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2014年11月17日 (月)

No.219 勤務医に明るい未来を! ──全国医師ユニオンに期待する

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 11月16日(日)午後1時30分から、東京のTKP東京駅前会議室で、勤務医の個人加盟の労働組合「全国医師ユニオン」が開いたシンポジウム「勤務医の過重労働と過労死・人権」に、シンポジストの一人として参加し、拙い講演をさせていただいた。

 私は医師の過労死事件に関わった件数は多くないが、私が可能な範囲で、①医師労働の特徴(高度の専門性と強いストレス)、②勤務医の労働実態の現状(医師不足、経営改善圧力、著しい長時間労働)、③これまでに公刊されている8つの裁判例の紹介、④いくつかの論点の検討(待機時間の労働時間性、パワハラ、過失相殺・素因減額)、⑤勤務医の過重労働の改善と過労死防止法の活用、といった点について、約1時間にわたってお話しした(これまで多くの医師の過労死事件に関わってこられた松丸先生に、過去の講演レジュメや資料をいただくなど、大変お世話になった。ありがとうございました)。
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 他のシンポジストは、医師ユニオン代表の植山直人さんと、小児科医師中原過労死裁判の元原告で、東京過労死家族の会代表の中原のり子さん。
 植山医師のお話は、医師の過重労働の原因、日本の医師の労働実態、医師の労働と医療の安全、医師を守る運動の始まり、ユニオンの主な活動と今後求められる活動などについて、短時間で大変整理されたものであった。
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 中原さんのお話も、前から概略はお聞きし、また判決も読んでいたが、改めて当時の過重労働で疲弊した様子や、自殺される直前の夫婦の会話、亡くなったご主人が遺書に書いたことを実現しようと決意してこれまで頑張ってきたことなどを聞かせていただいて、深く感銘を受けた。
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 その後の討論では、公立八鹿病院事件(34歳の青年医師が、赴任後わずか70日後に過重労働とパワハラで自殺した事件。今年5月26日に鳥取地裁米子支部で判決が出され、現在広島高裁松江支部で審理中)と、最近医師ユニオンが全面協力を決めた、ある地域の総合病院の産婦人科医師の過労自死事件(現在地裁で行政訴訟が係属中)の2つの事件の原告である遺族からの長文のメッセージが読み上げられ、会場はしんとなり聴き入った。また、パワハラを受けて3つの病院を転々とし、2番目の病院と民事調停を行った方の報告などがあった。裁判や裁判官に対する率直な質問もあったので、私なりに率直に意見を述べた(笑)。

 終了後の懇親会も、和気あいあいとして、とても楽しいものであった。最後の一言で、私は医師ユニオンの皆さんに、①医師ユニオンとして、勤務医のための制度改善要求をまとめること、また、②全国の勤務医の置かれている過重労働やパワハラの事例をまとめた「勤務医黒書」のようなものを作ることを提案させていただいた。これらを作る過程で、全国で議論を起こすことに、大変意味があると感じたからである。
 もっとも、帰宅して医師ユニオンのホームページを拝見したら、「勤務医労働実態調査2012」というものが行われ、2013年7月19日付で最終報告書が公表されており、すばらしい内容であった(存じあげずに、失礼しました)。
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 今の日本社会で、労働組合が独自のサブカルチャー(カウンターカルチャー)に基づいて、要求や提言をすること(それは、必ずしも対立とは限らない)は、とても重要な役割を持っていると思う。そして、勤務医の労働条件を改善するためには、勤務医自身が声をあげるしかないが、個々の勤務医が声をあげることは難しく、だからこそユニオンとして声をあげる意味は大きい。

 その意味で、医師ユニオンは、勤務医の未来を担っていると思うのである。そんな皆さんと親しくなることができ、心からうれしく思うとともに、過労死防止対策の具体化や、過労死防止学会でも一緒に頑張っていけることを願いながら、2泊3日の東京滞在からの帰路についた。

 ※画像の1、2番目は私、3番目は中原のり子さん。
  4番目は、医師ユニオンのホームページのトップページ、5番目は、今回いただいた医師ユニオンのニュース。
  どちらも、大変充実しています。


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