No.252 忘れられない「アイドル」たち──③太田裕美
私の「忘れられないアイドル」の3人目は、太田裕美さんである。
彼女は1955年1月生まれとのことなので、私よりも学年で2歳上(南沙織と同学年)ということになる。
デビュー曲は「雨だれ」(1974年11月)だが、大ヒットしたのは、ご存じの「木綿のハンカチーフ」(1975年12月)である。
このころ、私は大学受験浪人中で、京都で1年間浪人生活を送っていた。それまでのエスカレーターから外れ、置いてきぼりになったような寂しさと孤独感、後がないという不安と焦りに苛まれながら、ひたすら勉強した(せざるを得なかった)1年間であった。その浪人時代の最終盤、大学入試を目前にした冬に、あの、ちょっと舌足らずの爽やかな声で歌うこの歌が、飛び込んできたのである。
高校時代までを和歌山で過ごし、切ない浪人時代を京都で過ごして、受験の結果次第でさらに旅立っていくというこの時期(私は京大に合格する前に中央大学法学部にも合格していたので、もし京大に合格していなければ中央大学に行く予定だった。)、太田裕美のこの歌は心に染み、すぐにファンになった。
あこがれの京大法学部に入学し、世界が輝いて見えたころ、何とゴールデンウィークに太田裕美が京大の時計台ホールに来てコンサートをするという。大学ってすごい、こんな人も来るんだと感動し、飛びつくようにチケットを買った。ところが、私の母方の祖母が病気でもうあまり長くないという知らせが入り、涙をのんで秋田にいた祖母に会いに行ったため、このコンサートには行けなかった。病床にいたおばあちゃんはとても喜んでくれ、その年の8月に亡くなったので、行っておいてよかったのだが、コンサートに行けなかった痛恨の思いもまた、忘れられない。
その後、大学時代から司法試験受験時代にかけて、何枚もLPを買ったり借りたり(昔はレンタルレコード店がたくさんあった)、CDを買ったり借りたりして現在に至っている。
2002年ころにはたしか大阪のIMPホールでのコンサートに行き、2012年9月には大阪城ホールでのコンサート「君と歩いた青春」(他に伊勢正三、南こうせつやイルカさんなど)にも行った。
太田裕美さんは今でも現役で活躍していて、あのちょっと舌足らずの甘ったるい声は健在である。2004年から伊勢正三(元かぐや姫)、大野真澄(元ガロ)との3人でユニット「なごみーず」を組んでコンサートを開催しているという。ぜひ、これからも歌い続けてほしい。
最後に、私の好きな太田裕美さんの曲のベスト10(ほぼ時系列順)を挙げると、以下のとおりである。
①木綿のハンカチーフ
②赤いハイヒール
③九月の雨
④あなたに夢中(「まごころ」所収)
⑥オレンジの口紅(「手作りの画集」所収)
⑦茶いろの鞄(「手作りの画集」所収)
⑤恋の予感(「12ページの詩集」所収。なお、同名の安全地帯の曲があるが別である。)
⑨あさき夢みし(「12ページの詩集」所収)
⑧さらばシベリア鉄道(「十二月の旅人」所収)
⑩メロディ・スモーキン(「十二月の旅人」所収)
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