が2票を持つことを認めているが、そうであれば、もっと分野別に分けて、1人が何票も持ってもよいはずである。
 また、例えば、政策的に女性議員を増やすために、総定数の2割を別枠にして女性だけが立候補できるようにするとか、障がい者の枠に5議席を与えるなど、女性や若者、社会的少数者に別枠で一定の議員数を割り当ててもよいのではないだろうか(高校野球の「21世紀枠」のように)。

 本当に少子高齢化のもとでの世代間の負担や女性の社会参加を考えるのであれば、それについての国民の様々な意見を反映できる選挙制度を、特に参議院について作るべきだと思う。
 大変難しい作業であるが、国民みんなで議論して決めていくことは、ある意味で夢のある作業ではないだろうか。
 こんな議論が、もっとあちこちで起こればいいなあと思う(もしかしたら起こっているのに、私が知らないだけかもしれないが)。

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