No.273 日本国憲法の平和主義・立憲主義・民主主義の回復への巨大な一歩に──2・19「5野党合意」に期待する
安保法制が強行可決された9月19日からちょうど5か月目にあたる2月19日、民主党、共産党、維新の党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの5野党が共同で安保法廃止法案を提出するとともに、党首会談を行い、次の4点を確認した。
1.安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする。
2.安倍内閣の打倒を目指す。
3.国政選挙で現与党およびその補完勢力を少数に追い込む。
4.国会における対応や国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力を行う。
これで、当面のいくつかの補選や7月の参議院選挙はもちろん、仮に衆参ダブル選挙が行われても、野党が結束して闘うことができる。
文字どおり、日本の未来を切り開く歴史的な5党合意だと思う。
私は、2014年12月14日の前回衆院選の告示前、「小選挙区制のもとで野党は「連携」模索を」と訴えた(「No.220 「いきなり解散」で総選挙へ──小選挙区制のもとで野党は「連携」模索を」)。
「少なくとも現時点においては、現在の小選挙区制で選挙が行われる以上、その弊害を少しでも減らし、民意に近い国会構成にすべきである。そのためには、何が必要だろうか。私は、それは「野党共闘」又は少なくとも「野党連携」ではないかと思う。」
「もちろん、本来は政策協定までも締結することが望ましいが、そんなことを言っていてはいつまでも「泡沫候補同士の足の引っ張りあい」にならざるを得ない。選挙は当選しなければ意味がなく、「独自の闘い」や「善戦」では、ダメなのである。
もちろん、比例代表での議席を狙うことは大切だが、比例区の定数はどんどん減らされつつあり、最終的にはゼロにされてしまう可能性もある(そのようなことを許してはならないが)。国会で多数を獲得して政権を取ろうとする以上、小選挙区制でどう多数をとるかを本気で考えないと、政権をとるなど夢のまた夢である。
今回もまたこれまでのように、野党が一強多弱で選挙に臨むならば、実質的に選択肢のない有権者は白け、投票率は上がらず、その結果、「自民・民主」の二大政党制ならぬ「自民と無関心」の二大政党制になり、日本は破滅に向かうことは確実である。
この問題は、単にどの政党に有利だとか不利だとかという問題ではなく、日本の民主主義の根幹に関わる問題なのである。
難しいとは思いつつ、大なり小なり政策を共通にする野党同士で、離合集散ではない、地に足のついた連携が模索されることを、切に願うものである。」
しかし、このときの総選挙は野党乱立で行われ、自民党が「漁夫の利」を得て圧勝した。そして、悪夢のような憲法違反の「安保法制」の成立が強行されていったことは周知のとおりである。
その後の国民的な運動の盛り上がりを経て、今般、冒頭に述べたような「5野党合意」が実現したことは、本当にすばらしいことである。
折しも、翌2月20日に開かれた社民党の大会に4党の代表が招かれ、それぞれからあいさつと合意事項を実行する決意表明がなされた。
以下のユーチューブで、4党の代表のあいさつを視聴することができる。
私は、全部聴き、胸が熱くなった。
民主党 枝野幸男 幹事長
https://www.youtube.com/watch?v=GHShycmhGKk
日本共産党 志位和夫 委員長
https://www.youtube.com/watch?v=NojPZKQtZqE
維新の党 今井雅人 幹事長
https://www.youtube.com/watch?v=PAPd9-we5mU
小沢一郎 生活の党と山本太郎となかまたち代表
https://www.youtube.com/watch?v=aa4NBhoPs8g
※画像は、2月20日の社民党大会に勢ぞろいした、民主・枝野幹事長、維新・今井幹事長、共産・志位委員長、生活・小沢代表、社民・吉田ただとも党首。
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