2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
フォト

« No.265 「ブラック社労士」の放置は許されない(その2) | トップページ | No.267 2015年 私の10大ニュース »

2015年12月31日 (木)

No.266 「ブラック社労士」の放置は許されない(その3)

(その2)から続く)
 12月18日に私たちが行った懲戒請求やブラック企業対策弁護団など6団体の監督要請もあり、K社労士のブログへの対応や社会的な批判が更に広がっている。

◆K社労士が登録している愛知県社労士会は、12月10日に監察綱紀委員会、12月25日に緊急理事会を開き、K社労士に対して「3年間の会員権停止」と「退会勧告」の処分を決めたという。これについては、下記の毎日新聞など多くの新聞が報道し、またテレビでもNHKが12月30日夜7時の全国ニュースで報道したのをはじめ、NNNなどが取り上げ、社会的関心の高さを物語っている。
151231nhk_3


 もっとも、処分といっても、これは愛知県社労士会が自らの会員社労士に対して行う「注意」「勧告」にとどまり(社労士法25条の33)、正式な懲戒処分(戒告、1年以内の業務停止、失格(注、資格剥奪のこと))を行うのは厚生労働大臣である(社労士法25条、25条の3)。

毎日新聞2015年12月30日

社労士 書き込み「社員うつにさせる方法」会員権停止に

 愛知県社会保険労務士会(鬼頭統治会長)は、同会会員の社労士が「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」などとした文章をブログに記し「社労士の信用、品位を害した」として3年間の会員権停止処分と退会を勧告することを決めた。処分は同会の規定で最も重い懲戒処分という。

 社労士は自身のブログに、社員を「うつ病にして会社から追放」する方法として「バツを与えるべき根拠を就業規則に盛り込みましょう」「モンスター社員に降格減給与えてダメージ与えます。適切な理由でっち上げましょう」「万が一本人が自殺したとしても、うつの原因と死亡の結果の相当因果関係を否定する証拠を作っておくこと」などと記し、11月24日にブログに掲載した。ネット上で批判が相次ぎ、現在ブログは公開されていない。

 内容を問題視した日本労働弁護団や「全国過労死を考える家族の会」が監督官庁の厚生労働省に厳しい監督を要請していた。

 愛知県社労士会によると、今月25日の臨時理事会で処分を決め、28日に郵便で処分内容を記した文書を発送。厚労省にも処分を報告した。会員権停止で会の役員就任や会の事業への参加はできなくなる。会は社労士法に基づく法定団体で、退会した場合はその会が所在する都道府県では社労士として活動できなくなる。

 愛知県社労士会の担当者は「国家資格である社労士資格を会が奪うことはできない中で一番重い処分とした。それぐらいブログの内容は許容できないものだった」と話している。

 この社労士は、事前の毎日新聞の取材に対して「処分が出た場合、粛々と従う」と話していた。【東海林智】

◆また、同社労士会は同日、「社会保険労務士の職業倫理に関する緊急声明」を発表した。

                       平成27年12月28日

社会保険労務士の職業倫理に関する緊急声明

                      愛知県社会保険労務士会
                      会長 鬼頭統治

 最近、社会保険労務士の職業倫理の欠如と言える事件が複数発生しております。そのような中で、今回、愛知県社会保険労務士会所属の会員が「社員をうつ病に罹患させる方法」と題した文章をブログに載せたことで社会的に問題視され、関係機関、一般国民及び全国の社労士から非難を受けることとなった事案が発生しました。愛知会として事態を重くみて、緊急の正副会長会をすぐに開催し対応を検討しました。早急に情報の収集に努め、連合会と愛知労働局監督課と情報連絡を密に取りつつ、並行して監察綱紀委員会を開催することとし、その後、臨時正副会長会を開き、監察綱紀委員会の開催及び臨時理事会の開催へと進めました。愛知県社会保険労務士会会則に則り、会則違反事案として処分を機関決定し、12月25日の臨時理事会において全会一致で承認を得ました。同日,この結果を愛知労働局及び連合会へ報告したところであります。また、全国社会保険労務士会連合会大西健造会長から「社会保険労務士による不適切な情報発信について」という意見書が平成27年12月25日付で発信されました(連合会ホームページに掲載)。
 社会保険労務士の大多数が適正な労務管理や社会貢献事業に日々努力している一方で、ほんの一部の会員による不適切な労務管理の情報発信等は、国民からの信頼・信用を失墜させるものであります。今回の事案の緊急性を鑑み、愛知県社会保険労務士会では急遽1月27日、28日において臨時の「倫理研修」を開催することにしました。
 会員の広告については、会則倫理規定第13条の規定に基づく業務の広告に関する細則第3条(禁止される広告)第2号「誤導又は誤認のおそれのある広告」及び第3号「誇大又は過度な期待を抱かせるような曖昧・不正確な広告」をすることができないと規定されています。また、インターネットによる広告、ソーシャルメディアにおける情報発信の場合、専門家として発信する情報に対する責任感の欠如や顧客の機密情報を漏えいするリスクに対する認識の欠如が見られますが、この場合には、不適切な情報発信により、当該会員に対する顧客、国民一般からの信用が失われ、ひいては社会保険労務士全体に対する国民の信頼、行政機関との信頼を大きく失墜させることにつながることを自覚すべきであります。愛知会として、不適切な情報発信、職業倫理に反する非違行為に対して指導を強化するとともに、一般国民から非難されることの無いよう社会保険労務士法の第1条(目的)の趣旨を理解し、国民の信頼向上に努めてまいりたいと考えております。

以 上

◆私たちが懲戒請求を行い、また愛知社労士会が労働局(厚生労働大臣)に報告を行ったことから(社労士法25条の3の2)、今後、K社労士に対する懲戒手続きが開始されると考えられる。そのためには「聴聞」手続きが行われ、聴聞期日は公開で行われる(社労士法25条の4)。

 厚労省は社労士に対する懲戒処分の基準を定めており、「社会保険労務士たるにふさわしくない重大な非行があったとき」は、「失格処分、1年以内の業務の停止又は戒告」とされている。

 報道によると、K社労士は「世間をお騒がせしたのは申し訳ないと思っています。一部、筆が滑って過剰な表現はありましたがブログに書いた趣旨は間違っていないと思います」などと話しているという(NHKニュース)。

 一般に、懲戒処分を行うに際しては、本人が反省しているかどうかも考慮される。このようなK社労士の態度は、「十分に反省していない」と評価され、厳しい処分につながる可能性がある。

 「その1」に書いたようにK社労士はいわば確信犯であり、「筆がすべった」、「表現の自由の範囲内だ」などといった不合理な弁解を許さず、大きく損なわれた社労士に対する社会的信頼を回復させるためにも、同社労士には厳しい処分を求めたい。


         ↓   ↓   ↓  

♪ここまで読んで下さった方は・・・ワンクリックしていただけたらとっても嬉しく、励みになります。
にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

« No.265 「ブラック社労士」の放置は許されない(その2) | トップページ | No.267 2015年 私の10大ニュース »

3-2 ブラック企業に負けない!」カテゴリの記事

コメント

 社労士が決して彼のような社労士ばかりと思わないでください。彼の著作本には以前から問題があり、岡山支部の講師で呼んだときも当職が猛反対したにも係わらず、当時の執行部が呼んでいて、信義則に欠けると思っていました。

 確かに、日々人事労務管理をしている社労士として、どんな優良企業でも問題社員は、出てきます。
しかしながら、四方や鬱病にさせるとか、そんなことを考えている者はいなくて、この社労士は異常です。

 先般も懲戒解雇事由がある労働者に対して、懲戒解雇を申し渡しましたが、将来すなわち今後のこともあるので、自己都合の退職届を提出するようにと企業に指導致しました。

 一度懲戒解雇をすると、履歴書にも懲戒解雇と記載しなければならず、経歴詐称は普通解雇要件となっています。確かに労働者は悪いが、彼にも人生があり、また、会社が恨まれるような真似は極力してほしくないと言いました。

 当職が特別ではなく、社労士は円満な人事・労務管理を助言し、企業にとって人材が一番の財産であることを訴えている社労士が大半であると、当職は信じています。

 少なくとも当職は、本当に顧問先会社に対しても法令遵守は、ある意味行政より厳しい指導をしていると思っているくらいで、一緒にされたくないと考えているのが現実です。

 当職は、顧問先会社の契約が主な収入ですが、一度たりとも彼のように考えたことはありません。
 岩城先生も御存知なように、過労死、過労自殺、石綿労災死、労災死亡事故のスポットの依頼も来ています。

 当職も使用者一辺倒の社労士については、危惧しています。
この問題となった社労士以外にも、ある一定程度いることも分かっています。

 しかしながら、本来企業にとって最も大切なものは、人材です。当職は採用するときに、貴方の見る目が無かったか、その後も教育できる度量が無かったんでしょう、とまず、考えます。

 それは、自分自身にも言えることであって、現在まで10数人の勤務社労士を雇用致しましたが、育てきれない者がいたのは、当職の経営者として、所長としての度量がなかったせいだと考えています。

 現在悲願であった、労働社会保険諸法令につき補佐人として玉木弁護士と一緒に出廷して発言していますが、本当に今回問題となっている人は特別であり、一般的な社労士と思って頂きたくないのです。

 当職は、顧問先会社に迎合することなく、いつも是々非々で、助言・指導をして頑張っています。
ご理解頂いているとは存じますが、決して、社労士全般と思わないでください。よろしく、お願い申し上げます。

 私は久保利子先生ほど開業社労士に対して立てる様な気はありませんが、確かに従業員の生活を少しでも良くしようと思い、日夜、頑張っている社労士はいます。私はその先生を見て、「その他」登録という肩書きだけの社労士とは言え、微力ながら従業員の生活が少しでも良くなってくれればと思い、日夜、勉強の日々を送らせてもらっています。世間一般では社労士≒事業主の味方という考え方が結構、浸透した感はありますが、間違いなく本当に労使の福祉向上の為の隣接法律専門職者としての社労士はいます。どうか久保先生のコメントを、そして真面目に頑張っている社労士を信じてあげて下さい。私は久保先生や真面目に頑張っている社労士を信じています。

社会保険労務士に限らず法律関係の資格は、職業人教育や資格取得後の教育が、まったく整備されてませんね。
それが、問題だと思います。
一発で決まる資格試験に合格さえすれば、あとは資格の信用でどうにでもなる…
それが、日本の法律関係の資格の現状だと思いますよ。

職業人教育やその後の継続教育は、非常に重要ですね。
社会保険労務士も含めて法律関係の資格は、更新制にするなどして、職業人教育や継続教育を制度として組み込む必要があると思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/573062/62974479

この記事へのトラックバック一覧です: No.266 「ブラック社労士」の放置は許されない(その3):

« No.265 「ブラック社労士」の放置は許されない(その2) | トップページ | No.267 2015年 私の10大ニュース »

無料ブログはココログ