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2014年10月13日 (月)

No.213 「日本の司法は腐っている」──中村修二氏の怒りに共感する

141013led


 2014年のノーベル物理学賞を中村修二氏(米カリフォルニア大学教授)が受賞したニュースを聞いた時、この方が、青色LEDの発明対価をめぐって2004年1月に東京地裁で200億円の支払命令を勝ち取るも、1年後の2005年1月に東京高裁で6億円で和解した訴訟の原告だったということは忘れていた。

 10年前、「200億円」の支払を命じる判決には度肝を抜かれたが、高裁の「6億円」でも悪くないんじゃないか、くらいにしか考えていなかったが、10月7日付けの「日経ビジネスオンライン」の小笠原啓氏の記事を読んで、実は控訴審の6億円の和解は、中村氏にとっては屈辱的な敗訴的和解であったことを知った。

 私は、発明の対価といった問題については詳しくないので立ち入った論評はできないが、2005年1月上旬に中村氏が小笠原氏のインタビューに対して語ったという、次の言葉に深く共感した。

 「日本の司法制度は腐っている――。言いたいことは、この一言に尽きますよ。本当に頭にきています。」

 「私は米国でも裁判を経験しているので、日本の裁判制度自体に非常に矛盾を感じるんですよ。」

 「米国では証拠書類の開示が本当に徹底しています。相手側の弁護士が要求する書類を全部出さないとダメ。パソコンは全部押収されましたし、私が消したアダルト関連の迷惑メールまでチェックされるんですよ。
 ところが日本では、そんなのないんです。今回の訴訟に関する証拠、私の研究ノートや特許書類は全部日亜化学が持っています。持ち出したら本当に企業秘密漏洩になりますからね(笑)。それを提出しろと言っても完全に無視。しかも裁判所は何も言わない。そのくせ日亜化学側は、自分たちに有利な証拠書類だけを出してくる。
 一方、こちらは記憶だけが頼りですからね。日亜化学側が提出した証拠書類に反論したり、我々に有利なことが書いてある部分を引用したりはできますが、十分とは言えない。こんな状況では対等な裁判なんてできませんよ。
 だから日本では真実がよく分からないんですよ。そこで裁判長が「お前ら両方の主張はよく分からんから、わしが全部決める。落としどころの判決はこれじゃー」と言って終わり。封建制度そのままの、まさに裁判長の独壇場。江戸時代から全く変わってない。」

 本当に、そのとおりである。今の裁判は、「武器対等」のもとに真実を解明する場からはほど遠いのが現状である。
 私が関わっている過労死・過労自殺事件でも、会社側は、あることが明らかになっている資料でも「関連性がない」「既に廃棄した」「企業秘密である」などと主張して徹底的に提出を拒否し、裁判所は事実上これを追認するばかりである。

 中村氏の場合は、まさに開発・発明に従事した本人なので、「どこどこにこういう資料があるはずだ」とわかっているのに、それでも会社は出そうとしないのだから、過労死事件で、本人が亡くなり、詳しい事情を知らない遺族に資料を隠し通すのは、「赤子の手をひねる」ようなものである。

 こんなことを続けていれば、裁判所はますます国民から見放されていくだろう。
 最高裁はこのことにもっと危機感を持ち、アメリカの証拠開示制度を学び、民事訴訟法の改正や運用に取り入れていくべきである。

 ※画像は、青色LED(インターネットより)

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