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2014年5月 6日 (火)

No.181 「事業場外労働」(労基法38条の2)の判断基準を示す──最高裁平成26年1月24日判決

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 旅行会社の募集型ツアーの添乗員の業務につき,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとされた事例
──最高裁判所第二小法廷平成26年1月24日判決(阪急トラベルサービス事件)──

 労働基準法38条の2の第1項は、「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。」と定めています。
 これは、例えば「直行直帰」で1日中外回りの営業をするような場合の規定ですが、どのような場合に「労働時間を算定し難いとき」に当たるかが、しばしば争われます。
 この点について最高裁は、①ツアーの日程は予め決まっており、乗務員が自ら決定できる事項の範囲と選択の幅は限られていること、②添乗員は携帯電話を所持して、問題が生じれば会社に報告して指示を受けることが求められていること、③ツアー終了後は詳細な報告書の提出が求められ、その内容はツアー参加者のアンケートなどで確認できることなどから、本件添乗業務については,これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと解するのが相当である。」としました。
 もっとも、本件のように、派遣会社から派遣された添乗員が自ら時間外手当を請求するというのは、ある意味で勇気がいることです。派遣会社も派遣先の旅行会社も、この最高裁判決を受けて、きちんと時間外手当を支払うことが求められます。
            (弁護士 岩城 穣)

 ※あべの総合法律事務所メールマガジン「メールいずみ」第32号(2014・2・24)より転載。


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