2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
フォト

« 2015年5月 | トップページ | 2015年7月 »

2015年6月の4件の記事

2015年6月21日 (日)

No.245 原発被災後の老夫婦を描く──劇「東の風が吹くとき」を観て

150621


 昨日6月21日、芦原橋の「リバティー大阪」で上演された、“劇団きづがわ”による劇「東の風が吹くとき」(作・高木 達、演出・林田時夫)を観てきた。

 慎ましく暮らしてきた3世代にわたる酪農と農業を営む佐藤倉治一家。福島原発事故後、この村は「全村避難区域」となり、農作物の作付は禁止され、搾乳した牛乳は捨てられ、肉牛も乳牛も屠殺され処分される。孫夫婦は避難先の温泉に避難させられ、娘夫婦は北海道への移住を決断するが、老夫婦はこの地に残って放射能の中で生きる道を選ぶ。

150621_2

 「直ちに影響はない」という政府の役人の言葉に対し、「直ちに影響があった。家族はバラバラ、村もバラバラ。」という倉治の言葉が重く響く。

 恥ずかしながら私は、特に福島原発被害についてはほとんど実態を知らなかった。このような悲劇があり、それは今も続いていることを身近に感じることができた。
 脚本を書いた高木 達さんは、いわき市出身で自らの実家も東日本大震災による津波で被災したとのことである。「いわき演劇の会」が市民から出演者を募り、2013年いわき市と東京都内で上演されたようである。
150621_4

 この劇に、大阪の劇団きづがわが挑戦したのが、今回の公演である。
 劇団きづがわは、働く人々の権利、平和など社会的テーマの作品を多く上演し続けてきた。今回の公演が第70回とのことであり、また、1963年の創立から50年を超えたという。すごいことだと思う。

 私は1992年に、平岡さん過労死事件をテーマにした劇「突然の明日~もう一度だけあなたの声が聞きたい―」の上演運動に取り組んだことがあった。同年8月に名古屋の“希求座”が富田林で(2日間・2公演で1300人)、12月に“劇団きづがわ”が大阪市内で(2日間・3公演で2200人)それぞれ公演をするという、やや無茶ともいえる大変な取組であったが、この成功によって、大阪での過労死問題に対する理解が一気に広がったことを身をもって経験した。

150621_3

 それ以降、きづがわの上演があれば観せていただくようにしている。最近では「美ら海」、「石流れ木の葉沈むとも~ダイキン労働者ものがたり」、「真珠の首飾り」を観せていただいた。
 今回の劇を観て、劇団全体がいっそう円熟味を増してきていると感じる。
 今後の林田時夫さんと劇団のいっそうのご活躍を期待したい。

 なお、インターネットに、①上述した「いわき演劇の会」の上演準備の記事(福島民報)と、②東京での上演についてのテレビ報道があった。ぜひご参照ください。

 ところで、この日たまたま同じ劇を観にきていた、天王寺法律事務所時代の同僚の事務局であったSさんと偶然に会い、一緒に食事をした。懐かしい思い出話や、これまでの苦労話に花が咲き、楽しいひとときを過ごした。

 ※画像は上から順に
 ①チラシの表面
 ②チラシの裏面
 ③福島第一原発事故の放射能汚染地図(群馬大学早川由紀夫教授作成、「福島原発事故の真実」のサイトより)
 ④出演された皆様(劇団きづがわのフェイスブックページより)


         ↓   ↓   ↓  

♪ここまで読んで下さった方は・・・ワンクリックしていただけたらとっても嬉しく、励みになります。
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

2015年6月13日 (土)

No.244 「大綱(案)」が完成、パブコメに積極的にご意見を!

 6月11日(木)、「過労死等防止対策大綱(案)」が完成し、7月10日(金)までの30日間、パブリックコメント(パブコメ)の受け付けが開始された。
 ※「意見募集中案件詳細」・「大綱(案)」・「意見募集要項」はこちら

 この「大綱(案)」は、過労死防止法に基づいて設置された「過労死等防止対策協議会」が昨年12月から約半年の間5回にわたって(第1回=2014年12月17日、第2回=2015年2月20日、第3回=4月6日、第4回=4月28日、第5回=5月25日)議論し、その中で述べられた意見を取り入れつつ作成されてきたものである。

 この法律制定に取り組んできた旧「過労死防止基本法制定実行委員会」からこの協議会に委員として参加した私たち7名(寺西、西垣、中原、中野、森岡、川人の各氏と私)は協議会で積極的に意見を述べ、提案を行ってきた。
 今回完成した「大綱(案)」には、その大部分が取り入れられたと評価している。
 もっとも、過労死ラインを超える時間外労働をする雇用者をゼロにする、過労死ラインを超える36協定をゼロにする、勤務間インターバルの導入促進(勤務と勤務の間に最低限の間隔を確保しなければならないとする制度)など、法律の改正をまたなくても具体的な目標をもって取り組んでほしいと求めたものについては取り入れられなかったが、随所で具体的な取り組みの内容に反映されている。

150613


 パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的とする制度で、平成17年6月の行政手続法改正により法制化されたものである(行政手続法 第6章 意見公募手続等(第38条~第45条))。

 提出された意見は、氏名・法人名、住所・主たる事務所の所在地及び連絡先を除き、原則として公表されることになっている。
 大綱(案)が更にブラッシュアップされ、またひろく周知されるとともに、充実した運用が行われるようにするためにも、一人でも多くの皆さんから、積極的にコメントが寄せられることを期待したい。


         ↓   ↓   ↓  

♪ここまで読んで下さった方は・・・ワンクリックしていただけたらとっても嬉しく、励みになります。
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

2015年6月 6日 (土)

No.243 花巻・盛岡のプチ観光とグルメ

Photo
【童話の森のマップ】
◆5月30日・31日の欠陥住宅全国ネットの大会には今回は夫婦で参加したが、「せっかく盛岡に行くのだから、トンボ返りはもったいない」ということで、ささやかな観光とグルメツアーを試みた。
Photo_2
◆5月29日(大会前日)の朝花巻空港に到着し、少しゆっくりした後、「宮沢賢治童話の森」エリアにでかけた。
 「宮沢賢治記念館」はちょうど20年前の全国過労死弁護団の総会が花巻で行われた時に行ったように思うが、再び訪れてみると、今年4月下旬にリニューアルオープンしたばかりだった。賢治直筆の原稿や写真などがたくさん掲示されていて、“宮沢賢治三昧”を堪能した。
150529
 「宮沢賢治童話村」も、ファンタジックで楽しかった。「賢治の学校」の「月夜のでんしんばしら」を モチーフにした幻想的な壁画は、とっても気に入った。
150529p1020330
◆続いて、JR釜石線で新花巻駅から釜石線で花巻駅へ行くことにしたが、何と1日に10本ほどしか電車がなく、カエルの鳴き声を聴きながら40分くらい待った。たまにはこんな時間も悪くない。
Photo_3
 花巻駅に行った目的は、「新ばし」のうな重。駅から15分くらい歩いて到着したが、何と暖簾が外されていて、出てきた女将さん、「すみませんが、休憩時間中なんです」。「えー‥‥」と言って残念そうな顔をしていると、ご主人が出てきて、作っていただけることに。「やった!」 
Photo_4
 このお店は6代目くらいで、このうな重は、宮沢賢治もお気に入りだったというから、すごい老舗である。
 待つこと20分くらい、芳ばしい香りが漂ってきた。この店では、客の注文があってから鰻をさばくのである。
Photo_5
 重箱一面に敷きつめられた蒲焼は、まさにとろけるように柔らかい。これは大満足。これだけでも、今回岩手に来た甲斐があった。

◆5月29日夜は、盛岡の山菜料理の専門店「沢内甚句」へ。
Photo_6
 これまで聞いたことがなかった「ボーナ」、「あいこ」、「ひめたけ」や、「きのこ柳川」、「沢内わらびのおひたし」、ピリ辛の「ももどり」、「ほや貝の刺身」などを肴に、「南部美人 心白」や「八重桜」などのお酒を枡いっぱいに接いでもらってちびちびと。
Photo_7
 最後に「ひっつみ汁」と「きのこ汁」もいただいた。
 女将さんも、店員の若い女性も男の子も、みんな人懐っこく話しかけてくれる。岩手の人たちはすごくあったかいと感じた。
Photo_8
◆5月30日の大会1日目が始まる前の昼食は、大会会場の「水産会館」の近くにある有名な「白龍(パイロン)」というお店で「じゃじゃ麺」をいただいた。京都ネット、東海ネットや神戸NETの人たちも来ていた。やっぱりみんな考えることは一緒だ。
Photo_9
 「じゃじゃ麺」というのは初めていただいたが、コシのある麺と挽き肉入りの味噌がよく合い、おいしい。最後に、食べたお皿に卵1個を割り入れて作ってくれる卵スープ「ちいたんたん」もおいしかった。たった50円で、とても良心的。
Photo_10
◆5月31日、大会2日目終了後の昼食は、地元の弁護士さんお勧めの盛岡駅地下の「磯よし」というお店へ。生うに丼の特上が4000円弱と聞いて少しひるんでしまい、うにとイクラが半分ずつの「海宝丼」にしたのだが、他の人が頼んだ「特上」を見ると、一回り大きな丼の一面に生うにが乗せられており、激しく後悔。生うにはとろけるように柔らかくて甘く、おいしかった。
Photo_11
 花巻空港に向かうバスが出るまでに少し時間があったので、建築士の木津田さんと3人で「材木町」にある「光原社」へ。これは宮沢賢治の「注文の多い料理店」を出版した会社で、現在は民芸品店である。敷地内にある喫茶店「可否館」でおいしいコーヒーもいただいた。短い時間だったが、爽やかな風を楽しんだ。
Photo_12
 唯一、食べれないままになるかと諦めていた「盛岡冷麺」を、空港内のレストランでいただくことができた。通常の韓国冷麺のようなものかと思っていたが、「辛み」が別なので、まずはコシのある麺とスープを楽しめる。ダシがすごく日本人好みで、おいしい。後半に「辛み」を入れると、まったく違ったおいしさが出てくる。やっぱり、名物とされるものはそれだけの根拠がある。
Photo_13
 以上、ささやかな観光とプチグルメは思い出に残るものだった。またいつか、盛岡に来たい。

 ※写真は上から
 ①「童話の森」周辺のマップ
 ②宮沢賢治記念館に向かう敷地玄関にて
 ③「童話村」の「賢治の学校」の「月夜のでんしんばしら」
 ④「セロ弾きのゴーシュ」のオブジェ
 ⑤釜石線でホームに入ってくる電車
 ⑥鰻の老舗「新ばし」
 ⑦「新ばし」のうな重(3,000円)
 ⑧「あいこ」
 ⑨きのこ柳川
 ⑩清酒「八重桜」
 ⑪「白龍」(パイロン)の「じゃじゃ麺」
 ⑫麺完食後に同じ丼で作る卵スープ(ちいたんたん)
 ⑫一歩日和って注文した「海宝丼」だが、とてもおいしかった。
 ⑬材木町の「光原社」(建築士の木津田先生のFB写真から拝借しました。)
 ⑭花巻空港内でいただいた「冷麺」


         ↓   ↓   ↓  

♪ここまで読んで下さった方は・・・ワンクリックしていただけたらとっても嬉しく、励みになります。
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

2015年6月 1日 (月)

No.242 被災地岩手で欠陥住宅全国ネットの原点を思う──全国ネット第38回盛岡大会

150530_2
◆欠陥住宅被害の救済と予防をめざす弁護士・建築士・学者・市民のネットワーク、欠陥住宅全国ネットは毎年5月と11月に全国各地で大会を開いている。
 私は第1回神戸結成大会(1996年12月)から第33回和歌山大会(2012年11月)まで全回参加してきたが、過労死防止法制定の取り組みが超忙しくなってからは、出席できないことも多くなった(2013年5月福岡、11月横浜、2014年11月下関の各大会)。
 今回も微妙だったが、過労死防止大綱づくりや事務所開設関係のイベントなどが一区切りついたことから、頑張って参加することにした。
150530p1020339
◆今回の大会のメインは、特別企画「岩手県の復興事業の現状と問題点」。小笠原基也弁護士の基調報告と質疑、アピール採択が行われた。
 小笠原弁護士の報告によれば、2011年3月11日の東日本大震災から4年経った2015年3月末現在で、住宅再建はまだまだ進んでおらず、建築資材の高騰、人手不足による建設開始の遅れと極端な売り手市場、二重ローン・支援制度の不十分による再建資金不足、土地価格の高騰、地盤の脆弱による調査・基礎工事費用の増加、人材不足・熟練工不在による欠陥・工事遅延、早期完成の焦りからの不良業者選択の恐れ、といった問題が山積しているという。
 これらを聞いて、阪神大震災のときと全く同じだと思った。津波被害が重なり移転や嵩上げが必要な場合がある点で、阪神の時よりも問題は深刻といえる。
 全国ネットが生まれたのも、阪神大震災で欠陥住宅問題が明らかになったことが契機であった。全国ネットとして可能な限り支援をしていく必要があるだろう。
150530p1020348
◆もう一つのテーマは、「建築訴訟の現状と問題点」として、吉岡和弘、河合敏男、越川佳代子の3人の弁護士から3つの「問題判決」(東京2件、福岡1件)の報告と、それを受けた、平泉憲一事務局長の司会によるパネルディスカッションである。
 詳細を紹介することはできないが、ひどい専門委員や調停委員、ひどい裁判官、ひどい判決に会場は怒りに包まれた。質疑応答では、「うちの県でも同じだ」、「うちのほうはそれほどひどくはない」などと議論が盛り上がった。
155030p1020356
 建築訴訟に限ったことではないが、裁判官が技術的なことや構造的なことがよくわからないために、調停委員や専門委員の意見や評価に盲目的に依存したり丸投げすることは多い。裁判官の大半は官舎暮らしで転勤を重ねていくため、数千万円の住宅ローンを組んで購入した住宅の欠陥住宅被害をきちんと理解しにくいという面も否定できない。さらに、調停委員や専門委員の資質や選任方法にも問題があると思われる。
 これまで欠陥住宅問題に取り組む全国の弁護士や建築士が切り開いてきた最高裁判決を含めた判例や制度的な改善の到達点を共有し、反撃していく必要があることが確認されたと思う。
150530p1020351
◆2日目には、市民向けの予防講座の取り組みの報告や、恒例の勝訴判決・和解の報告、日弁連消費者問題対策委員会土地住宅部会の活動報告や各地域ネットの活動報告などが行われ、私が最後に閉会の挨拶をさせていただいて終了した。
150530
 今年は1995年の阪神大震災から20年、2005年に日弁連人権大会で初めて欠陥住宅問題をテーマにシンポジウムが行われてから10年という節目の年である。そして、来年2016年は全国ネットが結成20周年を迎える。
 私にとって、過労死問題とともに、欠陥住宅問題も引き続き大きなテーマとして、これからも関わっていきたいと感じた大会であった。
 最後に、お世話になった東北ネットと地元岩手の皆さんに、厚く御礼を申し上げます。

 ※写真は上から
 ①197ページに及ぶ資料集
 ②基調報告を行う吉岡和弘幹事長
 ③岩手県における住宅再建の現状と課題について報告する小笠原基也弁護士
 ④会場風景
 ⑤パネルディスカッション
 ⑥懇親会で、ずらりと並んだ「東北ネット」の皆さん(2枚の写真を合体)


         ↓   ↓   ↓  

♪ここまで読んで下さった方は・・・ワンクリックしていただけたらとっても嬉しく、励みになります。
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

« 2015年5月 | トップページ | 2015年7月 »

無料ブログはココログ