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2014年5月の12件の記事

2014年5月28日 (水)

No.190 過労死防止法案 ついに衆議院本会議で可決、次は参議院で成立へ!

 2014年5月27日午後1時からの衆議院本会議で、過労死防止対策推進法案(過労死防止法案)が可決されるのを傍聴した。
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 昨年、参院の厚生労働委員会を傍聴したことはあったが、本会議を傍聴するのは初めて。紹介議員が必要だったり、持ち物が厳しくチェックされる(ハンカチと貴重品以外は、携帯電話もカメラも一切持ち込めない。)のは、国民主権の理念からは多少抵抗感があるが、いろいろな危険を考えるとやむを得ないのだろう。傍聴席は高い2階にあり、広い議場全体が見渡せるようになっている。30人近い私たちのグループはまとまって傍聴席に陣取った。寺西さん、中原さん、西垣さんはそれぞれ遺影を胸に抱いて座った。両脇から、たくさんのカメラがこちらに向けられている。
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 午後1時、次々と議員たちが議場に入ってくる。議連代表世話人の馳浩議員をはじめ、お世話になったたくさんの議員がいる。中には微笑んでくれたり、手を振ってくれたりする方もいる。心なしか、皆さん晴れやかな表情に見えた。
 厚生労働委員会から満場一致で上がってきているので、厚生労働委員会の後藤茂之委員長が趣旨説明をしただけで、あっさりと可決されたが、その重みは、ずしんと来るものがあった。遺族たちに向けられたカメラのフラッシュが激しく光る。みんな目に涙をためていた。
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 終了後、午後3時から記者会見。これまでにないほど、たくさんの記者が集まってくれた。これまでいくつもの記事を書いてくれた記者さんたちの笑顔を見ていると、これまで一緒に取り組んできた仲間のように感じた。
 当然のことながら、これまでになく多くの新聞・テレビが報道してくれた。
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 これからまだ、参議院の厚労委員会と本会議が残っている。大きな障害はないと思うが、会期末が6月22日(この日は日曜なので、実質は6月20日までであろう。)に迫っているので、間に合うかだけが気になるところである。
 参議院本会議での可決・成立の瞬間を見に来るのは、ちょっと難しそうである。大阪の地で、歴史的な瞬間を待ちたいと思う。
 以下、マスコミ報道の一部を紹介しておきたい。

◆過労死防止対策法案 衆院で可決

 NHKニュース 5月27日 17時18分

 過労死や過労自殺をなくすため、国が実態調査を行って効果的な防止対策を講じることなどを定めた法案が、衆議院本会議で全会一致で可決されて参議院に送られ、審議が順調に進めば、今の国会で成立する見通しです。
 27日の衆議院本会議では、自民党の後藤茂之厚生労働委員長が、過労死や過労自殺をなくすための国の取り組みを定めた法案を提案し、「近年、過労死が多発し大きな社会問題になっている。本人や家族だけではなく社会にとっても大きな損失だ」と述べました。
法案では、過労死や過労自殺の実態調査を行って効果的な防止対策を講じることを国に義務づけているほか、遺族や過労で重い病気を経験した人などをメンバーとする協議会を設け、政府は協議会での意見を踏まえて防止対策の基本方針を盛り込んだ大綱を策定し、閣議決定するなどとしています。
 法案は、過労死や過労自殺の遺族で作る団体の代表らが傍聴に訪れるなか、採決が行われた結果、全会一致で可決されて参議院に送られ、審議が順調に進めば、今の国会で成立する見通しです。

◆過労死防止法案:衆院で可決、成立へ…傍聴の遺族、喜び
 毎日新聞 2014年05月27日 19時57分(最終更新 05月28日 02時02分)
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 過労死等防止対策推進法案などが全会一致で可決された衆院本会議が散会し、喜びを分かち合う「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表(左から2人目)ら関係者=国会内で2014年5月27日午後1時18分、藤井太郎撮影

 過労死や過労自殺の防止対策を国の責務で実施する「過労死等防止対策推進法案」が27日、衆院本会議で可決された。法案は今国会中に成立する見込み。
 法案は超党派の議員連盟が提出。同日の衆院本会議には、家族の遺影を抱いた被害者の遺族ら約30人が傍聴。法案が可決されると抱き合って涙を流した。
 記者会見した過労死防止基本法制定実行委員会の委員長、森岡孝二関西大名誉教授は「法制定で過労死は社会問題であるという意識が生まれる。法制定は極限まで広がっている過労死防止の出発点だ」と訴えた。【東海林智】

◆過労死防止法案、衆院可決…遺族「大きな一歩」
 読売新聞 2014年05月27日 23時17分

 過労死防止策を初めて国の責務と定めた「過労死等防止対策推進法案」が27日、衆院本会議で全会一致で可決された。超党派の議員立法で提案され、今国会中に成立する見通し。傍聴席で見守った遺族らは「働き過ぎで命を落とすことのない社会に変える、大きな一歩」と期待を込めた。
 法案が可決されると、傍聴席で遺影を抱いていた「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表(65)(京都市)らメンバーは涙を流し、手を握り合って喜んだ。
 寺西さんの夫彰さん(当時49歳)は、飲食店で調理場の責任者を務めていたが、大規模店の店長に異動後、仕入れ管理や経費削減、営業などを任された。長時間労働でうつ病を発症し、1996年2月、自ら命を絶った。
 27日の記者会見で、寺西さんは「夫は二度と帰ってこないが、夫が生きた証しに、こういうことを防ぐ法律を作ろうと頑張ってきた。法律を成立させるだけではなく、きちんと運用していただきたい」と強調した。

◆過労死防止法 衆院通過
 テレビ東京

 過労死や過労自殺の対策が国の責任であることを初めて法律に明記した「過労死等防止対策推進法案」がきょう、衆議院本会議で可決されました。この法案は、国に対して過労死の調査研究や防止策の実施を求める一方で、労働時間の制限など、企業に対する規制は盛り込まれませんでした。法案はこの後、参議院に送られ、今国会で成立する見通しです。15年前に夫を過労自殺で亡くし、「東京過労死を考える家族の会」の代表を務める中原のり子さんはほかの遺族とともに本会議場で、法案の成立を見守りました。

◆亡き息子の声聞こえた 過労死防止法案衆院通過に遺族
 神戸新聞NEXT 5月27日(火)22時11分配信

 「おかん、よく頑張ったな」‐。過労死を防ぐ国の責務を明確にした「過労死等防止対策推進法案」が採決された27日の衆院本会議。可決の瞬間を傍聴席で見守った全国過労死を考える家族の会兵庫代表の西垣迪世さん(69)=神戸市=は、息子が声をかけてくれたような気がした。「成立するまで、もう少し息子に応援してもらう」。悲願の法律制定に向け最後まで努力を続けることを、母はあらためて誓った。
 西垣さんは2006年、一人息子の和哉さん=当時(27)=を過労が原因で亡くした。
 本会議後、防止法制定を訴えてきた家族の会の仲間とともに、厚生労働省内で会見。傍らには、傍聴席で胸に抱いていた和哉さんの遺影を置いた。
 「親として息子が戻ってこない悲しみはあるが、それでも法案の衆院通過は本当にうれしい」と涙ぐんだ西垣さん。「過労死で息子や娘を亡くした親がどれほど苦しい思いをしているか。亡くなった息子や娘は、どんな思いでこの世を去り、私たちにどんな信号を送っているのか。そのことを考えてきた」とこれまでの活動を振り返った。
 遺族や労働問題に詳しい弁護士らと12年に「過労死防止基本法制定兵庫実行委員会」を結成。防止法を求める意見書の採択を県内地方議員に働きかけ、兵庫県議会が都道府県議会で初めて、神戸市議会が政令市議会で初めて可決した。何度も街頭に立ち、県内で東京に次ぐ約7万6千人の署名を集めた。全国では約55万人の署名が集まり、議員立法の大きな原動力となった。
 法案は参議院に送られるが、今国会の会期は6月22日までと残り少ない。家族の会東京代表の中原のり子さん(58)=東京都=は「ここでぬか喜びしている場合ではない」と表情を引き締めた。
 参院議員への働きかけを続けるという西垣さんは「法案には不十分な点もあるが、過労死のない社会を目指して一日も早く成立し、対策が実施されることを切に願います」と訴えた。
(段 貴則、中部 剛)


 写真は、上から
 ① 衆議院の本会議場(テレビ東京のニュースから)
 ② 傍聴する遺族ら
 ③・④ 記者会見の様子
 ⑤ 採択後、喜ぶ遺族ら(毎日新聞より)


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2014年5月27日 (火)

No.189 新人医師のパワハラ自殺事件で勝訴!──鳥取地裁米子支部で判決と記者会見

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 5月26日、新人医師が赴任の70日後に自殺した事件(公立八鹿病院事件)の民事訴訟で一審判決の言渡しが鳥取地裁米子支部であり、3人の弁護団で米子に行って判決を聞き記者会見をしてきた。
 遠い米子の地での判決と記者会見であるにもかかわらず、全国から遺族やマスコミの方が集まり、傍聴席は満席であった。

 争点であった①上級医師のパワハラ行為の認定、②公立病院でのパワハラについての国家賠償法の適用排除と上級医師の個人責任、③病院と上級医師らの予見可能性の有無、などについて、ほぼ全面的に原告側の主張を認めてもらうことができたので、ほっとしている。
 もっとも、被災者自身が医師であることなどを理由に2割の減額がなされた点など不満はあるが、控訴するかどうかも含めて、これから遺族の方々とよく相談していきたい。
(なお、弁護団は、林裕悟、中森俊久と私の3人である。)

◆8000万円賠償命令 医師過労自殺、パワハラ認定 兵庫の病院 鳥取地裁

産経新聞2014.5.26 19:55

 公立八鹿(ようか)病院(兵庫県養父(やぶ)市)の男性医師=当時(34)=が自殺したのは当時の上司による長時間労働とパワーハラスメントが原因だったとして、両親が病院側などに約1億7700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、鳥取地裁米子支部であった。上杉英司裁判長は「厳しい言動と自殺に因果関係があった」として元上司個人の賠償責任も認め、病院側と元上司2人に計約8千万円の支払いを命じた。

 原告側代理人によると、医療現場の過労自殺で病院の使用者責任だけでなく、上司の個人責任も認めた判決は異例。元上司は当時地方公務員だったため、本来なら国家賠償法に守られ個人の責任を負わないが、上杉裁判長は「民間病院と異なる点はない」として民法の不法行為を認めた。

 判決によると、男性は平成19年10月、鳥取大学から公立八鹿病院に派遣され、整形外科医として勤務。月174~206時間にのぼる時間外労働や上司2人の叱責と暴力行為などによって鬱病を発症し、同年12月に官舎で自殺した。

 病院側は「パワハラではなく必要な指導だった」などと主張したが、上杉裁判長は「社会通念で許される指導や叱責の範囲を明らかに超える」と退け、パワハラがあったと認定した。

 一方、自殺した男性医師にも職業上、鬱病の知識があったと考えられることなどから、過失相殺で2割を減額するなどした。

 病院側の第三者委員会は20年6月に報告書をまとめ、元上司のパワハラを「不適切な指導」と結論づけたが「悪意によるいじめとまでは認められない」と指摘。22年8月には男性医師の自殺が公務災害と認められたが、長時間労働だけが理由とされ、パワハラについての判断はなかった。

 公立八鹿病院の話 「判決文を見ていないので今後、内容を検討したい」

◆八鹿・医師自殺 病院側に8000万円賠償命令
神戸新聞NEXT 2014/5/26 23:09

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 養父市の公立八鹿病院件の男性勤務医=当時(34)=がうつを発症し自殺したのは過重労働とパワーハラスメントが原因だとし、鳥取県米子市の両親が、同病院と当時の上司だった医師2人に約1億8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、鳥取地裁米子支部であった。上杉英司裁判長はパワハラを認め、運営する病院組合と2人に計約8千万円の支払いを命じた。

 男性医師は2007年10月から同病院整形外科に勤務し、着任約2カ月後の同年12月に病院宿舎で自殺した。

 判決によると、自殺前4週間の時間外勤務は174時間、その前の4週間は206時間に達し、継続的にパワハラも受けていた。

 医師経験が半年だった男性医師は、上司から「介助の要領が悪い」と患者の前で頭をたたかれたほか、手術の際には「田舎の病院だと思ってなめとるのか」などと叱責(しっせき)された。

 「君は給料の3分の1しか働いていない。君のしていることをお父さん、お母さんに言ってやる」などとも言われ、上杉裁判長は「社会通念上許される指導の範囲を明らかに超える」と指摘した。上司はいずれもすでに同病院を退職している。

 上杉裁判長は同病院について「上司2人との関係も含めた勤務状況を把握し、疲労や心理的負荷の軽減を図るべきだった」とした。

 会見した母親(67)は「うつを発症させたのが、病院であったというのが残念でならない。こんな悲劇を繰り返してはいけない」と涙ながらに訴えた。男性医師をよく知る医師も同席し「とても優しく優秀な医師だった。医療現場は今でも徒弟的で、改善されなければならない」と話した。両親の代理人弁護士は「公務員のパワハラ訴訟で、上司に賠償を命じるケースは聞いたことがなく、画期的な判決」と評価した。

 八鹿病院の米田一之事務部長は「判決文が届けば、控訴を含めて検討したい」とコメントした。

 ※写真は神戸新聞に掲載された記者会見の様子。左端に写っているのが私である。

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2014年5月25日 (日)

No.187 「過労死防止法」いよいよ制定への最終ステージへ!──(その2)5/23衆議院厚生労働委員会で意見陳述と満場一致採択!

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◆院内集会の翌日の5月23日午後1時から、衆議院の厚生労働委員会で「過労死等防止対策推進法案」(過労死防止法案)の審議が行われた。

 その冒頭に、「全国過労死を考える家族の会」の代表世話人の寺西笑子さんが参考人意見陳述を行った。
 委員会採決の前に、関係者が意見陳述するのは異例とのことである。

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 寺西さんの意見陳述のあと、過労死等防止対策推進法案について、後藤茂之厚労委員長から法案の趣旨説明が行われた後、採決が行われ、委員全員が起立して全会一致で採決された。歴史的な瞬間であった。
 これを受けて、5月27日、衆議院の本会議で可決される予定とのことである。
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◆寺西さんの意見陳述は、短いながらも大変感動的であった。厚労委員会の議員も傍聴者も、あちこちですすり泣きが聞こえた
 ある議員の方はブログで、「委員のみんなも泣いていました。自民党の理事さんも、「はじめて厚労委員になってよかった、と思った」と言ってました!」と書いておられた。

 また、厚労委のインターネット審議中継や、その録画をご覧になった過労死遺族の方から、
「感激でまだ涙が止まりません。寺西さんが私の息子のことも言ってくれたようで、嬉しかったです。息子も空の上で、喜んでいることと思います。」
「今、家族で、ビデオを見ました。寺西さんの言葉に涙があふれました。わたしたち家族のいいたかったことをしっかりといってくださっていること、うれしかったです。」
「感動しすぎて、言葉が、みつかりません!本当によかったです! 御尽力頂いた方々に、感謝申し上げます。寺西さん、遺族を代表して、みんなの気持ちを、伝えて頂き本当にありがとうございました。」
といった感想が次々と寄せられた。

 以下は、寺西さんの意見陳述の全文である。

 全国過労死を考える家族の会 代表世話人の寺西笑子でございます。  このたびは、衆議院厚生労働委員会採決にあたり意見陳述の機会を与えてくださったことに、後藤茂之委員長をはじめ、厚生労働委員会のみなさまに厚く御礼申し上げます。 14052211

 私たちは、愛する家族をある日突然に長時間過重労働やパワーハラスメントで命を奪われました。
 夫や妻、娘や息子など、かけがえのない大切な家族を失った遺族が悲しみを乗り越え、励まし合って支え合う「家族の会」をつくろうと声を上げたことから、1989年11月に「過労死を考える家族の会」が誕生しました。
 以来、毎年11月に国へ「過労死防止対策」を求めて要請行動を行い、「過労死のない社会」を願って活動しています。

 私事ですが、夫は1996年2月に過労自死しました。
 飲食店の店長だった夫は、平成不況のあおりを受け、会社が生き残るために、サポートがない中、達成困難なノルマを課せられ、年間総労働時間4,000時間にも及ぶ長時間過重労働を強いられました。

 真面目で責任感が強い夫は、身を粉にして必死の努力を重ねたことで、業績は回復したものの、会社が命令した右肩上がりのノルマには達しなかったため、連日パワーハラスメントを受けたあげく、人格否定され、意に沿わない異動を言い渡されたことで身も心も疲労困憊し、うつ病を発症して投身自殺を図りました。

 過労自死に追い込んだ社長は、土下座して泣いて謝りましたが、数日経てば手のひらを返した態度になり、職場に緘口令が敷かれました。
 「会社はひどいところ」と言っていた同僚や部下までもが、本当のことを言ってくれなくなって、実態解明は困難を究めました。

 無我夢中の裁判の中で過酷な労働実態は明らかになり、名誉回復することはできましたが、夫は二度と生きて帰ってくることはなく、命を救えなかった悔しさが胸に刻み込まれ、どうすれば死なずにすんだのか、考えていくことが、私のテーマになり、「家族の会」で活動しています。

 過労死は今もなお増え続けており、相談者は絶えることはありません。
 近年、入社数ヶ月でうつ病になり息子さんが自死された親御さんや幼い子どもを抱えた妻が悲壮な状態で相談に来られています。

 懸命に育てた息子や娘を亡くした親は、親自身の人生までもが奪われ、乳飲み子を抱えた妻は、明日からの生きていく術さえ奪われます。
 ましてや、これからという人生を奪われた本人の無念さは如何ばかりでしょうか。

 労災申請するには、こうした高い壁が立ちはだかり、申請しても遺族が立証するには限界があるため、泣き寝入りする遺族がほとんどで、認定される遺族は氷山の一角です。

 職場は違っていても、その背景には真面目で責任感が強い優秀な人が長時間過重労働で心身の健康を損ない、過労に陥り命を奪われている実態があります。

 これからの日本社会を背負っていく若者が過酷な労働環境に追いやられ、優秀な人材を亡くすことは、日本の未来をなくすことであります。
 私たちは繰り返される過労死をなくしたいとの切実な思いから、過労死をなくすための対策を国にお願いしたいと切望するようになりました。

 このたびは、この国の過労死をなくす法案を衆議院厚生労働委員会全会一致で本会議に送っていただけることになりましたことを、大変嬉しく思っています。

 この日本に初めて過労死という文言の入った法律ができ、国をあげて、過労死を防ぐ対策を進めてくださることに感謝申しあげます。

 また、私たちの願いを受け止めてくださった、馳浩議員連盟世話人代表はじめ、泉健太事務局長および超党派議員連盟の先生方に、お世話になりましたことを心より感謝申しあげます。

 四半世紀続いた過労死をなくし、明日にでも過労死するかもしれない命を一人でも多く救うために、過労死防止月間を今年11月から実施できますように、来年度よりは、さらに本格的な施行ができますように、この法案を今国会で必ず成立させていただきたいと思います。

 「過労死防止法」法案成立後も、私たちも努力してまいる所存です。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

◆なお、この日の審議の様子は、衆議院インターネット審議中継のHPから動画でご覧いただけます。
 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=43968&media_type=
 寺西さんの意見陳述は、ページ中ほどの13時12分「寺西笑子(参考人 全国過労死を考える家族の会代表世話人)」のリンクから、
 また、後藤委員長の趣旨説明と採決の様子は、13時21分「後藤茂之(厚生労働委員長)」のリンクから、ご覧下さい。


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No.186 「過労死防止法」いよいよ制定への最終ステージへ!──(その1)5・22院内集会

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 2011年11月の「実行委員会」結成から2年半、その出発点となった2010年10月の最初の院内集会から数えると3年半にわたって取り組んできた、過労死防止基本法制定の取り組みが、ついに最終段階に入った。

 慎重に議論を重ねてきた自民党の内部手続きが終了したことにより、全政党の足並みが揃い、いよいよ衆・参の厚労委と本会議という正規の立法手続きに入っていくことになったのである。

 昨年10月の臨時国会から、「一日も早く」ということで全力で進めて来たが、やはり思うようにはいかず、通常国会も6月20日の会期末まで1か月を切っていることから、「時間とのたたかい」となっている。

◆盛り上がった「前夜祭」──第10回院内集会
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 このような微妙な状況を見込んで、最終盤の弾みをつけるため、5月22日、「「過労死防止法」の今国会成立を実現する緊急のつどい」(第10回院内集会)を衆議院第一議員会館で行った。
 前回2月4日の院内集会では、初めて超党派議員連盟の「後援」の形であったが、今回はついに議員連盟との「共催」の形が実現した。
 準備期間が短かったこともあり心配したが、232人の参加者で、会場は立ち見が出る盛況となった。

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 森岡孝二実行委員長の開会あいさつに続いて、議連代表世話人の馳 浩衆院議員(自民党)から経過報告と法案のポイントの説明がなされた。続いて議連事務局長の泉健太衆院議員(民主党)を筆頭に、議連の各党世話人と参加国会議員から次々とご挨拶をいただいた。

 また、遺族の訴えは、この立法運動のきっかけを作った3人の遺族(大阪のTさん、岡山のMさん、兵庫のNさん)が、当時と今の思いを切々と話された。

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 さらに、まだ法律ができていない段階なので異例とのことであるが、厚生労働省労働基準局労働条件政策課長から、成立後施行までと、施行後の課題についてお話をいただいた。このような院内集会で厚労省の担当者からお話をいただけること自体、ある意味で夢のようである。

 また、同じように議員立法で制定された「自殺対策基本法」の制定後の取組みについて、NPO法人ライフリンクの清水康之さんからお話をいただいた。
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 過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士は、26年前の過労死110番の開始当時からの弁護団と過労死遺族の長年の粘り強い取組みを振り返り、この法律の意義を強調した。そして、最後に、前日に出されたある判決後に、若い弁護士が「司法は生きていた」との横断幕を掲げていたが、司法だけでなく、今回の法律制定の取組みでは「国会も生きていた」との実感を持つようになったと話されたのが、印象的であった。

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 これまで10回にわたって開いてきた院内集会も、このまま順調に進めば、これが最後になる予定である。
 まるで卒業式を迎えるような、ちょっと寂しい気持ちと、法律制定後のステージに胸を張って進めるという誇らしい気持ちが混じり合うなか、これまでの取組みを振り返り、到達点をお互いに確認し合うとともに、成立後の決意を固め合う、「前夜祭」にふさわしい「つどい」であった。

 ※写真は上から、
 ①森岡実行委員長あいさつ
 ②馳 浩 議連代表世話人の経過報告
 ③会場風景
 ④ライフリンクの清水康之さん
 ⑤川人弁護士
 ⑥寺西笑子さんの閉会あいさつ


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2014年5月22日 (木)

No.185 「司法は生きていた」──大飯原発稼働差止め認めた福井地裁判決

◆こんなことは、10年、20年に一度あるかないかだろう。主要新聞のトップに報じられるような判決が、同じ日に2つ出された。

 2014年5月21日、1つは福井地裁(樋口英明裁判長)の大飯原発の運転差し止め、もう1つは横浜地裁(佐村浩之裁判長)の厚木基地の自衛隊機の深夜・早朝の飛行差し止めの判決である。
 いずれも、地元で暮らす住民たちの人格権の侵害を根拠にしたものである。

 原発、基地いずれも、私は全く関わっていない分野であるが、一国民として重大な関心を持っており、裁判官たちの勇断と、それを粘り強い闘いによって引き出した原告・弁護団の皆さんの頑張りに、心から敬意を表したい。
 どちらにもコメントしたいが、両方について書く余裕がないので、差し当たり福井地裁の判決についてのみ、簡単な感想を記しておきたい。

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◆福井地裁の大飯原発運転差し止め判決
 判決で印象深いのは、「生存を基礎とする人格権は憲法上の権利であり、法分野において最高の価値を持つ」と述べ、差し止めの判断基準として「新規制基準への適否ではなく、福島事故のような事態を招く具体的な危険性があるか」を挙げたこと、「関電は、原発の稼働が電力供給の安定性につながるというが、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されないと考えている」と述べたこと(いずれも要旨)、福島第一原発の使用済み核燃料プールをめぐるトラブルで250キロ圏内の住民の避難が検討されたことを踏まえ、大飯原発から同じ距離圏内に住む原告166人について差し止め請求を認めたことである。
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 ある意味で、非常に常識的であり市民感覚に沿った判断であるが、そこに「人間としての言葉の息吹」を感じるのである。同じ「判決」という表題がついていても、裁判官の人間としての言葉がなく、現実の実態から目をそらした「形ばかりの判決」に悔しい思いをさせられることの多い我々にとって、このような、人間としての心の通った判決に出会うと、ほっとするのである。

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 福井地裁の門前で原告と弁護団が掲げた紙幕に「司法は生きていた」と書かれていた。いま、元裁判官が書かれた「絶望の裁判所」という本がベストセラーになっているように、国民の裁判所不信は相当進んでいる。それだけに、このような紙幕にも救われる気がした。

 関電は当然控訴し、舞台は高裁(名古屋高裁金沢支部)に移ることになる。
 わずか12日前の5月9日に、同じ大飯原発の差し止めの仮処分を求めた事件で、大阪高裁(林圭介裁判長)が申立を却下したばかりであり、福井地裁判決が維持されるかどうかは、予断を許さない。
 しかし、少なくとも、「やっぱり司法は死んでいた」と言われないよう、市民感覚に沿う、人間としての心の通った判決を期待したい。

 ※2番目と3番目の画像は、5月22日付け朝日新聞から借用しました。


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2014年5月15日 (木)

No.184 今こそ「憲法裁判所」創設の検討を!(その2)

No.183より続く)

◆1 現行憲法のもとで「憲法裁判所」の設置は可能であり、必要である
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(1)以上のような理由から、私は、わが国にも「憲法裁判所」を創設すべき時期に来ていると思う。
 「その1」の冒頭に述べたように、法律で憲法裁判所を設置して法令の合憲性審査を行わせることは、憲法81条は否定しておらず(法律事項説)、むしろ憲法が要請しているところであるというべきである。
 実際、行政事件訴訟法は、個人の権利利益の保護を目的とする「主観訴訟」(抗告訴訟、当事者訴訟)以外に、もっぱら客観的な法秩序の維持を目的とする「客観訴訟」として、「民衆訴訟」(国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するもの。行訴法5条)と「機関訴訟」(国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟。行訴法6条)の類型を認め、これを通常裁判所に審理させている。
 憲法裁判所を設置することにより、上記の「民衆訴訟」に対応する憲法訴訟類型の審理が可能になると解すべきである。
 「法規に適合しない国又は公共団体の機関の行為」の是正を求める訴訟が認められているのに、「最高法規である憲法に適合しない国又は公共団体の機関の行為」の是正を求められないというのは、いかにも不合理である。

(2)これに対し、護憲の立場に立つ憲法学者にも、憲法裁判所について懐疑的、慎重な見解が根強いと思われる。例えば、「憲法裁判所が設けられれば,確かに,国家行為が違憲審査に服する機会が現在よりも増えるという点では,違憲審査制は活性化すると言える。」「現在は,憲法の最終的有権解釈権者である最高裁判所の判断を得るまでに相当の時間がかかり,第一審裁判所に提訴されてから10年も経ち最高裁判所の憲法判断が下されるといったことすらあるが,憲法裁判所が設置されれば――たとえば衆議院議員の3分の1の要求に基づき,あるいは具体的事件を扱っている裁判所の要求に基づき――もっと早期にその憲法判断を仰ぐことができる。」との積極面を認めつつ、「しかし,‥‥人権制約立法を十分な検討もなしに早期に合憲とする判決が積み重ねられる可能性もある」「確かに,憲法裁判所は,憲法判断を下す専門の機関として構成されるので,その裁判官は憲法判断を下す能力・意欲のある人物であるかどうかという観点から選ばれるのが建前となるはずである。しかし,制度さえ変えればすべてうまくいくと考えることはできないであろう。」といった見解である(後述参考文献2)。
 護憲を掲げる法律家団体・弁護士団体でも、憲法裁判所の設置を積極的に提唱する動きは顕在化していない。

 しかし、付随的審査制のままでは、前述(No.183の◆3の①~③)の問題はクリアできないし、「慎重」「懐疑的」な姿勢を続けても、自然に展望が開けてくるわけでもない。
 現に、下級審(地裁・高裁)の裁判官の現状追認傾向は強まるばかりであり、むしろ、最高裁の方が憲法判断に対する姿勢の変化が見られるという指摘もある(後掲参考文献1)ところである。
 また、主権者たる国民の監視という点でも、重要な憲法問題が憲法裁判所に提訴された場合は、マスコミやインターネットなどで国民的な議論が沸き起こり、署名運動やネット投票なども取り組まれ、健全な国民世論が形成されていくだろうし、憲法裁判所はこの世論を尊重せざるを得ないだろう。この世論をないがしろにした憲法裁判所は、国民的な批判を受け、その時にこそ、現在はほとんど機能していない最高裁判所の国民審査が生きてくると思う(この場合、最高裁裁判官と憲法裁判所の裁判官の重なり合いの問題はあるが、法律レベルで憲法裁判所裁判官に対する独自の国民審査制度を作ることも考えられる)。
 これに対し、「健全な世論が形成されるとは限らない」「憲法裁判所が不当な判決を出す可能性がある」などとして反対するのは、結局は国民不信ではないだろうか。

◆2 注目すべき、韓国の憲法裁判所の実績

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(1)この点、お隣の韓国の憲法裁判所の創設と実績が、大変参考になる(以下、後掲参考文献3による)。
 韓国では、1988年に施行された現行憲法において、憲法裁判所が復活された。
 憲法裁判所の裁判官は9人で構成され、大統領が任命するが、うち3人は国会で選出し、他の3人は大法院長(日本では最高裁長官)が指名する者を任命しなければならない。任期は6年で再任も認められる。
 憲法裁判所は、法院(裁判所)の提案による法律の違憲審判のほか、法律が定める憲法訴願審判を管掌する(他に、裁判官の弾劾裁判や政党解散審判なども行う)。
 憲法訴願には、「権利救済型憲法訴願」(憲法裁判所法68条1項)と「規範統制型憲法訴願」(同2項)がある。

(2)興味深いのは、韓国において憲法裁判制度は成功裏に定着しつつあると評価されていることである。
 憲法裁判所が創設された1988年9月1日から2010年12月31日までの間に、20,055件を受理し、12,395件を処理した。法律の違憲審判事件は730件を受理し、695件を処理しており、その中で、違憲決定199件、憲法不合致決定52件、限定違憲決定15件、限定合憲決定7件である。また、憲法裁判所法2項による憲法訴願事件は、同じ期間に2,874件が受理され、2,603件が処理されたが、違憲決定は153件、憲法不合致決定53件、限定違憲決定26件、限定合憲決定21件とのことである。
 そして、韓国では、憲法裁判所制度の開始(なお、1998年には行政法院制度も開始された)によって、公法に関わる訴訟が飛躍的に増加し、国民の救済範囲が拡大されたとされている。

 私は一弁護士に過ぎず、特に憲法訴訟や憲法問題に深く関わってきたわけでもないので、理解不足や間違いも多々あると思うが、本当に日本国憲法を国民の「共有財産」にしていくためにも、憲法裁判所の創設について、これから議論が広がっていくことを願う。

【参考文献】
1 「最高裁の違憲審査の活性化と憲法判例──最近の最高裁判決をめぐって──」(中央大学法科大学院教授 横尾日出雄、CHUKYO LAWYER第18号、2013)
2 「日本における違憲審査制の軌跡と特徴」(市川正人立命館大学教授、立命館法學 2004年(2), 530-545, 2004)
3 「韓国における憲法裁判所及び行政法院の機能と役割」(岡田正則、河 明鎬)(早稲田大学比較法研究所、比較法学第45巻 第2号(2011.12.1))

 ※上のマンガは、ぼうごなつこさんの「小学生でもわかる憲法入門」のサイトから引用させていただきました。
  下の画像は、韓国の憲法裁判所の様子で、「レイバーネット日本」のサイトから借用させていただきました。
  厚く御礼申し上げます。

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2014年5月14日 (水)

No.183 今こそ「憲法裁判所」創設の検討を!(その1)

◆1 三権分立と「違憲立法審査権」
 憲法第81条は、次のように規定する。
 「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」
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 これは、下級裁判所(地裁・高裁)を含めた裁判所に、法令の合憲性審査権(違憲立法審査権)を与えたものと解されている。権力分立の1つである「三権分立制」の中で、司法権から立法権への抑制手段として導入された制度であり、憲法の最高法規性の確保と基本的人権尊重を目的とするとされる。
 中学校の社会科の政治経済の教科書には、右のような図が掲げられ、司法権(裁判所)が違憲立法審査権によって「憲法の番人」「人権保障の最後の砦」となっている、といった説明がなされている。

◆2 最後の最後まで合憲性判断をしたがらない裁判所
(1)しかし、現実は、裁判所が法令の違憲判断を行うことはほとんどない。その最大の原因は、違憲審査制の法的性格として、「付随的審査制説」が採用されているからである。
 違憲審査制の法的性格については、次の3説があるとされる。
A 付随的審査制説
 憲法81条は付随的違憲審査制を採っており、裁判所は具体的争訟の解決に付随してのみ違憲審査をすることができるとする。
B 抽象的審査制説
 憲法81条は最高裁判所に抽象的違憲審査権を付与したものであり、最高裁判所は具体的事件を離れて違憲審査権を行使することが可能あるいは違憲審査が義務づけられているとする。
C 法律事項説
 憲法81条は付随的違憲審査制を採っているが、法律の制定によって最高裁判所に抽象的違憲審査権を付与することは憲法上許容されており可能であるとする。

 学説では、①導入のモデルとなったアメリカでは付随的審査制がとられていること、②「第6章 司法」の章に規定されていること、③憲法には提訴要件、提訴権者、憲法裁判所の裁判官の選任方法、裁判の効力などが規定されていないことなどの理由から、Aの付随的審査制説が通説である。
 私たちも司法試験の勉強では、当然のように付随的審査制が正しいと信じ込んできた。
 最高裁は警察予備隊違憲訴訟において、A説のような判示をしているが(最大判昭和27年10月8日)、C説を明確に排除しているわけではないとされている。

(2)そして、付随的審査制のもとで、ようやく訴訟で憲法論争が行われても、裁判所は、①司法消極主義(裁判所は、本来非民主的な機関だから、国民を代表する議会の意思を最大限尊重する必要があり、その為には違憲審査を控え、自己抑制すべきとの考え方)、②立法裁量論(法律の合憲性判断が求められたとき、裁判所が、その法律の制定にあたって行った立法府の政策判断や決定等を尊重し、法律の目的や目的達成のための手段に詮索を加えたり、独自の判断を加えることを差し控えるべきであるとの考え方)、更には、③統治行為論(国家統治の基本に関する高度な政治性を有する国家の行為については、法律上の争訟として裁判所による法律判断が可能であっても、司法審査の対象から除外すべきとする考え方)などによって、とにかく違憲判断を避け続けてきた。
 その結果、現在の憲法体制で67年(1947年5月~2014年5月)にもなるのに、最高裁が法令違憲の判決を下したのは、つい最近の最判平成25年9月4日(非嫡出子相続分規定違憲判決)を含めて、わずか9件しかないのである。
 極め付けは、今や誰が見ても陸・海・空軍の実態を持つ自衛隊について、最高裁は未だに合憲とも違憲とも判断していないのである。これでも、裁判所は法令の合憲性審査を適切に行ってきたといえるだろうか。
 もっとも、今世紀に入ってから最近10年ほどの最高裁の判例を見る限り、最高裁は従前と変わってきたのではないかとの評価がなされており(後掲参考文献1参照)、この点は注目に値する。

◆3 付随的審査制で、果たして憲法保障を果たせるのか
 しかし、そもそも付随的審査制のもとで、本当に憲法の基本原理と最高法規性を守れるのであろうか、最近疑問を感じるようになってきた。それは、次の3点からである。
 ①付随的審査制のもとでは、裁判所に憲法判断をしてもらおうと思えば、事件性(争訟性)が必要であるため、何らかの形で原告となる人の権利侵害(基本的人権の侵害)があったと構成しなければならないが、そのような人権の構成自体に大変な苦労を余儀なくされるうえ、最終的に人権として認められるかどうかわからないし、仮に認められても、その原告には当事者適格がないなどとして門前払いされる可能性も高い。
 ②具体的な事件性をもって訴訟になるまでには長いタイムラグがあるため、それまでに事態が進んでしまい、ほとんど既成事実化されてしまう可能性が高い。
 ③そもそも、政府の行為には、人権侵害と構成することが困難なものがあり、その場合、人権侵害を介在させなくても憲法の最高法規性を担保する必要がある。

 ①の具体例として、自衛隊のイラク派遣の差止めを求める訴訟で、憲法前文にある「平和に生きる権利」が侵害されたとして提訴がなされた例や、首相の靖国神社参拝が政教分離原則(憲法20条)に反し、一般市民である原告が精神的苦痛を受けたとして国に慰謝料を請求した例などがある。
 ②の危険性を感じるのは、昨年12月に世論の反対を押し切って成立した特定秘密保護法である。マスコミの取材や内部告発が同法違反として検挙された場合には刑事事件や民事訴訟になる可能性があるが、それ以前に政府の不正も含めた膨大な秘密が半永久的に「お蔵入り」となり、また公務員の守秘義務が徹底され、違反そのものが極めて起こりにくくなる。
 ③の典型は、今安倍首相が行おうとしている、「日本と密接な関係にある国が攻撃を受けたとき、日本への攻撃とみなして反撃することができる権利」(集団的自衛権)は憲法に違反しないという閣議決定を行おうとしていることである。
 これは、憲法9条の解釈の重要な変更であり、憲法81条がある以上、最終的には最高裁の判断によって最終的に決着されなければならないはずである。ところが、このような閣議決定がなされても、この段階で具体的な事件性・争訟性を持たせて裁判所に判断を求めることは、極めて困難である。集団的自衛権の行使として自衛隊が海外で武力を行使し、戦闘で死者が生じたり、また、武力行使を受けた相手国が日本に反撃して攻撃を受ける(これは戦争の開始を意味する)などしない限り、裁判が起こせないのであろうか。為政者が確信犯的に暴走した場合でも、憲法の番人である裁判所が止めることはできないのであろうか。
(以下、「No.184」(その2)に続く)

 ※画像は、ウィキペディアの「権力分立」の項から借用しました。


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2014年5月12日 (月)

No.182 今年も、やっぱり行ってよかった──第8回「母に感謝のコンサート」

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 5月11日、今年も大阪城ホールの「母に感謝のコンサート」に行ってきた。今年で第8回になるが、私は第4回から昨年まで4年連続で行っていたので(このうち第5回についてはNo.21、一昨年の第6回はNo.73、昨年の第7回はNo.116に感想を書いている。)今年はどうしようかなという迷いもあったが、思い切ってやはり行くことにした。
 会場は、去年以上に満杯だったように思う。会場に入ると、独特の温かい雰囲気が流れている。
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 例によって、出演者と曲目を思い出してメモしておくと、次のとおりである。
 【1】岩崎宏美 ①ロマンス ②秋桜 ③聖母たちのララバイ
 【2】麻衣 ①Night,I stand ②小さな写真
 【3】秋川雅史 ①千の風になって ②天城越え ③君と旅立とう(Time To Say Goodbye)
 【4】由紀さおり・安田祥子 ①お母さんは春 ②「はもりべ」(HAMORI-BE、中川公志と小原有貴の二人の歌い手による男声ヴォーカルユニット)と一緒になった「花のメドレー」(13曲)
 【5】Kiroro(サプライズゲスト・その1) ①Best Friend ②未来へ
 【6】福田こうへい ①峠越え ②南部蝉しぐれ
 【7】黒柳徹子(特別出演)
 【8】ペギー葉山(サプライズゲスト・その2) ①学生時代 ②マンマ ③ドレミの歌
 【10】南こうせつ ①うちのお父さん ②妹よ ③からたちの小径
 【11】森山良子 ①涙そうそう ②家族写真 ③30年を2時間半で ④?
 【12】全員 母へ
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 私個人の感想を言えば、今回のコンサートは、これまで以上によかった。一人ひとりの出演者の選曲も歌声もよかったし、サプライズゲストが2人いたのもよかった。
 特に、ペギー葉山さんの歌を直に聴いたのは初めてで、黒柳徹子さんとのトークも含めて、とてもしみじみと聴かせていただいた。
 岩崎宏美さんは、最近少し丸み(?)を帯びて、大歌手としての貫祿が出てきていると思った。
 麻衣さんの歌は、独特のファンタジックな世界があり、今回の2曲ともとても美しかった。
 由紀さおり・安田祥子さんと「はもりべ」の2人のコラボもよかった。特に、違う曲を同時に歌うというのは初めて聴いたが、本当に花が咲き乱れているという感じで感心した。
 秋川雅史さんの「君と旅立とう」(Time To Say Goodbye)は、昨年2013年7月18日にコンサートに行ったサラ・ブライトマンのヒット曲で、大変好きな曲だったので、同じように歌唱力のある秋川さんが歌うのにぴったりだと思った。
 森山良子さんの「30年を2時間半で」という曲(というより一人芝居のミュージカルのよう)は、初めて聴いたがとっても軽妙でファンタスティックで楽しかった。

 今回は妻とお義母さんと二男との4人で、いい歌をたくさん聴いた余韻に浸りながら、27階のレストランで美しい景色を観ながら食事をした。今回は長男とその彼女は不参加だったが、前日に彼女から妻に花のプレゼントが届いていたので、妻はご機嫌だった。
 やっぱり、また来年も行こうかな。


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2014年5月 6日 (火)

No.181 「事業場外労働」(労基法38条の2)の判断基準を示す──最高裁平成26年1月24日判決

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 旅行会社の募集型ツアーの添乗員の業務につき,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとされた事例
──最高裁判所第二小法廷平成26年1月24日判決(阪急トラベルサービス事件)──

 労働基準法38条の2の第1項は、「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。」と定めています。
 これは、例えば「直行直帰」で1日中外回りの営業をするような場合の規定ですが、どのような場合に「労働時間を算定し難いとき」に当たるかが、しばしば争われます。
 この点について最高裁は、①ツアーの日程は予め決まっており、乗務員が自ら決定できる事項の範囲と選択の幅は限られていること、②添乗員は携帯電話を所持して、問題が生じれば会社に報告して指示を受けることが求められていること、③ツアー終了後は詳細な報告書の提出が求められ、その内容はツアー参加者のアンケートなどで確認できることなどから、本件添乗業務については,これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと解するのが相当である。」としました。
 もっとも、本件のように、派遣会社から派遣された添乗員が自ら時間外手当を請求するというのは、ある意味で勇気がいることです。派遣会社も派遣先の旅行会社も、この最高裁判決を受けて、きちんと時間外手当を支払うことが求められます。
            (弁護士 岩城 穣)

 ※あべの総合法律事務所メールマガジン「メールいずみ」第32号(2014・2・24)より転載。


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2014年5月 5日 (月)

No.180 GHQの憲法草案作成に関わったベアテさんのこと──憲法記念日に寄せて

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 朝日新聞5月4日付けの「憲法を考える・中」に、当時22歳でGHQの日本国憲法草案作成委員の一人として、男女平等の実現に力を注いだベアテ・シロタ・ゴードンさんのことを紹介していた。

 昨年12月8日の投稿(No.155 日本国憲法の基礎を作った人々の情熱を熱演──劇「真珠の首飾り」)で、ベアテさんたち民生局員の活動について書いたので、今回の記事を嬉しく思った。
 以下は、朝日新聞記事のベアテさんに関する部分である。

普通の人々、普通の理念 140504

 2012年1月。天皇皇后両陛下は、五日市郷土館(東京都あきる野市)を視察した。展示された五日市憲法草案を見ながら、2人は言葉を交わした。

 展示を説明した市職員の関谷学(56)は、美智子皇后から「何歳くらいの人たちが活動していたのですか」と問われた。「20、30代の青年が中心です」と答えると、皇后は黙って何度もうなずいたという。

男女平等を強く主張

 皇后は昨年10月の誕生日に出した文書で、憲法にまつわる人との交流にも触れた。12年に死去したベアテ・シロタ・ゴードン。皇后は「日本における女性の人権の尊重を新憲法に反映させた」と功績をたたえた。

 ベアテはユダヤ人で、1923年にオーストリア・ウィーンで生まれた。戦時中にナチスの迫害で亡くなった親族もいた。5歳の時に東京音楽学校教授に就いたピアニストの父や母と来日し、15歳まで日本で暮らした。戦時中は米国の大学にいたが、戦後日本を占領した連合国軍総司令部(GHQ)の民政局に入り、再び来日。当時は22歳だったが、25人のGHQ草案作成委員の1人として男女平等の実現に力を注いだ。

 女性の権利にこだわったのは、多感な時期に日本の女性の姿を見聞きしたからだ。「おめかけさん」と同居する妻、親に売られる娘、親の決めた相手と結婚する女性……。ベアテは後に刊行した自伝で「日本女性の味方は私一人しかいない」と、当時の心境を振り返っている。

 しかし、ベアテらが短期間でまとめたGHQ草案をもとにつくられた現行憲法を「押しつけ」と批判する声も多い。首相の安倍晋三は昨年4月5日の衆院予算委員会でこう主張した。

 「25人の委員が、全くの素人が選ばれて、たったの8日間でつくられた。そういう事実をちゃんと見ながら、自分たちで真の独立国家をつくっていく気概を持つべきだ」

 外国の「素人」が関わった今の憲法には価値はないのか。ベアテの娘で米国在住の弁護士、ニコル・ゴードン(59)は安倍の言葉に反論する。「母は確かに、私のように法律の知識はない『素人』だった。けれど母は日本の女性がどれだけ苦しんでいるのかを、よく理解していた。女性の権利を日本国憲法に盛り込むことを使命と感じていた」

 ベアテの自伝は米国ではいったん廃刊となったが、シカゴ大学出版が今月3日に新装版を刊行。日本の戦後史研究で知られ、自伝に序文を寄せた歴史学者のジョン・ダワー(75)は彼女が新憲法をつくるキーパーソンの1人だったと語る。

 日本側は当時、女性の権利条項の削除を求めた。これに対しベアテは男女平等の理念を新憲法に盛り込むよう強く主張。その考えは「婚姻は両性の合意のみに基いて成立」「法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定」などと規定した24条に生かされた。

 「彼女がいなかったら日本の憲法に24条はなかっただろう」。ダワーはベアテが残したものを「理想主義」と表現する。

 「当時は多くの人々が日本が民主主義国になれると信じていなかった。だがベアテは日本人を信頼していた。この理想主義が、合衆国憲法にも書かれていない女性の権利を保障する進歩的な憲法を生んだ」

 皇后美智子さまは、ベアテさんの生前に交流があり、昨年10月の79歳の誕生日に出した文書の中で、ベアテさんに対する追悼の言葉もあったという。

 皇后の言葉は、静謐でしっとりと美しいのに、とても重みがある。

 作家の高橋源一郎さんは、同紙の昨年10月31日付け論壇時評「皇后陛下のことば 自分と向き合って伝える」で、次のように書いている。
 「わたしは、皇后のことばを読み、それから、そこで取り上げられた人たちのことばを、懐かしく振り返り、彼らのことばには一つの大きな特徴があるように思った。彼らは、「社会の問題」を「自分の問題」として考え、そして、それを「自分のことば」で伝えることができる人たちだった。そして、そのようなことばだけが、遠くまで届くのである。」

 ※なお、上の画像は、「映画「ベアテの贈りもの」製作委員会」のサイトから借用させていただきました。

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No.179 未成年の禁煙治療にも「保険」を適用すべき? 弁護士が指摘する現行制度の「矛盾」──「弁護士ドットコム」掲載(2014.4.27)

 「弁護士ドットコム」から依頼を受けて書いた元原稿に基づいて、下記のトピックスが掲載された。
 今回は、これまでの4回と違って労働問題と関係がないが、頼まれると断れず、つい「わかりました」と言ってしまって、あとで原稿に追われて苦労するんだなあ。

未成年の禁煙治療にも「保険」を適用すべき? 弁護士が指摘する現行制度の「矛盾」 140503_2

 未成年の場合、喫煙行為そのものが違法行為であるため、禁煙治療が保険適用の対象外になってしまう。
 「タバコは百害あって一利なし」。喫煙者にとっては耳が痛いかもしれないが、少なくとも未成年は注意して聞くべき言葉だろう。厚労省のまとめによると、15~19歳でタバコを吸い始めた場合、肺がんで死亡する率は非喫煙者の5倍以上にもなるという統計データがあるからだ。

 未成年は成人よりも、タバコに含まれるニコチンへの依存度が高くなりやすいため、早急な禁煙治療が必要だといわれる。しかし、そのハードルはかなり高そうだ。というのも、未成年の場合、喫煙行為そのものが違法行為であるため、禁煙治療は公的な医療保険の適用対象にならないというのだ。

 つまり、未成年が禁煙治療を受けようとしたら、その治療費は高額となってしまう。 だがむしろ、喫煙による影響が大きい未成年こそ、保険を適用して治療をすすめるべき、という気もするが・・・。こうした現状について、弁護士はどう見ているのだろうか。岩城穣弁護士に聞いた。

●未成年者こそ「禁煙治療」の必要性が高い
 「未成年の喫煙行為は違法だから、その禁煙治療は保険の適用外にするというのは、未成年者のニコチン依存症が『あってはならない』ということと、『ないはずだ』ということを混同していて、あまりに形式的であると思います」
 このように岩城弁護士は疑問を呈する。
「若いときに吸い始めるほどニコチンへの依存度が高くなり、治療の必要性が高いのです。他方で、治療効果も高いといえます。
 また、ニコチン依存症の未成年者には保険治療を認めないのに、その人が成人したら保険治療を認めるというのは、整合性に欠けますね」

 たしかに、「成人にならないと禁煙治療はできない」といわんばかりの現行制度はいかにも奇妙だ。さらに、岩城弁護士は、国や社会といったマクロの観点から見ても、未成年者に対する禁煙治療のメリットは大きいと言う。
「未成年のときから強いニコチン依存症に陥ると、ガンや虚血性心臓疾患にかかる可能性が高くなり、将来の労働力を失うことにもなります。また、これらの成人病の治療や後遺障害のために莫大な医療コストや社会的コストがかかります。
そう考えると、未成年の段階で早期に治療をしておくほうが、はるかに安いコストで済むはずです」

●未成年の禁煙治療は「無償」にしてもよい
 では、制度はどうあるべきなのか?
「未成年者に対する特例を設けて、禁煙のための保険治療を受けられるようにするべきだと思います」
 このように岩城弁護士は述べるが、さらに踏み込んで、「未成年者への禁煙治療は、無償にしてもよいのではないか」と提案する。その理由として、家庭環境の問題をあげる。
「未成年者は自ら治療費を支払うお金がなく、親に出してもらうことが多いと思われますが、喫煙依存になる未成年者の場合、家庭環境に問題をかかえている子が少なくないのが現状です。
そのため、親が『治療費を払うお金がない』『お金がかかるなら治療を受けさせない』などと言って、足を引っ張る可能性も否定できません」
 本人が禁煙治療を受けたくても、親の無理解や経済的事情によって受けられないことも考えられるというわけだ。

「したがって、未成年者への禁煙治療については、教育の一環として『無償』にしてもよいくらいだと思います。禁煙団体やPTAなどが、この問題を世論と行政に訴えて、現在の取り扱いを変えさせていくことが必要なのではないでしょうか」

 岩城弁護士はこう述べて、「未成年の禁煙治療」について国民的な議論が必要だということを指摘していた。
(弁護士ドットコム トピックス)


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2014年5月 4日 (日)

No.178 歴史をくぐり抜けてきた美しい町並みたち───IADLブリュッセル大会とポーランドの旅(その3)

 今回のツアーのメインは、ブリュッセルでのIADL(国際民主法律家協会)の第18回大会(4月15日~17日)とポーランドのアウシュヴィッツ見学(4月19日)であったが、その合間をぬって、できる限り観光に努めたことはいうまでもない。
 主な場所をメモしておくことにする。
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◆4月15日(火)
 大会1日目終了後、短時間であったがブリュッセルの市内観光。発祥の地とされる「小便小僧」の小さな像は、とてもかわいかった【写真①】。11~12世紀に市場として開かれた広場である「グラン・プラス」は、その規模も建物も壮観だった【写真②】。
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 夜は、広場近くのホテルのレストランで、東京組と一緒に食事会をした。


  

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◆4月16日(水)
 大会2日目終了後、グラン・プラス広場近くのレストランで、前日に続いて東京組と食事。ベルギーの名物料理という鍋一杯の蒸しムール貝はおいしかった。日本ではムール貝はそれほど馴染みがないが、いろんな味付けがあるようで、食べ始めるとクセになりそう【写真③】。
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 その後、Tさんの予約のもと、Oさんご夫婦との4人で、地元の人気グループのロックコンサートに行った【写真④】。心臓にズシンズシンと来る、ものすごい音。結構広い年代の人で会場は満員電車状態だが、みんなリズムに乗って体を動かしていた。
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◆4月17日(木)
 大会3日目のお昼前に大会を抜け出して(m(_ _)m)、約1時間列車に乗って、「水の都」といわれるブルージュへ。雲一つない快晴、さわやかな空気の中で昼食【写真⑤】。ウサギの肉は初めて食べた。
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 その後、運河を約30分間船で廻る運河クルーズを楽しんだ【写真⑥】。運河で囲まれた地区全体が世界遺産とのこと。運河のほとりで地元のビールも【写真⑦】。


  

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 夕方にはブリュッセルに戻り、東京のメンバーと合流して、またしてもTさんお勧めのジャズクラブ“the Musuc Village”で「GENE TAYL0R TRIO」のジャズを聴く。


  

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 太っちょのリーダーみたいな人が、とってもいい味を出していた【写真⑧】。

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◆4月18日(金)
 この日は移動日。ブリュッセルから空路ミュンヘン経由で、ポーランドのクラクフに夕方に到着後、クラクフ市内観光。
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 ヤギェウォ大学、11世紀から17世紀にかけて歴代ポーランド王の居城だったヴァヴェル城、聖マリア教会【写真⑨】、中央市場広場【写真⑩】など。
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◆4月19日(土)
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 アウシュヴィッツ見学の後、午後からクラクフの近くにあるヴェリチカという岩塩採掘場へ。13世紀中頃から1950年代まで採掘が行われたとのことで、エレベーターで地底の底に降りていく感じ【写真⑪】。
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 華のように結晶した白い岩塩の一粒を口に含むと、やっぱり塩辛かった。世界遺産に指定された第1号だという【写真⑫】。
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 帰りに、映画「シンドラーのリスト」に出てくる、実際にあった工場も見学した【写真⑬】。

◆4月20日(日)
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 朝クラクフを出て、ワルシャワへ。この日は何とイースターと重なって(日本では元旦のような、1年で最大のお祝いの日である。)、街は人が少ない。ワジェンスキ公園【写真⑭・⑮】、ショパン像【写真⑯】、旧市街の市場広場【写真⑰】、ワルシャワゲットーの英雄記念碑などを見て廻った。
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 この日が事実上最後の日。最後に大阪組のメンバーでホテルで食事会をした【写真⑱】。
 先に帰られた東京組の皆様を含め、今回のツアーで同行いただいた皆様、有意義で楽しい旅をありがとうございました。
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 ※写真は、上から順に
① 小便小僧(4月15日、ブリュッセル)
② グラン・プラスの市庁舎(同)
③ ムール貝の鍋(4月16日、ブリュッセル)
④ 人気グループのロックコンサート(同)
⑤ 昼食をとったレストラン(4月17日、ブリュージュ)
⑥ 運河クルーズの船上から(同)
⑦ 立ち寄ったカフェで、冷たいビール(同)
⑧・⑨ ジャズクラブ“the Musuc Village”での「GENE TAYL0R TRIO」コンサート(4月17日、ブリュッセル)
⑩ クラクフの中央市場広場、左は聖マリア教会(4月18日、クラクフ)
⑪ 同広場にあった、横たわった頭のオブジェ(同)
⑫ ヴェリチカの坑道(4月19日、ヴェリチカ)
⑬ ヴェリチカの世界遺産認定の記念石碑(同)
⑭ 「シンドラーのリスト」の工場(同)
⑮・⑯ ワジェンスキ公園の中にいたリスとカモ(4月20日、ワルシャワ)
⑰ ワジェンスキ公園内のショパン像(同)
⑱ ワルシャワ旧市街の市場広場にある、剣を持つ人魚像(同)
⑲ 大阪メンバーでの最後の夕食会(同)


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