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2014年10月の4件の記事

2014年10月13日 (月)

No.214 北海道新聞に森岡孝二先生の著書の紹介が掲載されました

 10月7日付けの北海道新聞15面(生活欄)、「労働 見つめ直すお薦めの一冊」のコーナーの5冊の本の一つに、森岡孝二先生の「過労死は何を告発しているか」(岩波現代文庫)についての私の紹介文が掲載された。

 本文約280字。これだけの字数で1冊の本を紹介するのは、本当に難しい。
 担当のS記者が、私の文章を上手に編集してくれた。
 やはり、プロだと感心した。

働き過ぎ メカニズム解く 141007

 「過労死は何を告発しているか」

      森岡孝二・著 岩波現代文庫

 この本は、大学教員生活の締めくくりとして、筆者が四半世紀取り組んできた過労死、労働時間研究の集大成だ。この分野のバイブルと言える。
 25年前から社会問題となった過労死の歴史と背景をひもといた上で、ホワイトカラーや若者、就職活動中の大学生ら、さまざまな人々の過労死(自殺を含む)の象徴的な例を示す。労働時間や会社の対応など、働き過ぎのメカニズムを解き明かし、過労死・過労自殺をなくすため、法で定める労働時間や休暇を守る大切さをあらためて強調している。
 筆者は研究者と同時に市民運動家であり、「過労死等防止対策推進法」の制定を実現させた立役者でもある。(岩城 穣(いわきゆたか) 弁護士)

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No.213 「日本の司法は腐っている」──中村修二氏の怒りに共感する

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 2014年のノーベル物理学賞を中村修二氏(米カリフォルニア大学教授)が受賞したニュースを聞いた時、この方が、青色LEDの発明対価をめぐって2004年1月に東京地裁で200億円の支払命令を勝ち取るも、1年後の2005年1月に東京高裁で6億円で和解した訴訟の原告だったということは忘れていた。

 10年前、「200億円」の支払を命じる判決には度肝を抜かれたが、高裁の「6億円」でも悪くないんじゃないか、くらいにしか考えていなかったが、10月7日付けの「日経ビジネスオンライン」の小笠原啓氏の記事を読んで、実は控訴審の6億円の和解は、中村氏にとっては屈辱的な敗訴的和解であったことを知った。

 私は、発明の対価といった問題については詳しくないので立ち入った論評はできないが、2005年1月上旬に中村氏が小笠原氏のインタビューに対して語ったという、次の言葉に深く共感した。

 「日本の司法制度は腐っている――。言いたいことは、この一言に尽きますよ。本当に頭にきています。」

 「私は米国でも裁判を経験しているので、日本の裁判制度自体に非常に矛盾を感じるんですよ。」

 「米国では証拠書類の開示が本当に徹底しています。相手側の弁護士が要求する書類を全部出さないとダメ。パソコンは全部押収されましたし、私が消したアダルト関連の迷惑メールまでチェックされるんですよ。
 ところが日本では、そんなのないんです。今回の訴訟に関する証拠、私の研究ノートや特許書類は全部日亜化学が持っています。持ち出したら本当に企業秘密漏洩になりますからね(笑)。それを提出しろと言っても完全に無視。しかも裁判所は何も言わない。そのくせ日亜化学側は、自分たちに有利な証拠書類だけを出してくる。
 一方、こちらは記憶だけが頼りですからね。日亜化学側が提出した証拠書類に反論したり、我々に有利なことが書いてある部分を引用したりはできますが、十分とは言えない。こんな状況では対等な裁判なんてできませんよ。
 だから日本では真実がよく分からないんですよ。そこで裁判長が「お前ら両方の主張はよく分からんから、わしが全部決める。落としどころの判決はこれじゃー」と言って終わり。封建制度そのままの、まさに裁判長の独壇場。江戸時代から全く変わってない。」

 本当に、そのとおりである。今の裁判は、「武器対等」のもとに真実を解明する場からはほど遠いのが現状である。
 私が関わっている過労死・過労自殺事件でも、会社側は、あることが明らかになっている資料でも「関連性がない」「既に廃棄した」「企業秘密である」などと主張して徹底的に提出を拒否し、裁判所は事実上これを追認するばかりである。

 中村氏の場合は、まさに開発・発明に従事した本人なので、「どこどこにこういう資料があるはずだ」とわかっているのに、それでも会社は出そうとしないのだから、過労死事件で、本人が亡くなり、詳しい事情を知らない遺族に資料を隠し通すのは、「赤子の手をひねる」ようなものである。

 こんなことを続けていれば、裁判所はますます国民から見放されていくだろう。
 最高裁はこのことにもっと危機感を持ち、アメリカの証拠開示制度を学び、民事訴訟法の改正や運用に取り入れていくべきである。

 ※画像は、青色LED(インターネットより)

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2014年10月12日 (日)

No.212 皆既月食と「月の思い出」

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 10月8日(水)の午後6時台から9時台にかけて、3年ぶりの皆既月食が見られた。大阪でも今回は天候がよく、淀屋橋の橋の上では、仕事帰りのたくさんの人たちがスマホやデジカメで写真を撮っていた。
私もi-Phoneで何枚も撮ってみたが、ピンボケで全然ダメだった。
スマホや安物のデジカメは、昼間の写真はかなりきれいに写るが、夜間の写真(しかも景色など)は、なかなかうまく写らないのが実情ではなかろうか。

 そこで、たまたまフェイスブックを見ていたら、私の元依頼者でITのシステムエンジニアであったNさん(長時間労働とノルマでうつ病を発症し、会社に民事訴訟を提訴、1審で勝訴し高裁で和解した。)が撮影した写真がアップされていた。ご本人の了解を得たので、紹介させていただく。
 また、月面の地図も、インターネットから借用させていただいた。

 月といえば、小学5年のころ、自宅で講読していた学研の「科学」という雑誌の付録の「天体望遠鏡」で、月を大写しに見て感動した記憶がある。
この「科学」は「学習」と並んで、小学生向けの学習雑誌だったが、その記事もさることながら、毎回付いてくる付録がいいのである。磁石、ラジオ、顕微鏡など、実際に実験や体験に使えるものが多く、内容も豊富だった。
この望遠鏡は、自分で買ってきた画用紙を丸めて本体を作り、その両側にレンズをはめ込むという単純なものだったと思うが、自分で作った望遠鏡で観た月の感激は忘れない。
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 私がその後、中学校で「科学部」に入ったり(10円玉に銀メッキをして遊んだりした記憶がある(笑))、ブルーバックスシリーズの本を読んだり、京大の入試科目の理科で「地学」を選択したのも(当時京大では、国語、英語、数学のほか、社会科と理科でそれぞれ2科目ずつ選択しないといけなかった。私は社会科は日本史と世界史、理科は生物と地学を選んだ。)、この影響が大きかったと思う。
 私が中学1年だった1969年7月、アメリカの「アポロ11号」に乗った3人が人類史上初めて月面に降り立ち、「月の石」を持ち帰った時も、胸がわくわくしたことを覚えている。
 船長のアームストロング氏は、月から次のような言葉を送信してきたという。

I'm going to step off the LM now.
これより着陸船から足を踏み降ろす。
That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind.
これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。

この「月の石」は、1970年の大阪万博で「アメリカ館」で展示されたが、待ち時間が5時間とかで観ることができなかった。

 そんなことをいろいろと思い出した、今回の皆既月食であった。

 ※画像(上から)
 ①Nさんの撮影した写真(フェイスブックより)。Nさんの説明には、「皆既月食でした。食分が最大の頃。300mm F4反射+EOS KissX5」と記載されている。

 ②月面の地図の説明。アストロアーツというサイトから借用させていただいた。

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No.211 宮崎ホンダ23歳青年過労自殺事件、民事訴訟でも証人尋問──問われる裁判所の「眼力」

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 23歳のホンダの整備士が転勤後4か月余りで自殺した事件(No.69 宮崎の地で、過労自殺行政訴訟を提訴)で、宮崎地裁で行政訴訟と民事訴訟が並行して進められているが、6月16、27日の行政訴訟での尋問(No.195 過労自殺させた会社と、防止できなかった労基署の「醜い野合」)に続いて、10月6日、民事訴訟でも関係者の尋問が終日行われた。
 行訴の8人に対し、民訴は6人で、全員が行訴で尋問された証人である。このように、並行して進められる行訴・民訴の両方で、このように全面的に尋問が行われるのは珍しい。

 といっても、原告の桐木弘子さん以外の5人はすべて会社側の証人である。このような敵性証人によって過重性やパワハラを立証しなければならないこと自体に、過労死・過労自殺問題の本質が表れている。

 予想していたことであるが、先日の行訴の証人尋問で多少とも国(=会社)側に不利な証言をしてしまった証人たちが、明らかにそれをカバーしようと、「先日の(行訴での)尋問では‥‥と言いましたが、その意味は‥‥でした」といった風に、主尋問で極めて流暢に説明を始めた。
 しかし、反対尋問で、恐らく証人が予想していなかったことを尋ねると、急に中空を見つめ、言葉を選びながらの慎重な証言になった。痛いところを突かれると、足を忙しく動かしていたと、傍聴に来てくれた人たちが口を揃えて話してくれた。

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 会社が労働時間の管理をきちんと行っていないと労働時間の立証は困難であり、パワハラについても、録音やビデオでもない限り立証は困難である。
 そして、職場の上司や同僚がすべて口裏を合わせ、肝心の本人は死んでしまっているので証言は不可能である。
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 そうなると会社側は、「本人の借金が原因ではないか」「家族関係に問題があった」「もともと脆弱(ぜいじゃく)であった」「大した仕事もしていなかった」など、文字どおり言いたい放題である。
 会社ぐるみで個人を押しつぶす。そんな不公平な企業社会の理不尽さが、法廷にも持ち込まれる。そのような法廷で、裁判所は会社内で起こった真実を見抜く「眼力」を持っているだろうか。

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 私たち過労死事件に取り組む弁護士は、全力で闘っては裏切られ、また闘っては裏切られるということを繰り返してきた(もちろん、過労死事件だけでなく、労働事件や労災事件、さらには消費者事件や国を被告とする事件などもそうである)。その最大の原因は、裁判官たちの「世間の現状の追認」と「悪慣れ」にあると思う。

 本件で行政訴訟を担当する宮崎地裁民事1部(内藤裕之,竹内るい,金友宏平)、民事訴訟を担当する同第2部(末吉幹和,古賀英武,芹澤美知太郎)の裁判官の方々が、真実を見抜く「眼力」を発揮してくれることを、心から願う次第である。

 写真は、上から
 ①宮崎地裁の建物(裁判所HPより)
 ②尋問終了後、傍聴者の皆さんと
 ③尋問後の食事会でのお刺身
 ④名物のハモの炭火焼きを焼いてくれる桐木弘子さんとSさん(妹)


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