No.328 昨年よりバージョンアップした「無音のレクイエム」に感動
No.323で紹介した、大阪憲法ミュージカル「無音のレクイエム」が10月6日~9日の4日間の日程(1日2公演で8公演)で始まっている。
私は、3日目の10月8日(日)15:00からの夜の部を観てきた。
昨年に続いて2年連続ということで、来場者数が心配されたが、座席は9割方が埋まっている感じだった。
開演前の期待と熱気と緊張感の漂う会場で、私は7人の共同代表の一人として、開演にあたって、要旨次のようなご挨拶をさせていただいた。
【開演に当たってのご挨拶】ただいまご紹介に預かりました共同代表の弁護士7人の一人の岩城と申します。この度は、大阪憲法ミュージカル2017「無音のレクイエム」にご来場いただき誠にありがとうございます。出演者、実行委員会を代表しまして、心より御礼申し上げます。
大阪での憲法ミュージカルの取り組みは、平和や人権といった日本国憲法に込められたメッセージをミュージカルを通じて、多くの人々に知っていただきたいという思いから、大阪の若手弁護士約60名が、呼びかけて企画され、今回が5回目となります。
今回のミュージカル「無音のレクイエム」の舞台は、戦前、戦時下の大阪千日前で、映画作りを目指す若者たちが主人公です。
制作は、大阪で活動をされている「劇団往来」です。
今年の出演者も、全て一般市民です。6歳児から76歳まで、80人以上の市民の皆さんが、毎週土、日に、合計150時間を超える稽古を積んで、今日のこの舞台を迎えました。日本国憲法が施行されて、今年で70年になります。日本はこの70年間、一度も戦争をしませんでした。70年間も戦争をしなかった国は、国連加盟193カ国のうち8カ国しかなく、アジアでは日本とブータンだけだそうです。先進国では、もちろん日本だけです。これは、憲法が前文で「平和のうちに生きる権利」をうたい、第9条で「戦争の放棄」「戦力を持たない」と定めたからです。
70年間戦争が行われなかったのはよいことですが、出征や空襲、沖縄戦などで大変な思いをされた経験をお持ちの方が80歳、90歳となられ、戦争体験を語り継ぐことは難しくなっています。それに、戦争は、ある日突然始まるのではありません。それまでの政治や経済、社会の動きや雰囲気の中で流れが作られていって起こるものだと思います。
もうすぐ衆議院選挙が始まろうとしていますが、自民党、公明党、希望の党、維新の会は、様々なニュアンスの違いはありますが、憲法改正を公約に掲げています。日本国憲法は、今大きな曲がり角に立っているのです。
このミュージカルは、実際にこの大阪で起こったことに基づいて作られています。世代を超えてこのミュージカルをご覧になっていただき、戦争というものの意味、今回の題名である「無音のレクイエム」の意味、そして日本国憲法の意味を考えていただけるならば、これにまさる喜びはありません。
それでは、ゆっくりとご鑑賞ください。

内容は、昨年を上回る、素晴らしい出来だった。例えば、戦前もあった在日朝鮮人に対する差別や、日本の軍隊が海外では加害者であったという視点を取り入れたり、登場人物が客席の後ろから登壇するなど、随所に新たな工夫が見られた。
主役のお二人の演技や歌はもちろん、在日三世の弁護士である金星姫さんの踊りや演技もとてもよかったし、他のたくさんの出演者の演技や台詞もすばらしく、十分に堪能させていただいた。
全体に、昨年より大幅にバージョンアップしていた印象を受けた。
出演者全員の熱のこもった公演を観て、改めて1日2公演を4日連続で行うことの大変さを思ったが、それも、あと10月9日(月・祝)の2公演を残すのみとなった。
今回の「無音のレクイエム」の大成功を、心から願っている。
※画像は上から
①今回のパンフレットの表紙
②7人の共同代表からの一言のページ
③大阪大空襲後の様子。堂島朝日新聞社から東方向に写したもの。右手に映っているレトロ調の建物は旧大阪市役所、その手前の橋は大江橋。
④今回のミュージカルの舞台になった千日前の映画館、常盤座が空襲で破壊された写真。窓ガラスの破壊が空襲のすさまじさを物語っている。(③、④は「ピースおおさか」の展示より)
⑤「国防婦人会」の皆さん
⑥金星姫さんと
⑦瞳梨音さんと
⑧ヒロインの北小路まなさんと
⑨帰り道、大阪城公園駅近くの橋から大川を臨む
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