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2017年11月 4日 (土)

No.329 過労死防止啓発シンポ大阪会場、参加者・内容とも充実

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 連休前日の11月2日、大阪・梅田にあるコングレコンベンションセンターで「過労死等防止対策シンポジウム大阪会場」が開かれた。
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 2014年に成立・施行された過労死等防止対策推進法(過労死防止法)は、毎年11月を過労死等防止対策推進月間と定め、毎年11月を中心に国(厚労省)主催で各地でシンポジウムが行われることになった。4回目となる今年、ついに全47都道府県+中央会場の計48の会場でシンポジウムが実現することになっている。
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 国主催といっても、実質的には各地の過労死家族の会、過労死弁護団、各種労働団体等が地元の労働局と協力し合って準備をする。大阪では、これらの要である過労死防止大阪センターが準備を担ってきた。
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 大阪では、昨年は、電通の高橋まつりさんの過労自死事件が大きく報道された直後ということもあって、486人という全国一の参加者があった。今年はどうかなあと少し心配もあったが、ほぼ昨年に近い参加者があった。その大半が企業からの参加者と見受けられ、啓発活動が大きく広がっていることを実感した。
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 シンポジウムは、大阪労働局の小島敬二労働基準部長の主催者あいさつの後、大阪労働局労働基準部監督課の神田哲郎主任観察監督官から、「大阪労働局の過労死防止の取組」と題して、詳細な報告がなされた。大阪で30年にわたって労働基準監督官として監督行政を担当してこられた方だけに、大阪への熱い思いを感じた報告だった。
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 続いて、大和田敢太滋賀大学名誉教授が「過労死とハラスメント」と題して基調講演をされた。大和田先生のお話で、次のようなことが印象に残った。

・日本では企業経営のあり方・構造的原因から長時間労働・過重労働とハラスメントが生まれていて、この2つが「負のスパイラル」となって過労死・過労自殺を発生させている。
・ハラスメントとは、「労働者に対して、精神的又は肉体的な影響を与える言動、措置、業務によって、人格や尊厳を侵害し、労働条件を劣悪化しあるいは労働環境を毀損する目的又は効果を有する行為や事実」と広くとらえるべきである。
・過労死・過労自殺させるような長時間・過重労働をさせること自体がハラスメントである。
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・ハラスメントは企業経営のあり方から生まれるもので、対人関係の問題と捉えるべきではない。被害者は企業内ではハラスメントから逃れられないし、実行者は企業の中によく溶け込んでいて十便な信頼を得ているため、その行動を容易に正当化する。
・パワハラという言葉は、パワーそのもの(教育・指導)自体は悪いものではなく、その行き過ぎが悪いという誤った考えを助長する。
・「パワハラにならない指導や叱り方」や「どのような行為がパワハラにあたるか」という発想自体が、加害者側の立場に立つものである。
・ハラスメントは、社会的な問題としての法規制と、企業経営にかかわる問題として経営責任により廃絶することは可能である。
 このように、気づかされることが多いお話であった。
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 休憩の後、過労死防止全国センターと大阪センターの共同代表でもある関西大学名誉教授の森岡孝二先生から「過労死防止法制定から3年、取組と現状」と題する報告がなされた。1988年の最初の「過労死110番」での相談者アンケートの照会から、労災請求状況にもる過労死の現状、過労死防止法成立の経緯などを話され、最後に「賢い労働者になろう」と呼びかけられた。

 続いて4人の過労死遺族から、自らの体験に基づく過労死防止の訴えがあり、どのお話も参加者の心を打った。
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 最後に、過労死防止大阪センターの共同代表でもある松丸正弁護士が閉会のあいさつ。その中で松丸弁護士は、労働基準法の労働時間規制は岩盤規制ではなく既に液状化している。労働時間の適正把握をしないまま自分の会社を評価するのは、壊れた体温計で体調をはかるようなもの。今や、過労死・過労自死を発生させることは、企業価値そのものを損なう時代になっていると訴えた。

 同じ日に、神奈川と栃木でもシンポジウムが行われた。これから各地で次々とシンポジウムが行われる。
 各地のシンポジウムの日時・内容・申込みは、こちらに掲載されているので、ぜひご参加ください。


 ※画像は上から、
 ①今年度の大阪会場のチラシ(表)
 ②会場の様子
 ③司会を務めてくださった坂口智美さんと山中有里弁護士
 ④主催者あいさつをされる小島敬二さん
 ⑤報告をされる神田哲郎さん
 ⑥基調講演をされた大和田敢太先生
 ⑦大和田先生のレジュメより
 ⑧報告をされる森岡孝二先生
 ⑨閉会あいさつをされる松丸正弁護士


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