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2015年12月10日 (木)

No.262 「時の人」2人によるツイン講演とビッグ対談──働き方ASU-NET 第23回つどい

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 今年、『雇用身分社会』(岩波新書)を著した森岡孝二さんと、『下流老人』(朝日新書)を著した藤田孝典さんのお二人の講演と対談が、2015年12月9日、働き方ASU-NET第23回つどい「これでええんか!雇用と貧困 『雇用身分社会』と『下流老人』」で実現した。

 開場には、140人を超える人たちが詰めかけ、大変な盛況となった。

 第1報告 森岡孝二さん 「雇用身分社会」を問う~働きづらさと生きづらさの正体~
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 この27年間で非正規労働者(パート、アルバイト、契約、嘱託、派遣など)が17%から40%に増加。若者と中高年では50%を超える。名ばかり正社員、請負労働者、個人請負を含めると50%を超える。
 年収200万円以下が1800万人もおり、うち1500万人が非正規。非正規を中心に、労働者の貧困化が進んでいる。
 現代のブラック企業は、『職工事情』に書かれた戦前の暗黒工場での働かせ方と極めて似ている。
 非正規の増大の結果、年収150万円未満の若者が激増している。
 雇用身分社会から抜け出す鍵は、①労働者派遣制度の根本的見直し、②非正規労働者の比率の引き下げ、③雇用・労働の規制緩和との決別、④最低賃金の引き上げ、⑤8時間労働制の確率、⑥性別賃金格差の解消である。

 第2報告 藤田孝典さん 「下流老人」の現状と対策~知っておきたい知識とノウハウ~
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 皆さん、まずは今日、絶望してください。
 日本の国民の貧困率(相対的貧困率)は16.1%(6人に1人)で、OECD加盟国34か国中6番目に高い数値。高齢者(65歳以上)では22%で、4~5人に1人となる。
 下流老人とは、生活保護基準(さいたま市の場合12万7000円程度)以下で暮らしている、又はその恐れがある高齢者で、現在700万人いると推計される。
 下流老人の特徴は、①収入が少ない、②十分な貯蓄がない、③頼れる人がいない、の3つの「ない」である。
 下流老人になるパターンは、①病気や事故による医療費負担、②子どものパラサイトによる共倒れ、③熟年離婚による資産分与、④認知症による防衛力の低下。
 若者で年収400万円以下は下流化のリスクが高く、非正規雇用は下流老人に直結する。
 下流化を防ぐには、①生活保護制度の正しい理解、②社会保障・福祉制度の活用、③プライドを捨てること、④可能な限り貯蓄すること、⑤地域社会への積極的参加(自治会、市民団体、NPO法人、老人クラブ、各種の生涯学習教室など)、⑥「受援力」を身につけること、である。
 下流老人を増やさないためには、自虐的な貧困観から脱し、ソーシャルアクション(ITの活用を含む)を続けることである。
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 休憩を挟んで、私の司会で、2人に壇上対談を行っていただいた。
 いろいろ愉快な掛け合いも含めて、大変盛り上がったと思う。
 会場から、全大阪生活と健康を守る会の大口耕吉郎さんと、関西学生アルバイトユニオンの青木克也さんが、生々しい報告をしてくださった。

 最後に、「集会宣言」(案)が、満場一致の拍手で採択された。

 確かに、今回のつどいは衝撃的な内容だった。これまでは若者の非正規化や貧困が語られてきたが、藤田さんのお話は、これまで終身雇用の中できちんと年金保険料を納め、そこそこの退職金も受け取って「逃げきり」を果たしたと思われている高齢者の中で「下流老人化」が進んでいるというものである。とすると、現在の中年も若者も含めてほとんどの国民が下流老人になることが避けられないことになる。

 その意味で、事態は余りにも深刻である。しかし、一方で、その深刻な危機感を共有することによって、新しい社会連帯も生まれてくるのではないか。そして、制度(政治)によって生み出された現状は、政治を変えることによって変えられるはずである。今回のつどいでは、そんな希望や展望も共有できたのではないだろうか。

 終了後、エルおおさかの隣の「多氣」で行った懇親会も、お2人を囲んで大いに盛り上がったことは言うまでもない。

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