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2016年3月の5件の記事

2016年3月24日 (木)

No.279 公立病院のパワハラ上司は、個人責任を負わない──公立八鹿病院事件で最高裁が原告の上告を不受理

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 新人医師が長時間過密労働と上司のパワハラでうつ病を発症し、赴任してわずか70日後に自殺した事件(公立八鹿病院34歳青年医師パワハラ自殺事件)について、1審の鳥取地裁米子支部平成26年5月26日判決、2審の広島高裁松江支部平成27年3月18日判決が揃って「判例時報」に掲載されたことを、3月15日付けの本ブログで紹介したが、そのわずか2日後の3月17日、最高裁から、「上告棄却・上告不受理決定書」が届いた(3月16日付け。なお、病院側からも上告受理申立がされていたが、同様の決定がなされた)。

 そこに書かれているのは、「法定の上告理由に該当しない」、「受理すべきものとは認められない」という、定型の「三行半」の文章だけであり、なぜそうなのかについての理由は一切書かれていない。
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 パワハラによって新人医師をわずか赴任後70日で過労自殺に追いやった上司の医師に対して、国家賠償法の適用を根拠に個人責任を認めないのは不当であるとして、私たちは上告受理申立を行った。
 提出した30ページの上告受理申立理由書には、53人の弁護士が代理人に名を連ねた。また、立命館大学大学院法務研究科の松本克美教授が書いてくださった33ページに及ぶ意見書を提出し、さらに、医師、医療関係者、一般市民の皆さんから寄せられた80人の意見書も提出したにもかかわらず、この結果であった。

 民間病院であればパワハラ上司も当然個人責任を負わされるのに、公立病院だという理由だけで免罪・免責されてよいのか。高裁判決の理屈に立てば、例えば国公立大学の教授がセクハラをしても、それが「その職務を行うについて行ったもの」と認められれば、個人責任を負わなくてよいことになる。こんな、誰が見ても聞いてもおかしいことについて、最高裁は何の説明もせず、問答無用の決定をしたのである。
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 私たちの訴えが「箸にも棒にもかからない」とまでいえない以上、せめて何らかの理由を述べるべきではないか。しかも、地裁の印紙代の2倍もの高額な印紙代(50万8000円)を貼らされているのである。
 これが、民主国家の最高裁判所といえるのか。このような最高裁の理不尽な対応に対する悔しい思いは、いつものこととはいえ、今回はひときわ悔しい。

 とはいえ、原告であったご両親が、「息子の為に、私達夫婦家族の納得の為に、やれるだけの事は全てやったという満足感に満たされています」「最高裁が双方棄却でも、地裁・高裁とも勝訴であり、輝かしい結果を獲得した満足のいく裁判でした。ここまでやれば、やり残して後悔する事は何もありません。」とおっしゃってくれていることに、救われる思いである。

 以下は、NHKのニュースである。

勤務医自殺 病院に1億円余の賠償命令が確定

NHK NEWS WEB 3月18日 20時30分

 兵庫県の病院の勤務医が自殺したことを巡り、鳥取県の両親がパワーハラスメントなどが原因だと訴えた裁判で、最高裁判所は上告を退ける決定を出し、病院に1億円余りの賠償を命じた判決が確定しました。

 9年前、兵庫県養父市の「公立八鹿病院」に勤めていた当時34歳の男性医師がうつ病になって自殺したことを巡り、鳥取県米子市に住む両親は、当時の上司のパワーハラスメントや長時間の労働が原因だとして、病院と上司2人に賠償を求める裁判を起こしました。
 1審の鳥取地方裁判所米子支部と2審の広島高等裁判所松江支部は、いずれもパワーハラスメントや長時間の時間外労働が自殺の原因だと認めました。
 1審が病院と当時の上司に8000万円余りの賠償を命じたのに対して、2審は賠償額を1億円余りとした一方、「職務上の行為について公務員個人に賠償責任を負わせることはできない」として、病院にだけ賠償を命じ、双方が上告しました。
これについて最高裁判所第2小法廷の山本庸幸裁判長は、18日までに双方の上告を退ける決定を出し、病院に1億円余りの賠償を命じた2審の判決が確定しました。

 ※画像は上から、
 ①今回の最高裁決定
 ②最高裁の外観
 ③最高裁判所大ホールにあるブロンズ像。ギリシャ神話に出てくる法の女神テミスに由来するものであるといわれ,右手には正邪【せいじゃ】を断ずる剣を掲げ,左手には衡平【こうへい】を表す秤【はかり】を持っている。(裁判所のホームページより)
 

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2016年3月19日 (土)

No.278 分野・世代を超えた連帯はできる、社会は変えられる──働き方ASU-NET第24回つどい

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 事前にお知らせしていたように(No.270 未来を切り開く連帯~若者たちの運動から学びあう~)、今広がっている若者たちの社会運動の7団体の代表の方に集まってもらってリレートークをしてもらう企画を行った。

 もたもたしているうちに、森岡孝二先生がASU-NETのホームページに詳細な報告を書いておられるので、団体紹介と、採択された「つどい宣言」もあわせて紹介しておくことにする(なお、7団体の順序を、当日の発言の順に並べ替えさせていただいた)。
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■3.16若者たちの運動から学びあう集いが満員盛況で

 3月16日、午後6時半~8時50分、エルおおさかで働き方ASU-NET第24回つどい
「未来を切り開く連帯 ~若者たちの運動から学びあう~」が開催されました。

 第1部のリレートークでは、7つの若者団体を代表して下記の7名の方からそれぞれ10分前後、各団体の結成時期、主な活動、訴えたいことなどを報告していただきました。
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 ①労働相談に取り組みブラック企業を社会問題化した
NPO法人POSSEの坂倉 昇平 さん

 ②アルバイト学生を組織し団体交渉も行っている 
 関西学生アルバイトユニオンの北村 諒 さん
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 ③労働相談と団体交渉で成果を上げる個人加盟労組
  地域労組おおさか青年部の北出 茂さん

 ④民主主義を原点に戦争法の廃止を訴える 
SEALDs KANSAI の寺田ともか さん
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 ⑤戦争法に反対し街頭での対話活動に取り組む  
  SADLの中村 研 さん 

 ⑥堺市のフーパー前で戦争法廃止の署名活動をする
 ANTSの磯田 圭介さん 
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 ⑦最低賃金1500円への引き上げを求める
  AEQUITAS京都の橋口 昌治さん

 第2部のパネルディスカッションでは、岩城穣ASU-NET代表理事(弁護士)の司会のもとで、各団体がどんな苦労に直面しているのか、またどんな展望を持っているのかを話してもらいました。
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 7つの団体は平和系と労働系に色分けすることもできますが、共通するのは若者が主体の民主主義を志向する団体であるということです。1~2部を通して、どの団体もとても個性的で、困難を抱えながらも、生き生き活動していることがわかりました。デモのサウンド一つをとっても古い世代とはずいぶん違いますが、若者が声を上げ始め、柔軟で多様性がある活動を展開していることを知って、参加者は、若者も中高年も、元気がでるつどいだったと異口同音に話していました。

 年度末の忙しいなか、会場を埋め尽くす145名の参加がありました。この場を借りてお礼を申し上げます。

■3.16 NPO法人働き方ASU-NET第24回つどい パネリストの団体紹介

◆NPO法人 POSSE(ポッセ)
 24時間無料の労働相談を中心に、若者の「働くこと」に関する様々な問題に精力的に取り組む労働NPO。ブラックバイトユニオンを支援。若者が創る雑誌POSSEを年間4回発行、ブラック企業を社会問題化してきた。

◆関西学生アルバイトユニオン
 関西の学生アルバイトを中心としたユニオン(労働組合)。ブラックアルバイトなどアルバイトに関して悩む学生や奨学金の相談活動をしている。また学生以外の相談にも応じている。

◆地域労組おおさか青年部
 全国屈指の「一人でも加入できる労働組合」の青年部として有名。東京の首都圏青年ユニオンと並び、大阪で、泣き寝入りしない若者たちの駆け込みユニオンになっている。労働相談・交渉・和解に至るまでを一貫して行い、抗議宣伝も行う能力を有する。解決した争議は多数。

◆SEALDs KANSAI(シールズ・カンサイ)
 反戦争法で若者たちの自主的な大きな運動のうねりをつくりだし、今まで関わってこなかった層や世代を巻き込み民主主義や立憲主義についても社会的問題にして来た。運動は全国規模に広がっている。

◆SADL(サドル)
 戦争法に反対し、民主主義と生活を守ることを目ざして活動している。継続的に街頭での対話活動に取り組み、参議院選挙への関心を拡げ 「争点は市民がつくる」をキャッチフレーズに活動している。

◆ANTS(アンツ)
 戦争法に反対する行動を「堺市で暮らし、働く若者」で行っている。地元に足を付けた取り組みをしている。毎月、デモや街頭宣伝をするなど、戦争と政治の強い関わりをわかりやすく伝える活動をしている。

◆AQUITAS KYOTO (エキタス 京都)
 エキタスは「正義」「公平」を意味するラテン語で「最低賃金1500円以上」を掲げ、昨年10月、12月には東京で700人のサウンドデモを行った。憲法25条の精神「社会正義」を掲げて活動している。

■3.16 NPO法人働き方ASU-NET第24回つどい宣言

         未来を切り開く連帯~若者たちの運動から学びあう~
 
 今日、わたしたちは若者の置かれた現状を変革したいという、わきあがる熱い思いを聞きました。

◇国民の半数以上が反対しているにもかかわらず、安倍内閣は民主主義をないがしろにし、平和憲を捨て、遮二無二に戦争をする国へ進んでいます。

◇3.11の東京電力福島第一原発の過酷事故の収束が混乱を極めるなかで、反対多数の世論を押し切って停止原発の再稼働が強行されています。

◇若者を使い潰すブラック企業に対する批判が強まるなかでも、過労とストレスとパワハラで心身を病み、はては過労死と過労自殺に追いやられる若者が跡を絶ちません。

◇雇用の非正規化がすすむなかで、日本の貧困率は世界最悪水準の16%となり、24歳未満の若者世代では非正規労働者の割合が5割に達し、生活困窮者が著しく増えています。

◇家計の窮迫と乏しい奨学金のために、勉学に専念すべき学生が学費や生活費を稼ぐために長時間のアルバイトを強いられ、学生を酷使するブラックバイトへの批判が高まっています。

◇若年労働者の賃金の底上げのために、最低賃金の全国平均(現行798円)を速やかに1000円に引き上げ、近い将来、生活可能な1500円に引き上げることも課題になっています。

 しかし、私たちは声を上げ行動することでこうした現状を変えることができます。いろんな課題に取り組む多様な若者グループがお互いの主張と行動に耳を傾けることは、社会を変える道筋を探ることに通じています。若者も壮年も熟年も、男も女もこうして集い、率直に語り合うなかで、互いに見えていなかったことが見えてきました。

「自分たちの未来は自分たちで決める!」という若者たちの力強い声と、柔軟でいて地に足をつけた取り組みには目を見張るものがあります。海の向こうからも政治と雇用に異議を申し立てる若者たちの声が聞こえてきます。平和と民主主と暮らしが危険にさらされるとき、長い苦難の道のりを切り開いてきた壮年・熟年世代の底力も捨てたものではありません。

 若者たちの、素直に思いを伝えあい、柔軟で壁を作らない運動の新しい流れに学びながら、すべての世代の人々が語り合い、つながり合って、政治を変え、働き方を変えて、この国の未来を切り開くために、ともに前へ進みましょう。

 ここに本つどいの名において宣言します。

                  2016年3月16日
                   NPO法人働き方ASU-NET第24回つどい

 ※画像は上から、
 ①リレートークの様子
 ②POSSEの坂倉さん
 ③関西学生アルバイトユニオンの北村さん、エキタス京都の橋口さん
 ④地域労組青年部の北出さん、SADLの中村さん
 ⑤SEALDs KANSAIの寺田さん
 ⑥ANTSの磯田さん
 ⑦コーディネーターをする私


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2016年3月15日 (火)

No.277 公立八鹿病院事件の高裁・地裁判決が「判例時報」に掲載!

 新人医師が長時間過密労働と上司のパワハラでうつ病を発症し、赴任してわずか70日後に自殺した事件(公立八鹿病院34歳青年医師パワハラ自殺事件)について、1審・鳥取地裁米子支部平成26年5月26日判決、2審・広島高裁松江支部平成27年3月18日判決が下されたことは、それぞれについて紹介したところである(地裁判決につき「No.189 新人医師のパワハラ自殺事件で勝訴!──鳥取地裁米子支部で判決と記者会見」、高裁判決につき「No.230 新人医師のパワハラ自殺事件、控訴審判決は「過失相殺ゼロ」と判断!」)。

 これらについては、既に判例雑誌「労働判例」に掲載されている(地裁判決につき労働判例1099号5頁以下、高裁判決につき同1118号25頁以下)。
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 そして、今般、「判例時報」2281号(平成28年3月11日号)にも、これらの両判決が掲載された(高裁判決につき43頁以下、地裁判決につき同55頁以下)。

 「判例時報」は日本で最も権威のある判例雑誌であるうえ、2つの判決が同時に掲載されることで、その違いを比較できるとともに、高裁判決で引用している地裁判決の該当箇所も参照することができるので、ありがたく思っている。
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 なお、本件は、高裁判決が、パワハラを行った上司である医師の個人責任を、国家賠償法が適用されることを理由に認めなかったことから、最高裁に上告受理申立を行い、現在結果待ちの状態である。

 この点について、今回の判例時報の「コメント」欄には、「公立病院の診療行為については、私経済活動であるとして国賠法の適用がないと介されているが(最一判昭57・4・1民集36・4・519等)、公立病院内部における医師・職員の任用・雇用関係及びこれに付随する安全配慮義務の履行に関して、その実態は民間病院と異ならないとした一審と、公務員関係としての規律を重視した本件判決とで判断が分かれた。Xらは、この点を不服として上告をしており、最高裁の判断が待たれる。」と記載されている。

 最高裁には、ぜひ我々の上告を受理して口頭弁論を開き、パワハラ医師の個人責任を認めてほしいと願っている。

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2016年3月 8日 (火)

No.276 「政治の春」を呼ぶには──谷口真由美さんをお招きして<「ゆうあい会」結成総会>

◆昨年4月に開設した「いわき総合法律事務所」の1周年を前に、3月5日、大阪天満橋のドーンセンターで「いわき総合法律事務所友の会」(愛称「ゆうあい会」)の結成総会を行った。
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 ゆうあい会は、当事務所に親しみを感じてくださる依頼者や元依頼者、友人、専門家の皆さんによる親睦団体である。日々の暮らしに役立つ講演会や相談会などを行ったり、ハイキングなどの楽しいイベントを行ったりしながら、会員同士や事務所の所員との交流・親睦を図ることを目的としている。昨年8月ころから準備を重ね、この日結成総会を迎えた次第である(なお、「ゆうあい」は、「友愛」と「You & I」と「たか・わき」の頭文字を懸けている(最後は少し苦しいが(笑))。
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 果たしてどれだけの皆さんが参加してくれるか心配であったが、続々と親しい方々、懐かしい方々が集まってくださり、50人を超え会場はほぼ満席になった。

◆中田進先生の開会あいさつの後、メインの記念講演として、大阪国際大学准教授の谷口真由美さんに、「政治の春はいつ来るか?」と題してお話をしていただいた。
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 谷口先生は、人権の国際的保障や女性の権利、ジェンダー法などを専門とされ、大阪大学での「日本国憲法」の講義は名物となっているそうである。また、「全日本おばちゃん党」の代表代行をされ、「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」という本を出版されたことで一躍有名になり、現在はいくつものテレビ・ラジオなどでコメンテーターを務められたり、各地でご講演をされるなど、人気急上昇中である。
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 私は、谷口先生が企画の中心に関わっておられる大阪弁護士会の「市民、弁護士のための国際人権法連続講座」の中の「長時間労働と国際人権法」(2015年5月26日)で講師の一人となり、谷口先生がコーディネーターを務められてお近づきになったことから、今回ご無理をお願いしたところ、超ご多忙であるにもかかわらず快諾してくださった。
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 谷口真由美先生のお話は、とてもわかりやすく、気づかされることがたくさんあった。
・隣の人に、「どう思う?」など、疑問形で語りかけること(問題意識を持っている人は、どうしても自分ばかりがしゃべってしまいがちである)
・マスコミがいい記事を書いたらほめて、応援すること(悪い記事に批判ばかりが集中するが、良い記事をほめることが大切)
・「空気を読まない」人がいることも大事。日本社会に根強い「同調圧力」を上手に乗り越える工夫が必要
・「パーソナル イズ ポリティカル」(日常のすべてが政治につながっている)
・自分が嫌いな政治家にも、言うべきことを言うこと(嫌いな政治家であっても私たちの「代表」である)
・「春」にするには、私たちにも努力がいること
・諦めてはいけない。諦めたら終わり
などなど・・・。
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 講演後の質疑応答にも、臨機応変、縦横無尽に回答してくださった。
 本当はかなり難しい中身を、これだけ平易に、しかも関西弁テイストで話せるのはすごいと思う。これまでの解説者やコメンテーターにはいなかったタイプで、これからもっともっと要請が増えるのではないか。
 先生の著書「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」は、先生がサインをして下さったこともあって20冊全部が完売。一気に「谷口先生ファン」が増えたと思う。
 谷口先生はその後の懇親会、更には有志でのカラオケにまでお付き合いくださった。本当に気さくで、魅力的な方である。
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◆谷口先生に続いて、私から「依頼者に学び、依頼者とともに」と題してお話をさせていただいた。
 まず、私の生まれ育った故郷のこと、両親のこと、小学校時代から大学時代までの、私が弁護士をめざすことに影響を与えた出来事などを話させていただいた。

 続いて、私が弁護士として努めている次の3点について話した。
 ①「なぜ闘うか、どう闘うか」を依頼者と共に考える(単に経済的救済を求めるだけでなく、過去に受けた傷を回復し、未来に向かって歩きだすために闘うこともあるし、「こんなことは許せない」といった義憤・公憤から闘うこともある。そのための手段選択も重要)

 ②「汝は事実を語れ、余は法を語らん(ローマの法格言)」(これは依頼者と弁護士の役割分担でもあるし、二人三脚でもあるし、また、弁護士としての最高水準の活動が求められる)
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 ③支援者がいる場合の「依頼者・弁護士・支援者のトライアングル」(この「3本の矢」が一つになると大きな力を発揮する)
について、実際の事例を挙げながらお話しした。
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◆休憩をはさんで、ゆうあい会の規約と役員の提案をさせていただき、承認された。本当は、今後のゆうあい会の活動のイメージについて意見交換をしたかったが、時間不足でできなかったのが残念である。
 最後に、会長に就任してくださった森岡孝二先生のお礼の言葉と閉会のあいさつで、結成総会はお開きとなった。
 終了後、約50人で撮影した記念写真は壮観だった。
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◆二次会にも、「ドタ参」も含めて約40人の参加があり、谷口先生も参加してくださって、大いに盛り上がった。お互い、それまで知らない者同士だった人たちが親しくなり、話し込んでいるのを見て、私が作りたかったのはこのような会だったと、改めて嬉しく思った。
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◆終了後、まだ物足りない(笑)有志15人くらいでカラオケに繰り出した。なんと谷口先生までお付き合いくださり、振り付け付きで美声を披露してくださった。歌う人も、歌わない人も他の人に「同調圧力」を加えることなく(笑)、皆が楽しめたと思う。

◆このようにして誕生したゆうあい会が、参加者が「楽しかった。勉強になった。参加してよかった」と言ってくれる会になっていくよう、所員一同、世話人の皆さんと力をあわせて頑張っていきたい。

 ※画像は上から、
 ①開会あいさつをする中田進先生
 ②司会をする寺西笑子さんと岩城陽さん
 ③谷口真由美さんの「日本国憲法 おばちゃん語訳」の本の表紙
 ④会場の様子
 ⑤講演する谷口真由美さん
 ⑥谷口真由美さんに花束贈呈
 ⑦講演する岩城弁護士
 ⑧「3本の矢」のイラスト
 ⑨閉会あいさつをする森岡孝二先生
 ⑩二次会の乾杯
 ⑪翌日誕生を迎える谷口真由美さんにサプライズでお贈りしたバースデーケーキ(とっても喜んでくださいました)

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2016年3月 1日 (火)

No.275 “Enough is enough!(もうたくさんだ!)”アメリカ大統領予備選挙、サンダース候補に注目する

 アメリカの大統領選挙について、今回ほど日本で話題になったことはないのではないか。
 2008年に現職のバラク・オバマ氏が選出されたときも相当な話題であったが、今回は共和党・民主党の党内でそれぞれの候補を絞り込む予備選挙段階での盛り上がりはすごい。
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 共和党では、ドナルド・トランプ氏が大旋風を巻き起こしている。不動産王といわれる大富豪で、既成の政治家に対する批判、女性や移民に対する蔑視発言、隣国のメキシコや中国・日本に対するあからさまな敵意など、暴言・放言を繰り返して喝采を浴びている。
 大阪の橋下徹氏を彷彿とさせる、ポピュリズム的な政治手法である。
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 民主党では、元大統領ビル・クリントン氏の妻であるヒラリー・クリントン前国務長官の圧勝と見られていたが、自ら民主主義的社会主義者と称するバーニー・サンダース上院議員が想定外の猛追をする展開となっている。米FOXニュースの世論調査では、民主党支持層からの支持率は、1年前にはクリントン氏61%に対しサンダース氏はわずか3%だったのに、今年2月の支持率はサンダース氏47%、クリントン氏44%とわずかであるがサンダースがついに逆転したのである。
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 注目されるのは、サンダース氏は公立大学の無償化、労働者の最低賃金の倍増、上位1%の富裕層に対する課税強化、国民皆保険の導入など、中間層以下の社会的弱者に対する支援と富裕層に対する責任強化を正面から打ち出していることである。その結果、学生や若者たちが圧倒的にサンダース氏を支持しているという。

 サンダース氏は、アイオワ州予備選挙後の総括演説で、次のように述べている。
 http://hbol.jp/83029
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 アメリカの人々は、この国が、公正さの上に築き上げられた国だと理解しています。トップ1%の中のわずか1/10の人が、その他90%の人の合計よりも多くの富を所有しているのは公正ではありません。この国最大の金持ち20人が、この国の底辺半分の人々の合計よりも多くの富を持っているのは、公正ではありません。

 みなさん。革命的なアイデアへの準備はいいでしょうね?

 その革命的なアイデアとは、我々が、富裕層だけでなく、勤労世帯にも機能する経済体制を作るということです。

 そして、数百万もの人々が貧困ライン賃金で働いている状況で、我々は、最低賃金を15ドルに引き上げるということです!
 そして、そうです、女性にも同一賃金を支払うのです!

 アイオワ中を駆け巡りました。我々の陣営は集会に次ぐ集会で7万人近い人々とお話ししました。

 多くの人々が立ち上がって”バーニーさん!大学行ったんだ、大学卒業したんだ、で、今、6万ドル、8万ドル、9万ドルの借金を抱えている”とおっしゃるのを聞きました。

 狂ってる。これは狂ってる。彼らはまともな教育を受けようとしただけです。罰せられるべきではない。これこそが 2016年に、公立大学は学費無料になるべきだと信じる理由です。この主張に対しては私の批判者たちはこういうでしょう「バーニーさんよ、そりゃいい考えだ。タダだってね。でもどうやって財源を確保するの?」と。財源の確保をどうするか言いましょう。ウオールストリートの投機筋に課税すりゃいいんですよ。貪欲で無軌道で不法なウオールストリートの振る舞いは、この国の経済を無茶苦茶にしました。国民はそのウォールストリートを助けたんです。今度は、ウォールストリートが中流層を助ける番です。

 既に行われた州の予備選の結果は次のとおりである。
 ①アイオワ州(2月1日) クリントンが僅差で勝利(49.9%:49.6%)
 ②ニューハンプシャー州(2月10日) サンダース氏が勝利(56%:42%)
 ③ネバダ州(2月21日) クリントン氏が接戦で勝利(48.9%:41.5%)
 ④サウスカロライナ州(2月27日) クリントン氏が圧勝(73.5%:26%)

 「スーパーチューズデー」と言われる今日3月1日には、多くの州で予備選が行われることになっており、天王山とされる。

 私はもともと共和党よりリベラルな民主党の方に親近感を感じており、その中でも女性であるクリントン氏には好感を持っているが、サンダースが民主党の候補者に選ばれ、トランプ氏との一騎討ちで勝利するようなことになれば、アメリカ国内はもちろん、世界への影響もはかり知れないほど大きいだろうと思うので、今は、よりサンダース氏に期待したい。
 もっとも、オバマ氏の時もそうだったが、いざ大統領になると多くの点で現実的な政策をとらざるを得ないことも考えられる。しかし、それでも、トランプ氏がなるのとサンダース氏がなるのとでは、天と地ほどの違いがあるであろう。

 今回のアメリカのように、極右・新自由主義・排外主義などを特徴とする勢力と、リベラル・福祉・共生などを特徴とする勢力の両方が伸長し対立が激化しているのは、イギリスやフランスでも見られるし、大きく見れば世界的な傾向でもある。

 翻って考えると、日本でも同じような傾向が見られる。新自由主義を徹底させた小泉政権、これに復古主義・排外主義をプラスした安倍政権、敵を次々と作ってこき下ろすことで喝采を浴びる橋下徹氏とおおさか維新などが大手を振る状況が続いてきたが、他方、原発再稼働や集団的自衛権をめぐる安倍政権の強引な手法に対する危機感から、ここ1年ほどの間にSEALDsをはじめとする若者たちやママさんたち、大学人や学者などの運動が急速に広がった。そして、そのような世論の後押しを受けて「5野党合意」が成立し、バラバラだった野党が一つになって選挙での対立軸を作る流れができつつある。

 世界的な政治動向、アメリカの対日政策への影響、日本での政治潮流の変化を占うといいった様々な意味で、アメリカ大統領選挙に注目していきたい。

▼2016年度米国大統領選挙スケジュール日程
 http://matome.naver.jp/odai/2144602223945665801

──指名期間──
【2015年春〜年末】
 共和党・民主党ごとの候補者が出馬表明、討論会など

【2016年1月〜6月前後】
 各州での予備選挙、党員集会など
 3月頃にはスーパーチューズデー(天王山、複数州での一斉選挙)

【2016年7月】
 それぞれの党大会にて各党1名の大統領候補者が選出

──大統領選──
【2016年7月〜11月】
 共和党・民主党の大統領候補者同士での討論会

【2016年11月】
 大統領選挙(本選挙)、新大統領選出

【2017年1月】
 新大統領就任

 ※画像は上から、①ドナルド・トランプ氏、②クリントン氏とサンダース氏、③クリントン氏・サンダース氏の支持率の変化(2月19日付け朝日新聞より)、④サンダース氏

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