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2014年10月12日 (日)

No.211 宮崎ホンダ23歳青年過労自殺事件、民事訴訟でも証人尋問──問われる裁判所の「眼力」

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 23歳のホンダの整備士が転勤後4か月余りで自殺した事件(No.69 宮崎の地で、過労自殺行政訴訟を提訴)で、宮崎地裁で行政訴訟と民事訴訟が並行して進められているが、6月16、27日の行政訴訟での尋問(No.195 過労自殺させた会社と、防止できなかった労基署の「醜い野合」)に続いて、10月6日、民事訴訟でも関係者の尋問が終日行われた。
 行訴の8人に対し、民訴は6人で、全員が行訴で尋問された証人である。このように、並行して進められる行訴・民訴の両方で、このように全面的に尋問が行われるのは珍しい。

 といっても、原告の桐木弘子さん以外の5人はすべて会社側の証人である。このような敵性証人によって過重性やパワハラを立証しなければならないこと自体に、過労死・過労自殺問題の本質が表れている。

 予想していたことであるが、先日の行訴の証人尋問で多少とも国(=会社)側に不利な証言をしてしまった証人たちが、明らかにそれをカバーしようと、「先日の(行訴での)尋問では‥‥と言いましたが、その意味は‥‥でした」といった風に、主尋問で極めて流暢に説明を始めた。
 しかし、反対尋問で、恐らく証人が予想していなかったことを尋ねると、急に中空を見つめ、言葉を選びながらの慎重な証言になった。痛いところを突かれると、足を忙しく動かしていたと、傍聴に来てくれた人たちが口を揃えて話してくれた。

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 会社が労働時間の管理をきちんと行っていないと労働時間の立証は困難であり、パワハラについても、録音やビデオでもない限り立証は困難である。
 そして、職場の上司や同僚がすべて口裏を合わせ、肝心の本人は死んでしまっているので証言は不可能である。
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 そうなると会社側は、「本人の借金が原因ではないか」「家族関係に問題があった」「もともと脆弱(ぜいじゃく)であった」「大した仕事もしていなかった」など、文字どおり言いたい放題である。
 会社ぐるみで個人を押しつぶす。そんな不公平な企業社会の理不尽さが、法廷にも持ち込まれる。そのような法廷で、裁判所は会社内で起こった真実を見抜く「眼力」を持っているだろうか。

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 私たち過労死事件に取り組む弁護士は、全力で闘っては裏切られ、また闘っては裏切られるということを繰り返してきた(もちろん、過労死事件だけでなく、労働事件や労災事件、さらには消費者事件や国を被告とする事件などもそうである)。その最大の原因は、裁判官たちの「世間の現状の追認」と「悪慣れ」にあると思う。

 本件で行政訴訟を担当する宮崎地裁民事1部(内藤裕之,竹内るい,金友宏平)、民事訴訟を担当する同第2部(末吉幹和,古賀英武,芹澤美知太郎)の裁判官の方々が、真実を見抜く「眼力」を発揮してくれることを、心から願う次第である。

 写真は、上から
 ①宮崎地裁の建物(裁判所HPより)
 ②尋問終了後、傍聴者の皆さんと
 ③尋問後の食事会でのお刺身
 ④名物のハモの炭火焼きを焼いてくれる桐木弘子さんとSさん(妹)


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3-4 過労死・過労自殺事件」カテゴリの記事

コメント

 岩城先生、本当にお疲れ様です。

 会社ぐるみで個人を押しつぶす。そんな不公平な企業社会の理不尽さが、法廷にも持ち込まれる。そのような法廷で、裁判所は会社内で起こった真実を見抜く「眼力」を持っているだろうか。

 当職も、同じように思っています。
現在、岡山地裁では、最高裁の調査官であった古田裁判官が画期的な判決を出し捲くってくれています。

 生殺与奪を全て裁判官に委ねているというのは、本当に辛いです。ただ、当職も先般訴額を満額認められた判決もありまして、司法も捨てたもんじゃない人たちもいるということです。

 過労死弁護団は、いつも苦しい闘いを強いられていますが、それでも勝ち続けて、今日まで来たのです。当職も玉木弁護士もずっと闘っています。

 岩城先生も頑張ってください!特に岩城先生は特殊能力がおありだから、それを遺憾なくクライアントの為に発揮してあげてください。

 当職は、岩城先生の能力は尊敬しています。

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