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カテゴリー「5-3 映画・テレビ」の12件の記事

2020年3月 8日 (日)

No.354 映画「新聞記者」が日本アカデミー賞を総なめ!

 映画の話題が続いてしまうが、3月6日、第43回日本アカデミー賞授賞式が行われ、昨年6月~7月にかけて公開された映画「新聞記者」(藤井道人監督)が優秀作品賞、優秀主演男優賞(松坂桃李)、優秀主演女優賞(シム・ウンギョン)の主要3部門を総なめにした。200308


 この映画は、東京新聞の記者である望月衣塑子さんの同名の本を素材に、若手女性新聞記者と内閣情報調査質の若手エリート官僚の対峙と葛藤を描いたものである。

 望月記者自身が当時(今も)安倍政権から相当バッシングされていたばかりでなく、おそらく現政権への忖度から、テレビなどではほとんど紹介されず、また宣伝・広告も目立たなかったが、ぜひ観てみたいと思い、昨年7月18日に大阪ステーションシネマで観てきた。

 主演のお二人を始めとするキャストの好演も、息もつかせぬストーリーも、素晴らしかった。

 映画自体はフィクションだが、公文書偽造に関わった官僚が自殺したり、総理のお友達のもとに莫大な学部新設利権が転がり込んだり、薄暗い部屋の中で若手官僚たちが政権に不都合なニュースをコントロールしている場面があるなど、現政権の数々の「闇」を想起させるストーリーであるうえ、映画の中のテレビの討論番組で、望月記者と元文部科学事務次官の前川喜平氏が討論している場面も入っているなど、現政権に対する批判的な視点を隠そうとしない映画であった。また、作り出された「嫌韓ブーム」の中で、ヒロイン(吉岡エリカ)に韓国人のシム・ウンギョンさんを採用したことも、思い切った決断だったと思う。

 にもかかわらず、SNSや口コミで評判が広がったこともあり、観客動員は尻上がりに増え、観客動員は40万人、興行収入5億円を突破したとのことである。

 そこに、今回の日本アカデミー賞の受賞である。

 私は、主要3部門をこの映画が総なめしたのもうれしいが、アカデミー賞に政権への忖度がなかったことが同じくらいうれしい。

 この映画でもう一人の主演(杉原拓海役)を務めた松坂桃李さんがこの役を受けるとき、迷いがなかったとしたら嘘であろう。授賞式では、ウンギョンさんは号泣し、松坂さんの目も、心なしか潤んでいるように見えた。200308_20200308210401

 先月、韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が、第92回アカデミー賞で韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が作品賞、監督賞、脚本賞などをを制覇して話題になった(私も2月22日に観てきた)。

 私は、映画について多くを語るだけの知識も経験も持ち合わせていないが、少なくとも時の政権に忖度せずに「新聞記者」を選んだ日本の映画界も、まだまだ捨てたものではないと嬉しく思う。

 これを機に、映画「新聞記者」を、もっともっと多くの人たちに観てほしいと思う。

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2020年2月 9日 (日)

No.352 男はつらいよ お帰り寅さん!

 久々にブログを再開して、いきなり2回連続で映画の話で恐縮だが(誰も気に留めてもいないと思うが)、2月9日(日)、また映画を観てきた(なお、先週も「キャッツ」を観てきた)。その名も「男はつらいよ お帰り寅さん」。

200210  実は、私はこれまで「寅さんシリーズ」は一度も観たことがなかったのだが、なぜか今回は、どうしても観たかった。シリーズ開始から50年、最後の49作目から23年、渥美清さんが亡くなってから24年にもなるのに、その寅さんがCGで登場するということへの興味に加えて、半世紀にわたって寅さんの映画を作り続けてきた山田洋次さんの、寅さんシリーズの集大成、さらには山田洋次さん自身の映画人生の集大成になるかもしれないと思ったからである。

 もう、いつも行く「TOHOシネマ鳳」では上演は終了していて、わざわざ早起きして天王寺のアポロシネマまで一人で足を運んだ。これ自体、私にとっては異例なことである。

 実際に観始めると、なぜか涙がとまらなかった。数十年前の登場人物がみんないまはおじいちゃん、おばあちゃんになっている。その人たちが若かった時代の寅さんシリーズの映像と、地続きで行ったり来たりする。それ自体、年齢を重ねるということの意味をしみじみと感じさせる。

 とりわけ、高校時代に初恋で好き同士だったが結ばれなかった満男(吉岡秀隆)と泉(後藤久美子)の2人が(おそらく)二十数年ぶりに出会う。既にその後の人生を重ねてきている2人の切ない思いが胸を締めつける。それを、単にセンチメンタリズムに終わらせず、女性の働き方や、家族が介護できない今の高齢者問題ともリアルに絡めるところが、山田洋次監督のすごいところだと思う。

 それぞれの登場人物が、それぞれの思いを持ちながら、それぞれの人生を歩んでいる。それを描く山田洋次さんの根っこにある人間愛、性善説が、涙が止まらなかった理由ではないだろうか。
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 それに加えて、かつてのヒロインたちも登場する。今回生で登場するリリー(浅丘ルリ子)のほか、新珠三千代、栗原小巻、長山藍子、吉永小百合、八千草薫、岸恵子、十朱幸代、大原麗子、香川京子、伊藤蘭、松坂慶子、いしだあゆみ、田中裕子、竹下景子、風吹ジュン、etc、etc・・。既に鬼籍に入った女性も含め、みんな若く、美しい。これだけの贅沢な映像を、現在と地続きの形で惜しげもなく見せられたことも、涙の原因になったと思う。

 観客は、私と同世代以上(60代、70代)の人たちが多かったように思うが、あちこちで涙をすする音が聞こえた。

 映画終了後に入口で売っていたパンフレットを買ったが、ものすごくいい買い物だった。寅さんをめぐる人物関係図のほか、山田洋次監督や登場人物(渥美清さんも含めて)の見開き2ページのコメントに加えて、第1作から今回の第50作までのすべてが紹介されているのである。これで1200円は安すぎる。

 それにしても、昔は寅さんなどというと、何かダサいような感じがしたが、今回の映画を観て、今まで観なかったことが何か大きな損をしたような気がした。同じように、かつてはダサい感じがした美空ひばりや北島三郎の演歌を聴いて、最近はホロッとすることがある。

 要は、私も歳をとったということだろうか。
 改めて、寅さんシリーズを最初から観てみたくなった。

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2020年2月 3日 (月)

No.351 「アナ雪2」はなぜ楽しめるのか

 約10か月ぶりの投稿です。 1月下旬、映画「アナと雪の女王2」を観てきました。2014年秋に公開され全国で「アナ雪」ブームを巻き起こした前作の続編です。

 前作と同様、映像の美しさ、リアルさはハンパじゃないです。特に登場人物の表情やしぐさの細やかさ、水や岩などの自然のリアルさに驚きます。

 ストーリーはネタバレになるので控えますが、大人も楽しめるお伽話という感じです。

 この年になって思うのですが、このような作品が全世代に受けるのは、そこに現代的なテーマが隠喩され、共感されるからではないでしょうか。

 自分のルーツを知りたい。そのために危険を冒しても未知の世界に飛び込んでいく。姉妹がお互いに相手を思い、助け合う。

 氷の馬を乗りこなして海を駆け、何でも凍らせてしまう魔法を使いこなして戦うエルサは本当にカッコいいです。

 また、2人の女の子が徹底して主人公。アナにプロポーズしたがっているクリストフはアナに置いてきぼりにされるし、アナと結婚しても、新しく女王になるのはアナでした(笑)。一昔前の「白馬に乗った王子様がお姫様を助けにくる」というコンセプトとは正反対。これも、今の時代を反映してるんだろうなと思いました。あ、結構ネタバレ書いてしまった。

 前作の主題歌「Let It Go(ありのままに)」もよかったけど、今作の「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」もとってもいいですよ。こんなに絶叫して歌えたらストレス発散できそう(笑)。

 皆さんも、よろしければ観に行ってください。

【追伸】

この作品について、小笠原 遥さんという方の、次のようなレビューを見つけました。

興味深かったので、一部を引用します。

『アナと雪の女王2』はなぜ“大人向け”の作品だと感じるのか?「姉妹愛」のウラで描かれていたこと【考察】

①「ところで、2019年に公開されたディズニー全作品を観た筆者が振り返って分析してみると、とても興味深いことに気が付いた。

ヒットした作品の大半が、主人公を通して、人生における“生きづらさ”を描いていたのだ。」

「当然、子どもたちが楽しめるように作られてはいるが、最近のディズニー作品は、ある程度の年月を生きて、それぞれの“生きづらさ“を抱えた大人こそが、物語の主人公に感情移入できるような気がする。」

②「一方で見過ごすことができないのは、続編では、迫害や強制排除といった「民族浄化」の問題が色濃く描かれていたことだ。

自分にだけ聴こえる“不思議な声”の正体を突き止める旅で、エルサは“ノーサルドラ”と呼ばれる、先住民族の住む場所へと辿り着く。

この先住民族は、自然の守り神からの恩恵を受けながらひっそりと暮らしていた。

元々エルサの祖父が納めていたアレンデール王国とノーサルドラは、かつて友好関係を結んでおり、その証として大きなダムが建設された。

だが、物語が進んでいくと、ダムが建てられた真の目的は精霊の力を弱めて先住民を迫害し強制的に排除することであり、エルサは祖父がノーサルドラ民族の長に罠を仕掛けたという事実を知ることになるという、衝撃の展開が待っていた。

もっとも、このノーサルドラという民族はもちろんフィクションだが、実はモデルが存在する。

ノルウェー・スウェーデン・フィンランドなどの北欧やロシア北部などに住む先住民族「サーミ」だ。

北海道を主な居住圏とするアイヌ民族やネイティブ・アメリカンといった先住民と同様、サーミにも、北欧の他の民族からの差別や迫害に苦しめられてきたという負の歴史がある。

19世紀に入ると、北欧の国々はトナカイの放牧を生業とする移動民族であるサーミに対し、独自の文化や言語を放棄させようと同化政策を進めてきたのだ。

ディズニーは、『アナ雪2』を制作するにあたって、サーミの文化を尊重し、彼らの生活を作品により反映させるため、彼らと契約まで結んでいたのだ。」

「『アナ雪2』は、“姉妹愛”をベースに前作で描かれたエルサの“生きづらさ”を繊細に描くことはそのままに、さらに“多様性”という視点を入れたことで、より一層見応えのある大人向けの物語となったのだ。」

 ①については、私が感じたことと関連しますね。数年前の「かぐや姫の物語」も、ちょっと似ていた感じがします。

 ②については、まったく知りませんでした。すばらしいと思います。日本ではどうでしょうか?

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2018年12月31日 (月)

№348 2018年 私の6大ニュース【プライベート編】

 次は、プライベート編である。

【第1位】孫が大きくなり、「ジジバカ」の度合いがいっそう高じていること
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 昨年7月16日に生まれた初孫のたくちゃんは、その後順調に大きくなり、1歳5か月となった。ようやくよちよち歩きをするようになり、歯もかなり生え揃ってきた。まだ言葉は話せないが、お愛想笑いをしたり、嘘泣きをするなど、かなり高度な(笑)意思表示をするようになってきた。屈託のない笑顔に癒され、くしゃくしゃにした泣き顔にこちらも泣きそうになる。
 平均すると月に1回来るか来ないかだが、今はLINEで写真や動画を送ってもらったり、i-Phoneのフェイスタイムでテレビ電話もできるので、日々成長を楽しむことができる。
 子どもはこんなに可愛がられて大きくなるのに、なぜ学校に行くようになるといじめられたりするのだろうか。すべての子どもたちが健やかに育ち、生まれてきてよかったと思える社会になってほしい。

【第2位】フォークグループを作り公式の場で歌ったこと
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 昨年5月から高校時代の友人と後輩弁護士との3人でフォークバンド「いこらーず」を作って、月に1回程度集まって練習するようになったが、今年に入り、いこらーずとして3回、今里フォークジャンボリーに出場した。なお、(2)からメンバーに中・高の同窓生のU君が加わり4人になった。
 (1) 1月13日(今里ライブハウスにて)
   ①白い鳥にのって ②街 ③さすらい人の子守唄 ④ぼくの夢
 (2) 8月25日(今里ライブハウスにて)
   ①花嫁 ②岬めぐり ③遠い世界に
 (3) 10月7日(大阪城野外音楽堂にて)
   ②365日の紙飛行機 ②涙そうそう ③ぼくの夢

 また、いこらーず以外でも、親しい友人と一緒に、次のように歌う機会があった。
 (1) 3月5日、私の事務所のゆうあい会総会で、同じ事務所の安田知央弁護士と「翼をください」ほか4曲
 (2) 4月7日、大阪過労死家族の会総会で、寺西笑子さんと「ぼくの夢」
 (3) 6月22日、働き方ASU-NET総会で、齋藤富美代さんと「人生の扉」ほか5曲
 (4) 8月12日、中学校の同窓会で、同窓生の仲間2人と「恋人もいないのに」ほか4曲
 (5) 11月9日 友人の田中俊さんの還暦&結婚を祝う会で、中森弁護士・齋藤富美代さんと「人生の扉」「たんぽぽ」

 こうしてみると、1年間で意外と多くの場で歌うことができたことを嬉しく思う(なお、去年の8月11日の中学同窓会でも同窓生2人と「あの素晴らしい愛をもう一度」ほか3曲、年末の大阪過労死家族の会の忘年会でも寺西笑子さんと「ぼくの夢」を歌った)。
 一人での練習もグループでの練習も楽しいが、やはり人の前で歌う場があると引き締まるし、当日ミスをしたことも含めて自分の到達点がよくわかり、励みになる。
 なお、私の地元の小学校のPTAの役員をした友人たちとも近々グループを作って練習を始める予定である。
 来年はどれだけ機会があるかわからないが、楽しみながらマイペースでやっていきたいと思う。

【第3位】モンゴル旅行に行ったこと
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 7月23日~27日まで4泊5日で、お世話になっている医師の松葉先生ご夫妻と一緒にモンゴルに行った。モンゴルで快適に過ごせるのはこの時期の数か月しかないとのこと。山々や草原が美しく、また壮大なモンゴル帝国の歴史にも触れることができた。人々は人懐こく、外見も日本人とよく似ていて親近感を覚える。勧められていただいた「チンギス・ウオッカ」がとても気に入り、お土産にも買って帰国後も楽しんだ。

 このほか、札幌での過労死防止学会の翌日6月4日から7日まで、3泊4日で道東をドライブして楽しんだ(№338№339参照)。

【第4位】例年よりも多くの映画を観たこと
 なぜか今年は、映画を例年よりもたくさん観た。
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 ①3/11 北の桜守(TOHOシネマ鳳)
 ②4/22 ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文(TOHOシネマ鳳)
 ③5/6 タクシー運転手(梅田ブルク7)(№335参照)
 ④5/12 第9条(大阪弁護士会館)
 ⑤5月中旬 マルクス・エンゲルス(大阪ステーションシネマ)
 ⑥6/24 万引き家族 (TOHOシネマ鳳)
 ⑦7/29 空飛ぶタイヤ(TOHOシネマ鳳)
 ⑧11/18 華氏119(大阪ステーションシネマ)
 ⑨12/09 ボヘミアン・ラプソディ (TOHOシネマ鳳)
 どれも大変良かった。他にも1,2本観たかもしれないが、思い出せない。

【第5位】演劇やミュージカルを鑑賞したこと
 「パブリック編」の憲法ミュージカル「憲法のレシピ」のほか、次のようなものを観た。
 ①10/13 ジャンヌダルク 〜ジュテームを君に(劇団往来)
 ②11/16 よいではないか21(劇団まげもん 時代劇コメディ)
 ③12/15 鶴彬─暁を抱いて(劇団きづがわ)
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 ①・②も十分に楽しむことができたが、最後の「鶴彬─暁を抱いて」はとても良かった。恥ずかしながら、小林多喜二は知っていたが、鶴彬は知らなかった。川柳の内容だけで検挙され、獄死させられた時代があったことは、もっと広く知られるべきだと思う。主役の方をはじめ、皆さん大変お上手で、完成度の高い劇だった。

【第6位】コンサートにもいくつか行ったこと
 上記の反面、今年はコンサートに行った回数は少なかった。
 12/16 南こうせつ(NHK大阪ホール)
 12/20 ZERO(堺市西区ウェスティ)
 南こうせつさんは、歌もうまいがトークも楽しい。会場いっぱいの観客は、最初から最後まで大変なノリだった。
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 ZEROは、「冬のソナタ」に続いて2003年から2005年ころにかけて日本で爆発的にヒットした、韓流ドラマ「美しき日々」の主題歌などを歌った韓国のシンガーである。私はこのころの韓流ドラマが好きで、主題歌や挿入歌もよく聴いていたので、自宅から近いウェスティホールに来るのを知って、すぐにチケットを申し込んだ。「冬のソナタ」の主題歌を歌ったRyuもそうだが、歌の上手さがハンパではない。人柄もいい感じで好感が持てた。
 あと、1月28日に、親しい三浦直樹弁護士のグループのミニコンサートにも行った。学生時代からずっと続けているとのことだが、長髪を振り乱して演奏するピアノはプロはだしの腕前である。

 還暦を迎えて2年が過ぎた。そういつまでも楽しめるわけではないから、一つひとつの機会を大切にしながら、楽しんでいきたいと思う。

 ※画像は上から
 ①孫のたくちゃん(12月23日)
 ②大阪城野音で歌う「いこらーず」
 ③モンゴルで、松葉先生と(松葉先生ゴメンナサイ)
 ④映画「タクシー運転手」のポスター
 ⑤「鶴彬」終了後、出演者の人たちと
 ⑥ZEROさん(夢グループのサイトより)

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2017年9月11日 (月)

No.325 42年後に観た「タワーリング・インフェルノ」

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▼8月19日にBSで放映された映画「タワーリング・インフェルノ」の録画を、この週末に観た(表題の意味は、「そびえ立つ地獄」とのことである)。
 この映画は、1974年のアメリカ映画で、私が大学受験浪人中だった1975年に日本で公開され、当時の洋画ヒット作の最高を記録したという作品である。
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▼舞台は、サンフランシスコに建設されたばかりの地上550m、138階建ての巨大ビル「グラスタワー」。
 その135階のプロムナードホールで、300人の来賓が招待され、落成式のパーティーが行われている時、81階の物置室の配電盤のヒューズから発火し、火災が発生。
 このビルの設計者はダグ・ロバーツ(ポール・ニューマン)であったが、火災の原因は、オーナーの娘婿であるビルの建設責任者が、オーナーから経費削減を迫られ、ダグの設計に違反して、電機系統工事を手抜きし、また使用する配線の規格を落としたことにあった。
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▼消防隊長のマイケル・オハラハン(スティーブ・マックイーン)は、だんだんと下から火の手が上がってくる中で、一人でも多くを助けようと、①海軍ヘリによる空からの救援(これは強風で屋上に着陸できず、炎上し失敗)、②隣接ビルとの間にロープを張って救命カゴを作り、一人ずつ救助(これは成功したが一人ずつしか運べず、途中で順番争いが起きて転落)、③外部エレベーターの一回限りの手動降下(12人の女性と子どもが乗ったが、途中の爆発の影響で宙づり停止するも、カゴをヘリでつり上げて地上に降ろすことに成功)などを次々に試みたが、④最後に、屋上の貯水槽を爆破することによって、多くの犠牲者を出しながらも火災を一気に鎮火することができた。

▼日本公開の42年後の今、この映画を観た感想をいくつか。

①特撮の迫力がすごい。当時はまだCG(コンピューターグラフィック)技術がなかった中で、これだけの撮影がなされたことに驚く。

②弁護士として欠陥建築問題に関わっていることから、経費節減のための手抜き工事が原因となったこと、これに対して建築責任者は「建築法には違反していない」と反論していたことが興味深かった。また、吹き抜けになっているパイプスペースに階段がないのかとか、屋上の貯水槽の爆破で火が全部消せるのか(それに、結果論かもしれないが、それができるなら最初からそうしたらよかったのではないか)、といったことにも関心を持った。今度、知り合いの建築士さんに聞いてみよう(笑)。
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③巨大ビルの外観を見て、2014年3月にオープンした「あべのハルカス」を思い出した。改めて調べてみると、あべのハルカスは高さ300m、地上60階(地下5階)建てなので、映画のグラスタワーの半分程度である。グラスタワーの規模がいかに大きいかがわかる。

▼2人の主役のその後が気になり調べてみたら、消防隊長役のスティーブ・マックイーンは1980年に50歳の若さで、設計者役のポール・ニューマンは2008年に83歳で、いずれも亡くなっていた。マックイーンの死因は胸膜中皮腫であり、その原因は海兵隊に在籍中の大量のアスベスト曝露であった可能性があるという。アスベスト禍はこんなところにもあったのである。

▼この映画は、2年前の1972年12月(日本では1973年3月)に公開され、同じくパニック映画として大ヒットした「ポセイドン・アドベンチャー」(津波で転覆した巨大豪華船の中で、パニック状態に陥った乗客たちが脱出をめざすストーリー)と同じ製作者によるもので、その特撮技術が応用されたという。
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 主題歌についても、ポセイドン・アドベンチャーの主題歌「モーニング・アフター」(The Morning After)を歌ったモーリン・マクガヴァンが、この映画の主題歌「We May Never Love Like This Again」を歌っていて、映画の中でも歌う場面で登場している(ちなみに、「ポセイドン・アドベンチャー」は、私が高校2年生の時に現在の妻と一度だけ一緒に観に行った映画であり、その意味でも忘れられない映画である)。

 42年の長さを思うが、良い映画の持つ普遍性にはそれを超えるものがあると、改めて思った。

 ※画像は上から
 ①映画の中に出てくる「グラスタワー」
 ②燃える「グラスタワー」
 ③「タワーリング・インフェルノ」のポスター
 ④映画の中で主題歌を歌うモーリン・マクガヴァンさん
 ⑤あべのハルカス

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2016年12月26日 (月)

No.302 主人公のキャラが架け渡す70数年前と現在──アニメ映画「この世界の片隅に」

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 11月12日に封切られた後SNSで拡散され、立ち見や上映終了後拍手が起こるなど大人気となっているという、アニメ映画「この世界の片隅に」を、ようやく観てきた。

 封切り当初は梅田と尼崎くらいしか上演館がなかったが、ここ最近増え始め、ついに堺の「MOVIX堺」でも始まったことと、年末の連休のタイミングが合ったことから、自宅から少し離れてはいるが車で出かけることにした。
 100席ほどの座席の半分くらいが埋まっていただろうか。9月に観た「君の名は。」ほどではないが、特に大々的にコマーシャルがなされているわけでないのに、これだけの観客がいるというのはすごいことだと思う。
 客層としては、どちらかといえば中高年が多かったような気がする。小学生くらいの子どもを連れた家族連れもいた。
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 感想であるが、事前に「感動した」「涙が止まらなかった」という声を聞き過ぎていたためか、私の場合は「とても良かったが、想定の範囲内かな」みたいな感じだった。

 以下、ネタバレにならない程度に、私の感想をメモしておきたい。
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・主人公のすず(声は のん(旧名 能年玲奈)さん)の天然のおっとりした声が、全体の基調を作るのに成功している。
・風景もパステル画のようで、アニメ内でマンガも取り入れるなど、現実と空想が混じり合うような、独特の感じが出ている。
・オープニング曲の「悲しくてやりきれない」(作詩サトウハチロー、作曲加藤和彦)をはじめとする映画内の歌(コトリンゴさん)も、見事にマッチしている。
・当時の一般市民の生活が、一般市民の目線で描かれていて、世代を超えた共感が得られる。
・日常会話や恋愛が、現代の若者たちと同じ感性で描かれている。
・それだけに、呉市の空襲や原爆投下後の広島市内の様子などを、観客がリアリティをもって感じられる。
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 ただ、一方で、「当時の空襲(焼き尽くし、殺し尽くす)の悲惨さや、一瞬で十万人以上が亡くなった原爆の凄惨さはこんなものではない」とか、「当時の軍国主義の思想・社会統制の中で、北條家(すずの嫁ぎ先)は牧歌的すぎないか」、「当時の男尊女卑の社会風潮の中で、すずと周作との夫婦関係の対等平等さは現実離れしていないか」といった批判もあり得ると思う。

 とはいえ、このような現在の生活感や恋愛観が基調になっているからこそ、70数年前と現在が連続性をもって感じられることもまた、疑いがないだろう。

 今、このアニメ映画が口コミで爆発的にヒットしているのは、戦後70年が過ぎ、戦争の記憶が薄らぐ一方で、今なお世界各地で一般市民が巻き込まれる戦争が続き、また日本の平和憲法が骨抜きにされつつある現状下で、戦争というものを感覚として実感したいという社会意識もあるのではないだろうか。

 この映画が、大手の映画会社の制作でなく、クラウドファンディング(一般市民からの資金調達)によって制作され大成功を収めたというのも、市民運動にシンパシーを覚える私にとっては嬉しいことである。

 年末年始、多くの方々にこの映画を観てほしいと思う。


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2016年9月21日 (水)

No.295 「絶望の中でも希望を」──アニメ「君の名は。」人気の理由

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 3連休中日の9月18日(日)、今話題のアニメ「君の名は。」を観てきた。
 8月末に観た「シン・ゴジラ」と並ぶ今年最大のヒット作と聞いていたが、事前の予備知識をまったく持たずに出かけたので、かえって新鮮だった。

 驚いたのは、午後9時半ころからのレイトショーなのに、席が7割方埋まっていたこと。こんなにたくさんの観客を見るのは昔、子どもたちを連れて夏休みに観に行った「ジュラシックパーク」以来のような気がする。
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 作品は、まず、ストーリーが意外性があって面白い。思春期の同世代の男女が入れ替わるという展開、どこの誰かもわからない相手への想い、地方の山深い田舎での生活と大都会での生活の対照、地球に最接近した彗星の一部が分裂して落ちてくるというSF性、大惨事を知った男の子(立花瀧)が過去にいる女の子(宮水三葉)に入れ替わって救出しようとするタイム・パラドックス、それぞれ仲間の友人たちと力を合わせて運命(大災害)や権威(父親)に立ち向かっていく友情、神社や組ひも、黄昏(たそがれ)時といった神秘性など、楽しめる要素が満載である(もちろん、厳密に考えれば理屈上での突っ込み所はいろいろあるが、それを議論するのも楽しいだろう)。
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 それに加えて、大都会の喧騒や田舎の懐かしい風景、天空を横切る彗星など、絵が実に美しい。日本のアニメの美しさを改めて実感する。
 そして、作品全体が、スピード感と音楽性、リズム性にあふれていて、ノリがいい。

 ストーリーが、最後の最後までハラハラさせたうえで、ハッピーエンドになるのも気持ちがいい。最後に2人が揃って「君の名は?」というセリフでエンディングというのもニクい。
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 私がこの映画を観た翌日の9月19日(月)には「ニュース23」で、翌9月20日(火)には「報道ステーション」でもこの映画が取り上げられていた。
 開始後1か月で既に観客動員は690万人、興業収入は91億円を突破したとのことである。

 「報ステ」でインタビューに応じた新海誠監督は、「今の生活が明日どうなってしまうかわからない」という不安をみんなが感じている中で、「希望を持ってポジティブに今を生きよう」という思い(絶望の中での希望)を伝えたかった、それを求める若い人たちの心の穴にちょうどはまったと思う、という趣旨のことをおっしゃっていた。
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 そのように考えると、この映画は、東日本大震災や熊本地震などの自然災害や無差別殺人などによって人々が感じている暗い空気の中でも、希望を持って挑んでいきたいという「時代的気分」と重なり合ったのかもしれない。その意味では、「ありのままで」「自分を好きになって生きたい」というメッセージが共感を読んだ、一昨年の「アナと雪の女王」の大ヒットと共通するものがあるのではないだろうか。

 そうだとすると、この「君の名は。」は、今後いっそう「国民現象」になっていく可能性もある。
 そんな話題性十分のこのアニメ、皆さまもぜひご覧ください。


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2014年8月14日 (木)

No.202 初体験の“3D”で、「GODZILLA ゴジラ」を観てきました!

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 8月13日、地元の映画館で、初めて“3D”で、「GODZILLA ゴジラ」(2014年アメリカ、ワーナー・ブラザーズ映画)を観てきた。

 予想していたとおり、3Dの立体感・遠近感はすごかった。特に、この種の怪獣ものやアクションものの場合に、効果は大きく、癖になりそうである。
3D用メガネで眼が疲れないか、私の場合メガネをかけている上から3Dメガネをかけることになるが支障はないか、といった心配もしていたのだが、それほどでもなかったのでよかった。

 映画の中身についてであるが、最新のCG(コンピューター・グラフィックス)の技術に上記の3Dの迫力が加わり、娯楽映画としては十分に楽しむことができた。
特に、ムートー(放射線をエネルギーとし核燃料や核爆弾を捕食する昆虫の怪獣で、今回のゴジラの敵である)とゴジラとのバトルのシーンは圧巻である(ただ、ハワイを襲う津波の様子は、東日本大震災で実際に起こった光景を思い出して、ちょっとつらかった)。

 もっとも、ストーリー的には「?」が付くことも多かった。
・核兵器や原発と人類の共存について、何らかのメッセージが込められているのかもしれないが(放射性廃棄物処分場からムートーが羽化したり、芹沢博士(渡辺 謙)の父親が広島で原爆死したなど)、もう一つはっきりしなかった。
・妻を15年前の原発事故で亡くし、執念を持って原発事故の原因を追及してきたたジョーはムートーの羽化の際に重傷を負い死んでしまうが、息子のフォードと一緒に父子でムートーと闘う展開の方がよかったんじゃないかなと思った。
・2頭(2匹?)のムートー(「つがい」(番)の夫婦である)となぜゴジラが闘うのかが、よくわからなかった(ゴジラはムートーの天敵?)。
・最後、フォードがタイマーを解除できなかった核弾頭はどうなったのか? 時間的には数キロ先のサンフランシスコ湾沖で爆発したはずだが、その場面がないし、もし爆発したらその被害は半端じゃないはずである(そうなるくらいなら、ムートーに食べてもらった方がよかったんじゃないだろうか(笑))。

 とはいえ、子どもたちも含めて一緒に楽しむ娯楽映画なんだから、あんまり難しい理屈は野暮かもしれない。
3D用のメガネ(1個300円)も今回買ったことだし、これからは時々は、3D映画を楽しむことにしよう。


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2014年1月 4日 (土)

No.160 「かぐや姫の物語」──あの「竹取物語」が「生きること」を問うSFファンタジーに

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 1月3日、スタジオジブリのアニメ映画「かぐや姫の物語」を観てきた。
 昨年8月に観た「風立ちぬ」もよかったが、私にとっては、それに勝るとも劣らないくらいよかった。特に明確な主人公の人間像があるわけではない、古典物語文学の「竹取物語」を、見事なまでのSFファンタジーにし、かつ、「生きるとは何か」を問う人間ドラマに創り上げることに成功している。

 詳細な紹介をすることはできないが、ストーリー性は十分である(ちなみに、月の国で犯した罪に対する罰として地球に送られてきたというのは、昔の手塚治虫の漫画「W3」(ワンダースリー)をふと思い出した)。
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 一方で、養親のエゴや、男性の求愛の欺瞞性も描いている点では大人向けともいえるし、そのような愚かさも含めた人間の「生きる営み」を全体として肯定している点では、いわば仏教の悟りのようなものをも感じさせる。

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 また、絵がとてもすばらしい。あえてジブリの他の作品との違いを言えば、主人公の表情や動きの描写が実に豊かである(主人公は絶世の美女であるが、幼女のような愛らしい表情になることもあれば、仁王のような恐ろしい表情になったり、能面のように自分を押し殺した表情になったりする。特に、真夜中に宮中を飛び出して生まれ育った故郷に疾走する場面は圧巻である)。
 また、例えば「風立ちぬ」では写真に近い水彩画であるのに対し、クレヨンのような描線が基調になっていることから、「鳥獣戯画」のように柔らかく、温かい描画になっている。こんな描画が描けるのは、日本のアニメ、中でもジブリだからこそではないだろうか。
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 また、脇役のキャラクターの容姿もとても個性的である。たぶん、実際の声役の俳優に近い容姿にしているのではないかと思う(例えばかぐや姫は朝倉あき、捨丸は高良健吾、翁は地井武男、相模は高畑淳子、阿部右大臣は伊集院光、御門は中村七之助、車持皇子は橋爪功というそれぞれの声役にとても似ている)。

 高畑監督が入社早々から構想していたもので、企画から完成までに8年、製作費50億円を費やしたという。その間に、製作者の氏家齊一郎氏が2011年に亡くなり、「翁(おきな)」(おじいさん)の声役の地井武男氏が、声収録後の2012年6月に亡くなっているのだから、制作に関わった人たちの人生の重みまで感じる作品である。こんな作品を、わずか1000円(夫婦どちらかが50歳以上割引(笑))で観させてもらうのは、少し申し訳ない気がする。

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 また、日本にすばらしいアニメ映画が一つ加わったといってよいだろう。ぜひ、子どもたちだけでなく、大人も含めて、たくさんの方々に観てほしいと思う。

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2013年9月27日 (金)

No.136 ドラマ「半沢直樹」の超人気の理由

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 ドラマ「日曜劇場」の連続ドラマ「半沢直樹」(全10回)が、9月22日(日)の最終回で終了した。
 最終回の視聴率は関東地区42.2%、関西地区45.5%で、今世紀最高、関西地区では歴代民放ドラマ1位だったという。1983年に国民的人気ドラマとなったNHK連続テレビ小説「おしん」で平均視聴率52.6%というから、現在の多局時代を考えると、いかにすごい視聴率であるかがわかる。
 私は「アレは面白いなあ」というクチコミをあちこちから耳にして、ようやく見始めたのが第7回からであったが、確かに面白かった。面白い、というより痛快なのである。
 銀行内部での上司の不正を、同期入社の仲間と知恵と力を出し合って一緒に暴いていく。その過程でピンチに陥るが、危機一髪のところで大逆転をして、悪人を断罪する。
 流行語とまでなった決めゼリフは「やられたら、やり返す。倍返しだ!」
 なぜこのドラマがこれだけ爆発的な人気を得たのだろうか。

 よく言われているようだが、上記のようなストーリーは、基本的に時代劇に近いと思う。「お主もワルよのう」みたいな悪党を、ハラハラドキドキの経過を経て、主人公が最後に打ち負かす。これを、現代の銀行を舞台に設定したという点が新しい。そして、この現代性が、日々上司からのパワハラや理不尽な要求に苦しむサラリーマン層の心を掴んだとされるのである。
 また、「銀行の本来の役割」や「同期入社の仲間同士の友情」なども、今や失われつつあるものを思い出させてくれるのであろう。

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 そのため、ストーリー的には突っ込みどころ満載の無理な部分も含みながらも、最後は痛快な大逆転勝利を収めるだろう‥‥そんな安心感をもって見ていることができるのである。

 しかし、その点からいえば、最終回の終わり方には「?」を感じた人も多かったのではないだろうか。半沢に脅されたとはいえ大和田常務の悪事を証言した内藤営業部長は出向になったのに、巨悪を暴かれた大和田常務は平取締役への降格で済まされる。そして何よりも、「2階級特進」もあるかと囁かれた半沢は、系列の弱小証券会社に出向を言い渡されたのである。
 言渡しを受けた半沢の目の奥の怒りが、その理不尽さを訴えていた。

 これについては、「取締役会で大和田を土下座までさせたのはやり過ぎだったからやむを得ない」という意見もある。しかし、このドラマはそんな常識論を超えた痛快さをウリにしていたのだから、最後に常識論を持ってくるのは一貫性がない。
 また、このような終わり方は原作どおりであり、そこからの更なるリベンジを図る続編が予定されているという情報もある。しかし、このドラマはドラマで一旦完結となるのだから、それなりの種明かしをしておかないと不親切である。視聴者はこのドラマのコンセプトがわからなくなり「はあ?」というようなストレスを感じながら終わらざるを得なくなってしまう。

 とはいえ、全体として、大変面白いドラマであったことは間違いない。そして、「企業のあり方」、「不正を許さない」、「職場の仲間との友情や連帯」といったテーマについて、全国あちこちで議論がなされたとしたら、社会的な意義も決して小さくないと思うのである。

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