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2014年3月14日 (金)

No.170 至福の宴と身に余る謝辞──事件解決の美酒に酔う

 28歳の若者の過労自殺事件(Nさん事件、No.45No.158で紹介)の全面解決を記念して、2月28日、Nさんご一家(ご両親とお姉さん)が私たち弁護団を、打ち上げの宴に招待して下さった。

 事件でよい解決を勝ち取り、祝宴にお招きいただけることは、弁護士として最も嬉しい場である。私たちはある意味、最後にこんな場が持てることを夢見て頑張っているように思うし、こんな場が実現したら、またしばらくは頑張れるような気がする。

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 しかし、この日の宴は、また特別であった。
 場所は、西梅田の和食店。この日私は、過労死防止基本法制定の取組み(会議とロビー活動)で東京に日帰り出張に出かけた帰りであったが、迎えて下さったNさんご家族の笑顔と心尽くしの歓待に、出張の疲れは吹き飛び、楽しい至福の時間を過ごさせていただいた。おいしい料理を楽しみながら戴いた数々の日本酒は、文字どおりの美酒であった。
 楽しい時間は瞬く間に過ぎ、最後のお礼の挨拶では、思わず感極まってしまった。

 そのうえ、すばらしい記念品までいただいた。超高級プレミア焼酎といわれる「魔王」と、それを注ぐための手づくりの徳利とお猪口。それも弁護士3人とも色が違う。お姉さんのY子さんから「家に帰ってから読んで下さい」と渡された手紙には、次のように書かれていた。

 5年前のあの日、私は自分の持つあらゆる「愛」を失いました。捨てようとしました。この世の全てを憎んだから。(中略)

 そんな私に先生は手を差しのべ、光の方向に導いて下さいました。遠い所からではなく、常に近くで手が届く所に居て下さいました。人の心を捨てかけた私と共に歩み、悩み、涙を流して下さいました。私が今「人」として在るのは、先生方のあたたかな息吹きを常に感じることができたからです。(中略)
 たくさんの“ありがとう”をささやかな品と共に贈ります。
 (中略)先生方を思い浮かべながら作りました。

 草原を優しく翔ける風と、それを支える強い大地。柔らかな心と、強い意志を併せ持つ須井先生には青磁と黒い天目を。
 世界を優しい太陽に染め上げる夕暮れの空と、その先に待つ優しい母の記憶。永遠の母性で包みこむ上出先生には紅と赤天目を。
 命を生み育み、包み込む海。深く雄大で力強い北の海を思わせる岩城先生には、瑠璃とわら灰を。
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 これは、ろくろではなく手びねりで作りました。(中略)どこか不器用ですが、その存在は唯一無二の美しさがあります。
 先生たちの生き方は、この手びねりのようだと思います。
 これから私は、そんな素敵な先生の生き方に励まされながら、そして負けないように歩みます。

 まるで、美しく壮大な叙事詩の主人公の一人にしていただいたような感覚に陥る。
 身に余る光栄であり、このように言っていただけることこそ、本当の弁護士冥利に尽きるものである。
 心のこもった手作りの作品と、過分な感謝の言葉は、私たちにとってかけがえのない宝物になるだろう。

 思えば、Nさんのお父さんが、2011年11月18日の過労死防止基本法制定実行委員会の結成総会(No.53)の場で遺族として訴えたのは民事訴訟提訴の2か月後であり、再び訴えた2013年11月19日の第8回の院内集会は、和解解決の1か月前であった。その間、Nさんご家族が集めた「ストップ!過労死署名」は、数千名に及ぶ。街頭署名活動でも、いつもNさんご家族の姿があった。
 このように、Nさんご家族の闘いの期間は、過労死防止基本法制定の取組みの期間とも重なっているのである。
 法律制定の取組みが大詰めを迎えている時だけに、Nさん事件の解決には感慨深いものがある。

 Nさんご家族には、今はしばらく、疲れた体を休めていただくとともに、今後は、自分たちの経験を生かして、過労死家族の会の後進の人たちを導いてあげてほしいと思う。
 N家の皆さん、本当にお疲れさま。そして、ありがとうございました。


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