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2015年12月の6件の記事

2015年12月31日 (木)

No.266 「ブラック社労士」の放置は許されない(その3)

(その2)から続く)
 12月18日に私たちが行った懲戒請求やブラック企業対策弁護団など6団体の監督要請もあり、K社労士のブログへの対応や社会的な批判が更に広がっている。

◆K社労士が登録している愛知県社労士会は、12月10日に監察綱紀委員会、12月25日に緊急理事会を開き、K社労士に対して「3年間の会員権停止」と「退会勧告」の処分を決めたという。これについては、下記の毎日新聞など多くの新聞が報道し、またテレビでもNHKが12月30日夜7時の全国ニュースで報道したのをはじめ、NNNなどが取り上げ、社会的関心の高さを物語っている。
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 もっとも、処分といっても、これは愛知県社労士会が自らの会員社労士に対して行う「注意」「勧告」にとどまり(社労士法25条の33)、正式な懲戒処分(戒告、1年以内の業務停止、失格(注、資格剥奪のこと))を行うのは厚生労働大臣である(社労士法25条、25条の3)。

毎日新聞2015年12月30日

社労士 書き込み「社員うつにさせる方法」会員権停止に

 愛知県社会保険労務士会(鬼頭統治会長)は、同会会員の社労士が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」などとした文章をブログに記し「社労士の信用、品位を害した」として3年間の会員権停止処分と退会を勧告することを決めた。処分は同会の規定で最も重い懲戒処分という。

 社労士は自身のブログに、社員を「うつ病にして会社から追放」する方法として「バツを与えるべき根拠を就業規則に盛り込みましょう」「モンスター社員に降格減給与えてダメージ与えます。適切な理由でっち上げましょう」「万が一本人が自殺したとしても、うつの原因と死亡の結果の相当因果関係を否定する証拠を作っておくこと」などと記し、11月24日にブログに掲載した。ネット上で批判が相次ぎ、現在ブログは公開されていない。

 内容を問題視した日本労働弁護団や「全国過労死を考える家族の会」が監督官庁の厚生労働省に厳しい監督を要請していた。

 愛知県社労士会によると、今月25日の臨時理事会で処分を決め、28日に郵便で処分内容を記した文書を発送。厚労省にも処分を報告した。会員権停止で会の役員就任や会の事業への参加はできなくなる。会は社労士法に基づく法定団体で、退会した場合はその会が所在する都道府県では社労士として活動できなくなる。

 愛知県社労士会の担当者は「国家資格である社労士資格を会が奪うことはできない中で一番重い処分とした。それぐらいブログの内容は許容できないものだった」と話している。

 この社労士は、事前の毎日新聞の取材に対して「処分が出た場合、粛々と従う」と話していた。【東海林智】

◆また、同社労士会は同日、「社会保険労務士の職業倫理に関する緊急声明」を発表した。

                       平成27年12月28日

社会保険労務士の職業倫理に関する緊急声明

                      愛知県社会保険労務士会
                      会長 鬼頭統治

 最近、社会保険労務士の職業倫理の欠如と言える事件が複数発生しております。そのような中で、今回、愛知県社会保険労務士会所属の会員が「社員をうつ病に罹患させる方法」と題した文章をブログに載せたことで社会的に問題視され、関係機関、一般国民及び全国の社労士から非難を受けることとなった事案が発生しました。愛知会として事態を重くみて、緊急の正副会長会をすぐに開催し対応を検討しました。早急に情報の収集に努め、連合会と愛知労働局監督課と情報連絡を密に取りつつ、並行して監察綱紀委員会を開催することとし、その後、臨時正副会長会を開き、監察綱紀委員会の開催及び臨時理事会の開催へと進めました。愛知県社会保険労務士会会則に則り、会則違反事案として処分を機関決定し、12月25日の臨時理事会において全会一致で承認を得ました。同日,この結果を愛知労働局及び連合会へ報告したところであります。また、全国社会保険労務士会連合会大西健造会長から「社会保険労務士による不適切な情報発信について」という意見書が平成27年12月25日付で発信されました(連合会ホームページに掲載)。
 社会保険労務士の大多数が適正な労務管理や社会貢献事業に日々努力している一方で、ほんの一部の会員による不適切な労務管理の情報発信等は、国民からの信頼・信用を失墜させるものであります。今回の事案の緊急性を鑑み、愛知県社会保険労務士会では急遽1月27日、28日において臨時の「倫理研修」を開催することにしました。
 会員の広告については、会則倫理規定第13条の規定に基づく業務の広告に関する細則第3条(禁止される広告)第2号「誤導又は誤認のおそれのある広告」及び第3号「誇大又は過度な期待を抱かせるような曖昧・不正確な広告」をすることができないと規定されています。また、インターネットによる広告、ソーシャルメディアにおける情報発信の場合、専門家として発信する情報に対する責任感の欠如や顧客の機密情報を漏えいするリスクに対する認識の欠如が見られますが、この場合には、不適切な情報発信により、当該会員に対する顧客、国民一般からの信用が失われ、ひいては社会保険労務士全体に対する国民の信頼、行政機関との信頼を大きく失墜させることにつながることを自覚すべきであります。愛知会として、不適切な情報発信、職業倫理に反する非違行為に対して指導を強化するとともに、一般国民から非難されることの無いよう社会保険労務士法の第1条(目的)の趣旨を理解し、国民の信頼向上に努めてまいりたいと考えております。

以 上

◆私たちが懲戒請求を行い、また愛知社労士会が労働局(厚生労働大臣)に報告を行ったことから(社労士法25条の3の2)、今後、K社労士に対する懲戒手続きが開始されると考えられる。そのためには「聴聞」手続きが行われ、聴聞期日は公開で行われる(社労士法25条の4)。

 厚労省は社労士に対する懲戒処分の基準を定めており、「社会保険労務士たるにふさわしくない重大な非行があったとき」は、「失格処分、1年以内の業務の停止又は戒告」とされている。

 報道によると、K社労士は「世間をお騒がせしたのは申し訳ないと思っています。一部、筆が滑って過剰な表現はありましたがブログに書いた趣旨は間違っていないと思います」などと話しているという(NHKニュース)。

 一般に、懲戒処分を行うに際しては、本人が反省しているかどうかも考慮される。このようなK社労士の態度は、「十分に反省していない」と評価され、厳しい処分につながる可能性がある。

 「その1」に書いたようにK社労士はいわば確信犯であり、「筆がすべった」、「表現の自由の範囲内だ」などといった不合理な弁解を許さず、大きく損なわれた社労士に対する社会的信頼を回復させるためにも、同社労士には厳しい処分を求めたい。


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2015年12月27日 (日)

No.265 「ブラック社労士」の放置は許されない(その2)

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((その1)から続く)

 私たちの懲戒請求や監督要請を受け、また、社会的な批判が広がるなかで、現在、厚労省と愛知県社労士会が本件について調査をしており、年明け早々にも処分結果が公表されるようである。

 12月25日、全国社会保険労務士会連合会が次のような会長声明を発表した。

平成27年12月25日

「社会保険労務士による不適切な情報発信」に関する会長声明

               全国社会保険労務士会連合会
                 会長 大西健造
                  (社労士制度推進戦略室)

今般、複数の報道機関により報じられている「社員をうつ病に罹患させる方法」と題する文章をブログとして掲載する等の社会保険労務士による不適切な情報発信は、社会保険労務士に対する国民の皆様からの信用を失墜させるものであり、到底容認できるものではないと考える。

大多数の社会保険労務士が企業における適正な労使関係の維持、発展に貢献している一方で、一握りの会員が、インターネット等の公の情報発信の場で、中立公正を旨とする社会保険労務士の職業倫理に反し、労働社会保険諸法令の規定を理由として、労働条件を不当に引き下げることを助長するような就業規則の作成、労働社会保険の保険料を不当に引き下げる脱法的行為、雇用関係の助成金等の不適切な方法による受給等を指南するような広告等を発信している。

これらの行為は、社会保険労務士法第1条に目的として掲げている「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上」からかけ離れたものであることから、当会としては、あらためて、すべての社会保険労務士に対して、社会保険労務士倫理綱領に定める品位保持の観点から自らの行為を律すべきことについて、注意を喚起したい。

今般の事態を踏まえ、当会としては、あらためて都道府県社会保険労務士会と連携の上、不適切な情報発信をはじめとする職業倫理に反する行為を行う会員に対する指導等を強化するとともに、職業倫理の徹底を図るための研修、広報等の事業を拡充し、国民の皆様からの信頼向上に努めてまいる所存である。

以 上

 K社労士のブログに対する社会的な批判の広がりを受けたものとはいえ、全国社労士会連合会がこのように迅速な対応を行ったことは、高く評価したい。

 K社労士ほど露骨でなくても、程度の差はあれ、企業のパワハラや解雇などを積極的に指導することを「ウリ」にする社労士は一定数いるといわれる。

 また、社労士だけではなく、一部の弁護士にも、労働者との対立を煽り、さまざまなノウハウを売り込むような人たちが大手を振っており、「ブラック士業」などと呼ばれている。

 今回の懲戒請求や厚労省の監督責任の履行要請を契機に、社労士や弁護士のあり方について議論が深まることを期待したい。


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2015年12月26日 (土)

No.264 「ブラック社労士」の放置は許されない(その1)

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 まずは、以下の文章を読んでいただきたい。

Q 当社にいるモンスター社員は、上司に逆らう、遅刻する、タバコさぼりなど行動が異常です。なんとかうつ病にして会社から追放したいのですが、いい方法ありますか。もちろん会社が法的に責任取らなくていい方法に限ります。


結論から言えば可能です。少し手間がかかります
まずバツを与えるべき根拠を就業規則に盛り込みましょう。
①就業時間中の喫煙の禁止 
②上司に文句を言うことの禁止 
③遅刻の禁止  

そしてこれから違反した場合には厳しく処罰を与えることを決めます。そして指導として本人に反省文書を書かせることです。これもバツの一つです。適切合法なパワハラを行ってください。適切にして強烈な合法パワハラ与えましょう

①まずノートと筆記具を用意します。
それから、ノートに自分が今まで行ってきた失敗や他人へ迷惑をかけ  
たと思っていること、不快に感じたこと、悲しかったことなどを思い出せるだけ書き、その事柄に対して自分に非があるように関連付けて考えて書いていくことを繰り返しましょう。うつ状態というのは自分を責める病気なので、後悔の量が多ければ多いほど(過去に否定的な執着する程)発症し易いです。

②次にモンスター社員に降格減給与えて経済的にダメージ与えます。  
適切な理由でっち上げましょう

③そして万が一本人が自殺したとしても、うつの原因と死亡の結果の相当因果関係を否定する証拠を作っておくことです。なぜなら因果関係の立証は原告側にあり、それを否定する証拠を作成しておくことは、会社の帰責事由を否定することになるからです。したがってそれができればうつ病自殺されても裁判で負けることはありません。

④本当にうつ直前になったら、休職命令与えてもいいでしょう。休職満了による退職でも可能でしょう。
 その際には企業法務労働法務に詳しい特定社労士のサポートを得ることが必須となります。
 モンスター社員に精神的打撃与えることが楽しくなりますよ。
以上

 これは、愛知県のK社労士が自らのブログ「すご腕社労士の首切りブログ」で、「第40回 社員をうつ病に罹患させる方法」と題して書いているものである(批判を浴びたため現在は抹消している)。
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 この人は「公開設定」した自らのフェイスブックでも右のようなやり取りを載せており、いわば「確信犯」である。

 私は、12月上旬にこれを読んで、頭に血が逆流するような怒りを覚えた。
 過重労働やストレス、パワハラなどでうつ病にかかった労働者が、どれほど苦しんでいるか。過労自殺にまで追い込まれることがどれほど悲惨か。被災者や遺族たちがどんな思いで労災認定を求め、企業責任を問い、さらには過労死防止法や過労死防止大綱を制定させてきたのか。
 この社労士が行っているのは、被災者や遺族たちのこれらの思いや努力を踏みにじるものであり、ようやく国が遺族や事業主らと連携しつつ過労死防止対策を総合的に推進しようとしている動きに冷水を浴びせるものである。絶対に許すことができない。

 そこで、「ブラック企業対策プロジェクト」の事務局長をされている島﨑量弁護士らと相談し、12月18日、ブラック企業対策や過労死問題に取り組む弁護士7人・社労士2人の有志9人で、この社労士に対する懲戒請求を行った。

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 また、同日、日本労働弁護団、過労死弁護団全国連絡会議、全国過労死を考える家族の会、ブラック企業被害対策弁護団、ブラック企業対策プロジェクト、NPO法人POSSEの6団体の連名で、厚生労働大臣に、このような企業に違法不当な指導を行う社会保険労務士に対して積極的に監督責任を果たすよう要請を行うとともに、記者会見を行った。

 K社労士に対する懲戒処分を求めるネット署名(change.org)も行われ、既に600人以上の署名が寄せられている。

 これらの動きはマスコミ(新聞、テレビ)でも報道され、社会的反響を呼んでいる。

◆ブログに公開 弁護士らが厚労相に懲戒請求

毎日新聞2015年12月19日

 日本労働弁護団や全国過労死を考える家族の会など6団体は18日、愛知県社会保険労務士会に所属する社労士が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」と題した文章をブログに公開したとして、管轄する厚生労働省に監督責任を果たすよう求めた。弁護士と社労士計9人は、塩崎恭久厚労相にブログを執筆した社労士の懲戒を請求した。

 この社労士は11月24日付のブログに質問に答える形で「上司に逆らう社員をうつ病にして追放する方法」を書いた。就業規則を変更して上司に文句を言うことの禁止などを盛り込むことを提案するなどし、「万が一自殺したとしても、うつの原因と死亡の因果関係を否定する証拠を作っておくこと」とした。ブログは批判を浴び、現在は公開されていない。

 過労死家族の会のメンバー、中原のり子さんは「ブログの内容は殺人を勧めるようなもの」と批判した。この社労士は「モンスター社員を真人間にするためとの思いで書いたが、誤解を与え、申し訳ない」と話している。【東海林智】

◆「社員をうつにする方法」 社労士、ブログに掲載
朝日新聞2015年12月19日

 愛知県内のベテラン社会保険労務士の男性が「社員をうつ病に罹(り)患(かん)させる方法」と題した文章をブログに載せ、県社労士会が問題視して今月に調査を始めた。職場での取り組みに逆行するような発信はネットでも批判され、厚生労働省愛知労働局も事態を重く見て調べる方針だ。

 問題の文章が載ったのは11月下旬。「すご腕社労士の首切りブログ モンスター社員解雇のノウハウをご紹介!!」と題した連載の40回目で、上司に逆らったり遅刻したりする社員を「うつ病にして会社から追放したいのだが」という質問に答える形だった。

 ブログでは、「失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること」などを社員に繰り返しノートに書かせるよう勧めた。「うつ状態は後悔の量が多いほど発症しやすい」とし、社員が自殺した場合の助言もあった。

 ネットでは「あまりにひどい」などの批判が起きた。「ふざけるな!」といったメールを数件受けた男性社労士は「怖くなった」として、12月上旬に連載をすべて削除した。

 国家資格の社労士は「適切な労務管理その他労働・社会保険に関する指導を行う専門家」(愛知県社労士会)。同会では40回目の内容について「多くの人が自殺に追い込むような主張と読む。同じ社労士として迷惑だ」と批判が出ており、調査を開始した。

 関係者によると、会則で処分対象となる社労士の「信用または品位を害する行為」にあたりかねないとして監察綱紀委員会を10日に開催。男性社労士は聴取に対し、「うつ病に罹患させる」というのは本旨でなく「筆が走りすぎた」としつつ、「表現の自由」の範囲内と主張したという。

 厚労省にも苦情が続き、18日には日本労働弁護団や全国過労死を考える家族の会など6団体が「若者使い捨てが疑われる企業に違法行為を教唆する極めて悪質なもの」として監督責任を果たすよう要請した。

 愛知労働局は社労士法上の「重大な非行」にあたるかどうかを調べる方針だ。担当者は「ブログの内容は時代に逆行している。社員が自殺しても構わないととられる論調はどう考えても行きすぎ」と指摘する。

 男性社労士は取材に対し、「不快に思った人におわび申し上げる。雑記帳のように書き誤解を招いた。強烈な教育的指導で社員が真人間になれば、社員も会社も楽しくなるというつもりで書いた」と話した。

 厚労省によると、仕事のストレスなどによる「心の病」の問題で昨年度に労災と認められた人は497人で過去最多。職場でメンタルヘルスが不調な人を見つけて改善を促すため、政府は12月から従業員50人以上の事業所で「ストレスチェック」を義務化している。(斉藤太郎)


((その2)に続く)

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2015年12月11日 (金)

No.263 『労働判例』のコラムに私のエッセイが掲載されました

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 労働事件の判例実務誌『労働判例』の1121号(2015年12月1日号)のコラム「遊筆」欄に、「過労死防止法の挑戦」と題する私のエッセイが掲載された。

 この『労働判例』は、労働事件(労働裁判や労働委員会)に関わる多くの人々が読む判例誌である。
 特に、裁判官や使用者側の弁護士、さらには企業の労務担当者に読んでほしい、という思いを込めて書いた。皆さんもぜひご紹介ください。

過労死防止法の挑戦

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 平成26(2014)年6月20日、過労死等防止対策推進法(以下「過労死防止法」)が成立し、同年11月1日施行された。
 1980年代後半から社会問題となった過労死がその後四半世紀を経ても減少せず、精神障害や過労自殺、若者を含めた全世代へと広がっていることから、これに危機感をもった過労死遺族や、過労死弁護団の弁護士らが平成23(2011)年11月、過労死防止の立法をめざす団体を発足させた。
 その後約2年半にわたり、55万を超える署名、143にのぼる自治体の意見書採択、更には国連の社会権規約委員会へ日本政府に勧告を出すよう働きかけるなどしつつ、全国会議員に粘り強く要請を行っていく中で、国会内外で立法の機運が高まり、超党派議員連盟がとりまとめた法案が衆参両院とも満場一致で可決されたのである。
 この法律はわずか14か条のシンプルなものであるが、目的、過労死等の定義、基本理念、関係者(国、地方公共団体、事業主、国民)の責務、4つの過労死防止策(調査研究、啓発、相談体制の整備、民間団体の活動支援)、これらを総合的に推進するための大綱の作成、大綱作成に当たって意見を聴く過労死等防止対策推進協議会の設置、調査研究を踏まえた法制上・財政上の措置などを定めている。
 施行後設置された協議会(委員20名)において約半年間にわたって大綱の内容が議論され、平成27(2015)年7月24日、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定された。これは、我が国の過労死問題の歴史、過労死に関する現状、過労死防止対策の基本的な考え方、国と国以外の主体が取り組む重点対策などをまとめたもので、今後約3年間の過労死防止対策の指針となるものである。
 私自身、協議会の委員の一人として大綱の作成に関わって改めて感じるのは、過労死問題の根は思いのほか深いということである。労働基準法で労働時間の上限や勤務間インターバル(勤務と勤務の間の休息時間の確保)が定めてられていないうえに労働分野で規制緩和が進められてきたこと、過労死についての調査研究が不十分なことや労働者の知識が乏しいこともあるが、より根本的に、国民一人ひとりの意識や文化によるものも大きいと思う。例えば、休まずに自己犠牲的に働くことを美徳とする勤労観がある一方で、同じ労働者でありながら、消費者としてサービスを受ける場面では他の労働者に厳しく接するといった社会連帯の希薄化も進んでいる。これらがあいまって過労死の背景にあるのではなかろうか。
 この法律は、ただちに労働時間や勤務形態などの労働条件を規制するものではないが、過労死について本格的に調査研究を進めていくとともに、広報や教育による啓発、相談体制の整備、過労死防止に取り組む民間団体との連携などを通じて、国民全体の意識を変えていくという壮大な仕組みを持っている。この「挑戦」が成功してはじめて、過労死がなくなっていくのである。
 この法律により毎年11月は過労死防止啓発月間とされた。裁判官や弁護士の皆さんにも、まずは過労死防止法と大綱を読んでいただくとともに、各地の啓発シンポジウムなどに積極的に参加していただきたいと思う。
(いわき・ゆたか)

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2015年12月10日 (木)

No.262 「時の人」2人によるツイン講演とビッグ対談──働き方ASU-NET 第23回つどい

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 今年、『雇用身分社会』(岩波新書)を著した森岡孝二さんと、『下流老人』(朝日新書)を著した藤田孝典さんのお二人の講演と対談が、2015年12月9日、働き方ASU-NET第23回つどい「これでええんか!雇用と貧困 『雇用身分社会』と『下流老人』」で実現した。

 開場には、140人を超える人たちが詰めかけ、大変な盛況となった。

 第1報告 森岡孝二さん 「雇用身分社会」を問う~働きづらさと生きづらさの正体~
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 この27年間で非正規労働者(パート、アルバイト、契約、嘱託、派遣など)が17%から40%に増加。若者と中高年では50%を超える。名ばかり正社員、請負労働者、個人請負を含めると50%を超える。
 年収200万円以下が1800万人もおり、うち1500万人が非正規。非正規を中心に、労働者の貧困化が進んでいる。
 現代のブラック企業は、『職工事情』に書かれた戦前の暗黒工場での働かせ方と極めて似ている。
 非正規の増大の結果、年収150万円未満の若者が激増している。
 雇用身分社会から抜け出す鍵は、①労働者派遣制度の根本的見直し、②非正規労働者の比率の引き下げ、③雇用・労働の規制緩和との決別、④最低賃金の引き上げ、⑤8時間労働制の確率、⑥性別賃金格差の解消である。

 第2報告 藤田孝典さん 「下流老人」の現状と対策~知っておきたい知識とノウハウ~
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 皆さん、まずは今日、絶望してください。
 日本の国民の貧困率(相対的貧困率)は16.1%(6人に1人)で、OECD加盟国34か国中6番目に高い数値。高齢者(65歳以上)では22%で、4~5人に1人となる。
 下流老人とは、生活保護基準(さいたま市の場合12万7000円程度)以下で暮らしている、又はその恐れがある高齢者で、現在700万人いると推計される。
 下流老人の特徴は、①収入が少ない、②十分な貯蓄がない、③頼れる人がいない、の3つの「ない」である。
 下流老人になるパターンは、①病気や事故による医療費負担、②子どものパラサイトによる共倒れ、③熟年離婚による資産分与、④認知症による防衛力の低下。
 若者で年収400万円以下は下流化のリスクが高く、非正規雇用は下流老人に直結する。
 下流化を防ぐには、①生活保護制度の正しい理解、②社会保障・福祉制度の活用、③プライドを捨てること、④可能な限り貯蓄すること、⑤地域社会への積極的参加(自治会、市民団体、NPO法人、老人クラブ、各種の生涯学習教室など)、⑥「受援力」を身につけること、である。
 下流老人を増やさないためには、自虐的な貧困観から脱し、ソーシャルアクション(ITの活用を含む)を続けることである。
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 休憩を挟んで、私の司会で、2人に壇上対談を行っていただいた。
 いろいろ愉快な掛け合いも含めて、大変盛り上がったと思う。
 会場から、全大阪生活と健康を守る会の大口耕吉郎さんと、関西学生アルバイトユニオンの青木克也さんが、生々しい報告をしてくださった。

 最後に、「集会宣言」(案)が、満場一致の拍手で採択された。

 確かに、今回のつどいは衝撃的な内容だった。これまでは若者の非正規化や貧困が語られてきたが、藤田さんのお話は、これまで終身雇用の中できちんと年金保険料を納め、そこそこの退職金も受け取って「逃げきり」を果たしたと思われている高齢者の中で「下流老人化」が進んでいるというものである。とすると、現在の中年も若者も含めてほとんどの国民が下流老人になることが避けられないことになる。

 その意味で、事態は余りにも深刻である。しかし、一方で、その深刻な危機感を共有することによって、新しい社会連帯も生まれてくるのではないか。そして、制度(政治)によって生み出された現状は、政治を変えることによって変えられるはずである。今回のつどいでは、そんな希望や展望も共有できたのではないだろうか。

 終了後、エルおおさかの隣の「多氣」で行った懇親会も、お2人を囲んで大いに盛り上がったことは言うまでもない。

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2015年12月 9日 (水)

No.261 ゴルフ場施設を引き継いだ会社は預託金を返せ!──会員ら22人が集団提訴

 12月8日、標記の集団提訴を行うとともに、記者会見を行った。
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 本件の経過の概略は、次のとおりである。
S47 一庫(ひとくら)総合開発(株)設立(その後一庫開発(株)に商号変更)、「一庫レイクサイドカンツリー倶楽部」、「ときわ台カンツリー倶楽部」を経営
H19・12~H20・3 「ナンノグループ」傘下の有限会社が一庫に融資
H20・2 一庫の代表取締役が交代
H20・3・1

 ①新旧の役員が連名で「会員の皆様へ お知らせ」の文書を配布。
 「一庫は(株)チェリーゴルフマネジメントから経営支援を受けることになった。我々はこれを機に一庫の取締役の職を辞し、チェリーゴルフグループから代表取締役としてMと運営スタッフを迎え、両コースの再建を見守りたい。」
 ②「チェリーゴルフグループ (株)チェリーゴルフマネジメント」代表取締役が会員に文書を配布。
 「この度、チェリーゴルフグループは両ゴルフコースの経営支援をすることとなった。本件両ゴルフコースについては、慢性的な来場者の減少や施設の老朽化が経営を大きく圧迫しているため、先ずは施設の整備が重要。早速、グリーンの改修工事やレストランの運営指導、最新のコンピューターシステムの導入に着手するなど、本件両ゴルフコースの再建を目指す。」

H20・3~H21・2 ナンノグループの関係会社が2つのゴルフ場の施設を順次取得。
H21・3 (株)チェリーゴルフ一庫、(株)チェリーゴルフときわ台の代表取締役名義の「共通会員各位 ごあいさつ」の文書を配布。

 ①一庫開発は経営破綻をきたしており、預託金の返還に応じられないばかりか、ゴルフ場を維持していく資金すら確保できない結果、会員のプレー権すら確保できない状態にあった。
 ②チェリーゴルフグループは、両ゴルフ倶楽部の理事会の承認を得て、両ゴルフ場の運営・サービス業務の一切を(株)チェリーゴルフときわ台と(株)チェリーゴルフ一庫において受託し、施設の整備を進めている。
 ③3月よりコースの名称も「チェリーゴルフときわ台コース」及び「チェリーゴルフ一庫コース」に変更し、共通会員には「ときわ台コース」「一庫コース」のいずれかをホームコースとして選択した上で、新たに上記各コースのプレー会員(預託金なし)への移行をお願いする。
 ④「チェリーゴルフときわ台コース」ないし「チェリーゴルフ一庫コース」のプレー会員の会員証書を発行するには、一庫開発が発行した会員権(旧会員権)をA社に、預託金の額面にかかわらず一律1万円で譲渡してもらう必要がある。

 要するに、1万円と引き換えに預託金の返還請求権を放棄して「プレー会員」になって下さい、それが嫌なら、預託金も戻らないうえプレーもできなくなりますよ、というものであった。
 上記に登場する関係会社はすべてN氏とその親族が役員を務め、自ら「ナンノグループ」と称するとおり、事実上一体の関係にあった。
 多数の会社を関係させて会員を煙に巻き、500万円もの多額の預託金の返還債務を事実上免れる、このようなやり方が認められてよいはずはない。

 そこで、2011年7月、これに納得できない会員から相談を受け、訴訟を起こしたところ、朝日新聞が報道してくれた(「No.37 ゴルフ会員権の被害救済を求めて、提訴します」)。これを読まれた方から問い合わせがあり、2013年3月までの間に3人の方が次々と原告に加わり、原告は4人となった。
 そして、この訴訟は2015年3月20日、和解が成立した。

 その報道を見て、さらに多くの会員の方から相談が寄せられ、2回の集団説明会などを経て、昨日の提訴となったものである。
 今回は原告22名、被告となった会社9社、役員ら14名、弁護団12名の大規模訴訟である。

 原告の一人として記者会見に臨んだHさんは、「ずっと納得ができないままだった。このような訴訟の機会を待っていた。」とおっしゃった。
 このような被害者の皆さんの怒りを力に、頑張っていきたい。

 詳しくは、「ゴルフ会員権被害救済弁護団」のホームページをご覧いただきたい。
 弁護団への依頼方法についても、説明されている。

 以下は、各新聞・テレビの報道である。

◆(朝日新聞2015年12月7日夕刊)

ゴルフ場預託金の返還求め集団提訴へ 大阪の会員ら

 ゴルフ会員権と引き換えに50万~500万円を預けたのに一律1万円しか返さないのは不当として、大阪府と兵庫県の会員男女22人が、経営難で撤退したゴルフ場経営会社の施設を引き継いだ企業側に預託金の全額返還を求め、8日に大阪地裁へ集団提訴する。
 原告は1980~90年代、兵庫県川西市で二つのゴルフ場を経営していた「一庫(ひとくら)総合開発」側に預託金を払い、優先プレーできる会員権を得た人や相続人。会員は数千人という。
 訴えによると、同社の経営難でゴルフ場は2009年までに「チェリーゴルフマネジメント」(大阪府摂津市)とグループ会社が実質的に引き継いだ。預託金は一定期間後に返す会則だったが、チェリー社側は預託金は引き継いでいないと主張し、会員権を1万円で買い取る条件に応じればプレーを続けられるとした。

◆(毎日新聞2015年12月7日夕刊)
ゴルフ場預託金 返還求め「譲渡先」提訴へ 大阪地裁

 ゴルフ場会員権と引き換えに預けた500万~50万円の預託金が、ゴルフ場を実質的に事業譲渡された運営会社グループから1万円しか返還されないのは不当として、大阪府や兵庫県の22人が現在の運営会社グループらを相手に計約5440万円の返還を求める集団訴訟を8日、大阪地裁に起こす。会員は約8000人いたとされ、同様に訴訟を起こす人は今後増える可能性もある。
 原告は40~80代の男女。訴えによると、兵庫県川西市の二つのゴルフ場を運営していた「一庫(ひとくら)開発」に1980~91年、500万~50万円を預け、優先的にプレーできる会員権を取得した。会則には、会員権取得から10年以上たってからの退会者には預託金を返還すると記されていたという。
 一庫開発は2008年3月、外部から経営支援を受けることが決まったと会員に知らせた。1年後、ゴルフ場の運営を受託したとする会社グループは「一庫開発は経営破綻し、預託金の返還に応じられない」などと通知。名称変更したゴルフ場でプレーするには会員権を1万円で譲渡する必要があるとし、応じなければプレーの資格を失うと通告したという。
 原告は、一庫開発は破綻ではなく事業を譲渡したのであり、預託金も新しい会社グループに引き継がれていると主張。2度の通知の間に「事業主体の交代を知ることは困難で、預託金の返還を求める権利が侵害された」などとして全額返還を求める方針だ。
 現在ゴルフ場を運営する会社グループ側は取材に「答えられない」としている。【堀江拓哉】

「大規模な消費者被害だ」
 「話し合いもなく一方的な通知だけ。到底、納得できない」。集団訴訟を起こす堺市内の男性(72)は、400万円の預託金が返還されないと憤る。
 自動車販売店に勤めていた1989年、会員権を取得して運営会社に預託。会則には10年たつと返還可能と記されており、10年経過後に返還を求めた。会社側と「2009年から分割での返還」で合意したという。だが返還は一度もない。
 09年に新しい運営会社から届いた「会員権を1万円で買い上げる。拒んだ場合はプレーはできない」とする通知を見て「だまされた」と思った。納得いかず、提訴を決めた。
 大阪弁護士会の有志12人でつくる弁護団の事務局長を務める三浦直樹弁護士は「多くの人に返還をあきらめさせ泣き寝入りを強いている。大規模な消費者被害だ」と指摘している。【堀江拓哉】

 【ことば】ゴルフ場の預託金

 ゴルフ場の運営会社に預けて会員権を得ると、一般客よりも優先的にプレーできる。会社側は開発資金や維持費に充てる。預託から10年程度で返還に応じる運営会社が多いとされる。バブル崩壊や不況で返還できなくなったり、返還が集中して経営破綻につながったりしたケースも全国で相次ぎ、各地で訴訟も起きた。

◆(産経新聞2015年12月7日夕刊)
ゴルフ会員権の預託金返還に応じないのは不当…会員が運営引き継ぎ会社を集団訴訟へ 大阪地裁

 経営難にあったゴルフ場を実質的に引き継いだ会社が預託金の返還に応じないのは不当だとして、兵庫県や大阪府の会員22人が8日にも、大阪府摂津市の会社などに預託金額に相当する計約5400万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こすことが7日、代理人弁護士への取材で分かった。
 代理人によると、原告らは昭和55年~平成6年、兵庫県川西市で2つのゴルフ場を経営していた「一(ひと)庫(くら)総合開発」に約50万~500万円の預託金を支払い、会員権を取得。
 同社は会則で、入会から10年を過ぎれば退会時に預託金を返還すると定めていたが、経営破綻。21年3月に不動産やゴルフ事業を手がける「ナンノグループ」の関連会社が事業委託を受けたと会員に通知し、プレーする権利と引き換えに、一律1万円で預託金債権を譲渡するよう求めた。
 しかし同グループ数社は通知の1年前にゴルフ場の土地や建物を取得しており、会員側はこの時点で実質的に事業を継承していたと主張。それにもかかわらず、従来と同じゴルフクラブの名称で営業を続けたため「事業主体の交代に気づけず、預託金回収の機会を逸した」としている。
 訴訟では、事業を引き継いだ会社が旧来の商号をそのまま使用する場合は、引き継ぎ前の債務も弁済する責任を負うと定めた会社法に基づき、ナンノグループ側に返還義務があると主張する方針。
 代理人弁護士によると、会員は数千人いるとみられ、別の会員による大阪地裁での同様の訴訟は今年3月に和解が成立している。

◆(毎日放送)
「預託金返還を」ゴルフ会員22人が提訴

 兵庫県にあるゴルフ場の会員22人が、「会員権と引き換えに預けた預託金が返されないのは納得できない」として事業を引き継いだいまの運営会社を相手取り裁判を起こしました。
 訴状などによりますと川西市にあるゴルフ場の会員22人は1980年代から90年代にかけて一人50万円から500万円の預託金を預け当時の運営会社「一庫総合開発」から優先的にプレーできる会員権を取得しました。
 ところが、その後、会社が経営難に陥って2009年までに別のゴルフ場運営会社に事業を譲渡。
 新たな運営会社は「預託金は引き継いでおらず返還できない。会員権は一律1万円で買い上げる」などと通知してきたということです。
 原告らは今の運営会社に対し預託金の返還や損害賠償など総額およそ5400万円の支払いを求めています。
 「一律1万円で買い取る、プレーをしたかったら出しなさい。どうしても考えられない」(500万円を預託した男性)
 訴えに対し今の運営会社側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。

◆(朝日放送)
【大阪】ゴルフ会員権預託金の返還求め集団提訴

ゴルフ場会員権と引き換えに預けた金が、経営難のために運営会社が変わったとの理由で返還されないのは不当だとして、会員らが集団訴訟を起こしました。
8日、大阪地裁に提訴したのは、大阪や兵庫に住む男女22人です。訴状によりますと原告らは、兵庫県川西市で2つのゴルフ場を経営していた会社に50万円~500万円の預託金を支払い、会員権を得ていましたが、ゴルフ場は経営難で、大阪の別の運営会社「チェリーゴルフグループ」に実質的に譲渡されました。ところが、チェリー社が預託金の返還に応じず「会員権を1万円で買い取る」などと通知してきたため、原告らが訴えを起こしたものです。原告の1人、檜垣健志さん(69)は、「会員権1000万、500万、100万、一律1万円で買い取る。こういう理不尽なことは通るのか」と話します。原告らは、預託金5400万円の返還を求めており、運営会社側は、「訴状が届いていないのでコメントできないとしています。

◆(関西テレビ)
兵庫のゴルフ会員権 預託金の返還求め会員が提訴

ゴルフ場の会員権と引き換えに預けた金が、運営会社が変わったことで返還されないのは不当だとしてゴルフ場の会員らが返還を求め裁判を起こしました。
訴状によると兵庫県川西市にあるゴルフ場の会員22人は、会員権を得る代わりに運営会社である「一庫総合開発」に500万円から50万円の預託金を支払いました。
その後、経営難のためゴルフ場は別の運営会社「チェリーゴルフ」に譲渡されましたが、この会社は預託金を返さず「会員権は一律一万円で買い取る」と通知したということです。
会員らはチェリーゴルフ側が、前の会社から事業を引き継いでいないように装い、預託金の返金に応じないのは不当だとして、約5400万円の返還と賠償を求めています。
チェリーゴルフ側は「訴状が届いておらずコメントできない」としています。

◆(読売テレビ)
預託金返還求め提訴 兵庫のゴルフ場会員ら

兵庫県にあるゴルフ場の会員らが会員権と引き換えに預けた金が返金されないのは不当だとして、8日、大阪地裁におよそ5400万円の返還を求める訴訟を起こした。訴えを起こしたのは、兵庫県川西市の「一庫開発」が運営していたゴルフ場の会員ら22人。訴状などによると原告らは会員権を得るかわりに支払う預託金として50万円から500万円を「一庫開発」に預けていたという。しかしその後、この会社は経営難から大阪・摂津市にある「チェリーゴルフグループ」に事業を譲渡。原告らは新たな運営会社グループが「預託金は返還出来ない」と一方的に通知してきたと主張。預託金およそ5400万円の全額返還を求め提訴に踏み切ったという。預託金が未返還の会員は、およそ8000人いるとみられているが、運営会社グループは取材に対し、「コメント出来ない」としている。


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