No.163 森岡孝二先生の「最終講義」、聴きに行けず残念!
1月20日(月)午後2時40分から、森岡孝二関西大学経済学部教授の「最終講義」が関大千里山キャンパスであった。
森岡先生とは、大阪と全国で第1回「過労死110番」が行われた1988年(これは、私が弁護士登録をした年でもある。)の翌年である1989年から、約25年ものお付き合いであり、今、私が力を注いでいる「大阪過労死問題連絡会」、「働き方ネット大阪(現・働き方ASU-NET)」、「過労死防止基本法制定実行委員会」の3つの団体で「会長又は実行委員長」と「事務局長」のペアをさせていただいている関係であるから、何を差し置いても、一番前の席で(笑)、聴講させていただかなければならなかったところであるが、当日は先に裁判期日や打合せが入ってしまっており、涙を呑んで聴講は断念した。
産経新聞の記事によると、約500人の聴講者を前に、「声を上げれば、世の中は変わる。自分や家族の健康と生活を守る労働者になってほしい」と締めくくったという。
森岡先生のお人柄と、若者たちに対する思いが伝わってきて、この記事を読んだだけで胸が熱くなった。
朝日新聞の当日夕刊(右)にも紹介記事が掲載され、また、テレビ朝日でも近々紹介されるとのことである。
プロ野球選手の最後の試合ではないが、最後の講義で、500人もの聴講者を前に、マスコミからも注目されながら、これまでの自分の研究・教育の総仕上げの話を行えるというのは、ある意味で「大学教授冥利」に尽きるのではないだろうか。
そんな森岡先生と、今しばらくいろいろな活動でご一緒できることを嬉しく思う。
森岡先生、長い間、お疲れさまでした。
「過労死問題 声を上げれば、世の中は変わる」森岡関大教授が最終講義 対策の専門家
産経新聞2014.1.20 19:23労働現場に根ざした研究者として、過労死対策をリードしてきた関西大経済学部の森岡孝二教授(69)=企業社会論=が今春退職することになり、20日、大阪府吹田市の関西大千里山キャンパスで最終講義を行った。就職を控えた学生や一般の聴講者約500人を前に「立派に仕事をしながら、自分や家族を守ってほしい」と訴えた。
森岡教授は昭和49年、講師として関西大経済学部に着任し、58年には教授に就任した。研究対象は専門的な経済理論から身近な労働・雇用問題まで多岐にわたるが、社会派の研究者となった転機は、40代で受けた心臓の手術だった。
病室が同じになった会社員が、見舞いに来た部下に入院したことの口止めを命じていた。「会社に知られると『窓際』にされるから」と理由を明かされ、厳しい現実と自らの甘さを痛感。職場の実態に切り込みたいと考えたという。
63年に社会問題になった当初から、過労死の研究を継続。現在は、過労死防止法の制定を求める団体の代表者として遺族と活動を共にしており、若者を使い捨てにするブラック企業問題にも取り組む。
この日の最終講義の演題は「働き方から見た日本経済の半世紀~学生時代からの自分史と重ねて」。日本の労働者はバブル経済を境に残業時間が増え、欧米に比べても長時間労働の傾向がなおも続いていると指摘した。
また、働く若者の半数が非正規労働者になるなど、就職を取り巻く環境が年々、厳しくなってきた現状などを踏まえて「声を上げれば、世の中は変わる。自分や家族の健康と生活を守る労働者になってほしい」と締めくくった。
経済学部4年の笹川祐輝さん(22)は「森岡先生の教えを意識して、就職活動に取り組んできた。先生には今後も、ブラック企業や過労死問題について世間に伝えてほしい」と感想を話した。
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