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2015年12月26日 (土)

No.264 「ブラック社労士」の放置は許されない(その1)

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 まずは、以下の文章を読んでいただきたい。

Q 当社にいるモンスター社員は、上司に逆らう、遅刻する、タバコさぼりなど行動が異常です。なんとかうつ病にして会社から追放したいのですが、いい方法ありますか。もちろん会社が法的に責任取らなくていい方法に限ります。


結論から言えば可能です。少し手間がかかります
まずバツを与えるべき根拠を就業規則に盛り込みましょう。
①就業時間中の喫煙の禁止 
②上司に文句を言うことの禁止 
③遅刻の禁止  

そしてこれから違反した場合には厳しく処罰を与えることを決めます。そして指導として本人に反省文書を書かせることです。これもバツの一つです。適切合法なパワハラを行ってください。適切にして強烈な合法パワハラ与えましょう

①まずノートと筆記具を用意します。
それから、ノートに自分が今まで行ってきた失敗や他人へ迷惑をかけ  
たと思っていること、不快に感じたこと、悲しかったことなどを思い出せるだけ書き、その事柄に対して自分に非があるように関連付けて考えて書いていくことを繰り返しましょう。うつ状態というのは自分を責める病気なので、後悔の量が多ければ多いほど(過去に否定的な執着する程)発症し易いです。

②次にモンスター社員に降格減給与えて経済的にダメージ与えます。  
適切な理由でっち上げましょう

③そして万が一本人が自殺したとしても、うつの原因と死亡の結果の相当因果関係を否定する証拠を作っておくことです。なぜなら因果関係の立証は原告側にあり、それを否定する証拠を作成しておくことは、会社の帰責事由を否定することになるからです。したがってそれができればうつ病自殺されても裁判で負けることはありません。

④本当にうつ直前になったら、休職命令与えてもいいでしょう。休職満了による退職でも可能でしょう。
 その際には企業法務労働法務に詳しい特定社労士のサポートを得ることが必須となります。
 モンスター社員に精神的打撃与えることが楽しくなりますよ。
以上

 これは、愛知県のK社労士が自らのブログ「すご腕社労士の首切りブログ」で、「第40回 社員をうつ病に罹患させる方法」と題して書いているものである(批判を浴びたため現在は抹消している)。
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 この人は「公開設定」した自らのフェイスブックでも右のようなやり取りを載せており、いわば「確信犯」である。

 私は、12月上旬にこれを読んで、頭に血が逆流するような怒りを覚えた。
 過重労働やストレス、パワハラなどでうつ病にかかった労働者が、どれほど苦しんでいるか。過労自殺にまで追い込まれることがどれほど悲惨か。被災者や遺族たちがどんな思いで労災認定を求め、企業責任を問い、さらには過労死防止法や過労死防止大綱を制定させてきたのか。
 この社労士が行っているのは、被災者や遺族たちのこれらの思いや努力を踏みにじるものであり、ようやく国が遺族や事業主らと連携しつつ過労死防止対策を総合的に推進しようとしている動きに冷水を浴びせるものである。絶対に許すことができない。

 そこで、「ブラック企業対策プロジェクト」の事務局長をされている島﨑量弁護士らと相談し、12月18日、ブラック企業対策や過労死問題に取り組む弁護士7人・社労士2人の有志9人で、この社労士に対する懲戒請求を行った。

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 また、同日、日本労働弁護団、過労死弁護団全国連絡会議、全国過労死を考える家族の会、ブラック企業被害対策弁護団、ブラック企業対策プロジェクト、NPO法人POSSEの6団体の連名で、厚生労働大臣に、このような企業に違法不当な指導を行う社会保険労務士に対して積極的に監督責任を果たすよう要請を行うとともに、記者会見を行った。

 K社労士に対する懲戒処分を求めるネット署名(change.org)も行われ、既に600人以上の署名が寄せられている。

 これらの動きはマスコミ(新聞、テレビ)でも報道され、社会的反響を呼んでいる。

◆ブログに公開 弁護士らが厚労相に懲戒請求

毎日新聞2015年12月19日

 日本労働弁護団や全国過労死を考える家族の会など6団体は18日、愛知県社会保険労務士会に所属する社労士が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」と題した文章をブログに公開したとして、管轄する厚生労働省に監督責任を果たすよう求めた。弁護士と社労士計9人は、塩崎恭久厚労相にブログを執筆した社労士の懲戒を請求した。

 この社労士は11月24日付のブログに質問に答える形で「上司に逆らう社員をうつ病にして追放する方法」を書いた。就業規則を変更して上司に文句を言うことの禁止などを盛り込むことを提案するなどし、「万が一自殺したとしても、うつの原因と死亡の因果関係を否定する証拠を作っておくこと」とした。ブログは批判を浴び、現在は公開されていない。

 過労死家族の会のメンバー、中原のり子さんは「ブログの内容は殺人を勧めるようなもの」と批判した。この社労士は「モンスター社員を真人間にするためとの思いで書いたが、誤解を与え、申し訳ない」と話している。【東海林智】

◆「社員をうつにする方法」 社労士、ブログに掲載
朝日新聞2015年12月19日

 愛知県内のベテラン社会保険労務士の男性が「社員をうつ病に罹(り)患(かん)させる方法」と題した文章をブログに載せ、県社労士会が問題視して今月に調査を始めた。職場での取り組みに逆行するような発信はネットでも批判され、厚生労働省愛知労働局も事態を重く見て調べる方針だ。

 問題の文章が載ったのは11月下旬。「すご腕社労士の首切りブログ モンスター社員解雇のノウハウをご紹介!!」と題した連載の40回目で、上司に逆らったり遅刻したりする社員を「うつ病にして会社から追放したいのだが」という質問に答える形だった。

 ブログでは、「失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること」などを社員に繰り返しノートに書かせるよう勧めた。「うつ状態は後悔の量が多いほど発症しやすい」とし、社員が自殺した場合の助言もあった。

 ネットでは「あまりにひどい」などの批判が起きた。「ふざけるな!」といったメールを数件受けた男性社労士は「怖くなった」として、12月上旬に連載をすべて削除した。

 国家資格の社労士は「適切な労務管理その他労働・社会保険に関する指導を行う専門家」(愛知県社労士会)。同会では40回目の内容について「多くの人が自殺に追い込むような主張と読む。同じ社労士として迷惑だ」と批判が出ており、調査を開始した。

 関係者によると、会則で処分対象となる社労士の「信用または品位を害する行為」にあたりかねないとして監察綱紀委員会を10日に開催。男性社労士は聴取に対し、「うつ病に罹患させる」というのは本旨でなく「筆が走りすぎた」としつつ、「表現の自由」の範囲内と主張したという。

 厚労省にも苦情が続き、18日には日本労働弁護団や全国過労死を考える家族の会など6団体が「若者使い捨てが疑われる企業に違法行為を教唆する極めて悪質なもの」として監督責任を果たすよう要請した。

 愛知労働局は社労士法上の「重大な非行」にあたるかどうかを調べる方針だ。担当者は「ブログの内容は時代に逆行している。社員が自殺しても構わないととられる論調はどう考えても行きすぎ」と指摘する。

 男性社労士は取材に対し、「不快に思った人におわび申し上げる。雑記帳のように書き誤解を招いた。強烈な教育的指導で社員が真人間になれば、社員も会社も楽しくなるというつもりで書いた」と話した。

 厚労省によると、仕事のストレスなどによる「心の病」の問題で昨年度に労災と認められた人は497人で過去最多。職場でメンタルヘルスが不調な人を見つけて改善を促すため、政府は12月から従業員50人以上の事業所で「ストレスチェック」を義務化している。(斉藤太郎)


((その2)に続く)

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