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カテゴリー「5-3 映画・テレビ」の8件の記事

2016年12月26日 (月)

No.302 主人公のキャラが架け渡す70数年前と現在──アニメ映画「この世界の片隅に」

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 11月12日に封切られた後SNSで拡散され、立ち見や上映終了後拍手が起こるなど大人気となっているという、アニメ映画「この世界の片隅に」を、ようやく観てきた。

 封切り当初は梅田と尼崎くらいしか上演館がなかったが、ここ最近増え始め、ついに堺の「MOVIX堺」でも始まったことと、年末の連休のタイミングが合ったことから、自宅から少し離れてはいるが車で出かけることにした。
 100席ほどの座席の半分くらいが埋まっていただろうか。9月に観た「君の名は。」ほどではないが、特に大々的にコマーシャルがなされているわけでないのに、これだけの観客がいるというのはすごいことだと思う。
 客層としては、どちらかといえば中高年が多かったような気がする。小学生くらいの子どもを連れた家族連れもいた。
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 感想であるが、事前に「感動した」「涙が止まらなかった」という声を聞き過ぎていたためか、私の場合は「とても良かったが、想定の範囲内かな」みたいな感じだった。

 以下、ネタバレにならない程度に、私の感想をメモしておきたい。
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・主人公のすず(声は のん(旧名 能年玲奈)さん)の天然のおっとりした声が、全体の基調を作るのに成功している。
・風景もパステル画のようで、アニメ内でマンガも取り入れるなど、現実と空想が混じり合うような、独特の感じが出ている。
・オープニング曲の「悲しくてやりきれない」(作詩サトウハチロー、作曲加藤和彦)をはじめとする映画内の歌(コトリンゴさん)も、見事にマッチしている。
・当時の一般市民の生活が、一般市民の目線で描かれていて、世代を超えた共感が得られる。
・日常会話や恋愛が、現代の若者たちと同じ感性で描かれている。
・それだけに、呉市の空襲や原爆投下後の広島市内の様子などを、観客がリアリティをもって感じられる。
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 ただ、一方で、「当時の空襲(焼き尽くし、殺し尽くす)の悲惨さや、一瞬で十万人以上が亡くなった原爆の凄惨さはこんなものではない」とか、「当時の軍国主義の思想・社会統制の中で、北條家(すずの嫁ぎ先)は牧歌的すぎないか」、「当時の男尊女卑の社会風潮の中で、すずと周作との夫婦関係の対等平等さは現実離れしていないか」といった批判もあり得ると思う。

 とはいえ、このような現在の生活感や恋愛観が基調になっているからこそ、70数年前と現在が連続性をもって感じられることもまた、疑いがないだろう。

 今、このアニメ映画が口コミで爆発的にヒットしているのは、戦後70年が過ぎ、戦争の記憶が薄らぐ一方で、今なお世界各地で一般市民が巻き込まれる戦争が続き、また日本の平和憲法が骨抜きにされつつある現状下で、戦争というものを感覚として実感したいという社会意識もあるのではないだろうか。

 この映画が、大手の映画会社の制作でなく、クラウドファンディング(一般市民からの資金調達)によって制作され大成功を収めたというのも、市民運動にシンパシーを覚える私にとっては嬉しいことである。

 年末年始、多くの方々にこの映画を観てほしいと思う。


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2016年9月21日 (水)

No.295 「絶望の中でも希望を」──アニメ「君の名は。」人気の理由

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 3連休中日の9月18日(日)、今話題のアニメ「君の名は。」を観てきた。
 8月末に観た「シン・ゴジラ」と並ぶ今年最大のヒット作と聞いていたが、事前の予備知識をまったく持たずに出かけたので、かえって新鮮だった。

 驚いたのは、午後9時半ころからのレイトショーなのに、席が7割方埋まっていたこと。こんなにたくさんの観客を見るのは昔、子どもたちを連れて夏休みに観に行った「ジュラシックパーク」以来のような気がする。
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 作品は、まず、ストーリーが意外性があって面白い。思春期の同世代の男女が入れ替わるという展開、どこの誰かもわからない相手への想い、地方の山深い田舎での生活と大都会での生活の対照、地球に最接近した彗星の一部が分裂して落ちてくるというSF性、大惨事を知った男の子(立花瀧)が過去にいる女の子(宮水三葉)に入れ替わって救出しようとするタイム・パラドックス、それぞれ仲間の友人たちと力を合わせて運命(大災害)や権威(父親)に立ち向かっていく友情、神社や組ひも、黄昏(たそがれ)時といった神秘性など、楽しめる要素が満載である(もちろん、厳密に考えれば理屈上での突っ込み所はいろいろあるが、それを議論するのも楽しいだろう)。
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 それに加えて、大都会の喧騒や田舎の懐かしい風景、天空を横切る彗星など、絵が実に美しい。日本のアニメの美しさを改めて実感する。
 そして、作品全体が、スピード感と音楽性、リズム性にあふれていて、ノリがいい。

 ストーリーが、最後の最後までハラハラさせたうえで、ハッピーエンドになるのも気持ちがいい。最後に2人が揃って「君の名は?」というセリフでエンディングというのもニクい。
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 私がこの映画を観た翌日の9月19日(月)には「ニュース23」で、翌9月20日(火)には「報道ステーション」でもこの映画が取り上げられていた。
 開始後1か月で既に観客動員は690万人、興業収入は91億円を突破したとのことである。

 「報ステ」でインタビューに応じた新海誠監督は、「今の生活が明日どうなってしまうかわからない」という不安をみんなが感じている中で、「希望を持ってポジティブに今を生きよう」という思い(絶望の中での希望)を伝えたかった、それを求める若い人たちの心の穴にちょうどはまったと思う、という趣旨のことをおっしゃっていた。
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 そのように考えると、この映画は、東日本大震災や熊本地震などの自然災害や無差別殺人などによって人々が感じている暗い空気の中でも、希望を持って挑んでいきたいという「時代的気分」と重なり合ったのかもしれない。その意味では、「ありのままで」「自分を好きになって生きたい」というメッセージが共感を読んだ、一昨年の「アナと雪の女王」の大ヒットと共通するものがあるのではないだろうか。

 そうだとすると、この「君の名は。」は、今後いっそう「国民現象」になっていく可能性もある。
 そんな話題性十分のこのアニメ、皆さまもぜひご覧ください。


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2014年8月14日 (木)

No.202 初体験の“3D”で、「GODZILLA ゴジラ」を観てきました!

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 8月13日、地元の映画館で、初めて“3D”で、「GODZILLA ゴジラ」(2014年アメリカ、ワーナー・ブラザーズ映画)を観てきた。

 予想していたとおり、3Dの立体感・遠近感はすごかった。特に、この種の怪獣ものやアクションものの場合に、効果は大きく、癖になりそうである。
3D用メガネで眼が疲れないか、私の場合メガネをかけている上から3Dメガネをかけることになるが支障はないか、といった心配もしていたのだが、それほどでもなかったのでよかった。

 映画の中身についてであるが、最新のCG(コンピューター・グラフィックス)の技術に上記の3Dの迫力が加わり、娯楽映画としては十分に楽しむことができた。
特に、ムートー(放射線をエネルギーとし核燃料や核爆弾を捕食する昆虫の怪獣で、今回のゴジラの敵である)とゴジラとのバトルのシーンは圧巻である(ただ、ハワイを襲う津波の様子は、東日本大震災で実際に起こった光景を思い出して、ちょっとつらかった)。

 もっとも、ストーリー的には「?」が付くことも多かった。
・核兵器や原発と人類の共存について、何らかのメッセージが込められているのかもしれないが(放射性廃棄物処分場からムートーが羽化したり、芹沢博士(渡辺 謙)の父親が広島で原爆死したなど)、もう一つはっきりしなかった。
・妻を15年前の原発事故で亡くし、執念を持って原発事故の原因を追及してきたたジョーはムートーの羽化の際に重傷を負い死んでしまうが、息子のフォードと一緒に父子でムートーと闘う展開の方がよかったんじゃないかなと思った。
・2頭(2匹?)のムートー(「つがい」(番)の夫婦である)となぜゴジラが闘うのかが、よくわからなかった(ゴジラはムートーの天敵?)。
・最後、フォードがタイマーを解除できなかった核弾頭はどうなったのか? 時間的には数キロ先のサンフランシスコ湾沖で爆発したはずだが、その場面がないし、もし爆発したらその被害は半端じゃないはずである(そうなるくらいなら、ムートーに食べてもらった方がよかったんじゃないだろうか(笑))。

 とはいえ、子どもたちも含めて一緒に楽しむ娯楽映画なんだから、あんまり難しい理屈は野暮かもしれない。
3D用のメガネ(1個300円)も今回買ったことだし、これからは時々は、3D映画を楽しむことにしよう。


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2014年5月27日 (火)

No.188 ディズニーアニメの進化に驚嘆!──「アナと雪の女王」

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 5月25日、今話題のディズニーのアニメ「アナと雪の女王」を観てきた。
 1月に「かぐや姫物語」を映画館で観た時に予告編をやっていたので、近々公開されることは知っていたが、予想以上の大ヒットで、この日までの累計動員で、1,558万8,545人に達したとのことである。

 感想を3点ほど。
① まず、映像の迫力がすごい。キャラクターの表情が豊かで、アップの場面では微かな「そばかす」までわかるリアルさ。雪の質感、氷の鋭利さ、吹雪のすさまじさ‥‥日本のアニメならともかく、外国のアニメだから大したことないだろうとタカをくくっていたが、度肝を抜かれた感じである。

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② ストーリーもある意味で意外だった。対照的な姉妹の成長と自立、互いへの愛情と献身が美しく描かれている。恋愛は彩りを添えてはいるが、中心テーマではない。姉のエルサは恋愛にからまないし、妹のアナは、最初に好きになったハンスに騙され、アナの心に刺さった氷を溶かしたのはクリストフでもなく、姉のエルサだった。
 その意味で、「白馬の王子様」が出てくるようなステレオタイプのストーリーではなく、生き方や家族、人間関係を問うドラマになっている。

③ 主題歌「Let It Go(ありのままで)」も、とてもよかった。歌詞の内容がとても現代的で、特に現代社会で悩む若い女性や、夢をもって大きくなりたい女の子の心をつかんでいるのではないかと思う。

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降り始めた雪は 足跡消して
真っ白な世界に ひとりのわたし
風が心にささやくの
このままじゃ ダメなんだと

とまどい 傷つき
誰にも 打ち明けずに 悩んでた
それももう やめよう

ありのままの 姿見せるのよ
ありのままの 自分になるの
何も怖くない 風よ吹け
少しも寒くないわ

悩んでたことが うそみたいね
だってもう自由よ なんでもできる
どこまでやれるか
自分を試したいの
そうよ変わるのよ わたし

ありのままで 空へ風に乗って
ありのままで 飛び出してみるの
二度と 涙は流さないわ

冷たく大地を包み込み
高く舞い上がる 想い描いて
花咲く氷の結晶のように
輝いていたい もう決めたの

これでいいの 自分を好きになって
これでいいの 自分信じて
光あびながら 歩きだそう
少しも寒くないわ

 日本語吹替え版で歌っているエルサ役の松たか子さんの歌唱力に驚いた。女優としての松たか子さんのファンであったが、歌でもファンになってしまった。この物語のミュージカルでも出来て、エルサ役で出演してほしいなあと思う。

 昨年8月に観た日本のアニメの「風立ちぬ」、今年1月に観た「かぐや姫物語」もよかったが、ディズニーのアニメもここまで進化していた。大人もアニメを楽しめる時代になったものである。

 ※松たか子さんの「Let It Go」は、ユーチューブで聴くことができます。

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2014年1月 4日 (土)

No.160 「かぐや姫の物語」──あの「竹取物語」が「生きること」を問うSFファンタジーに

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 1月3日、スタジオジブリのアニメ映画「かぐや姫の物語」を観てきた。
 昨年8月に観た「風立ちぬ」もよかったが、私にとっては、それに勝るとも劣らないくらいよかった。特に明確な主人公の人間像があるわけではない、古典物語文学の「竹取物語」を、見事なまでのSFファンタジーにし、かつ、「生きるとは何か」を問う人間ドラマに創り上げることに成功している。

 詳細な紹介をすることはできないが、ストーリー性は十分である(ちなみに、月の国で犯した罪に対する罰として地球に送られてきたというのは、昔の手塚治虫の漫画「W3」(ワンダースリー)をふと思い出した)。
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 一方で、養親のエゴや、男性の求愛の欺瞞性も描いている点では大人向けともいえるし、そのような愚かさも含めた人間の「生きる営み」を全体として肯定している点では、いわば仏教の悟りのようなものをも感じさせる。

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 また、絵がとてもすばらしい。あえてジブリの他の作品との違いを言えば、主人公の表情や動きの描写が実に豊かである(主人公は絶世の美女であるが、幼女のような愛らしい表情になることもあれば、仁王のような恐ろしい表情になったり、能面のように自分を押し殺した表情になったりする。特に、真夜中に宮中を飛び出して生まれ育った故郷に疾走する場面は圧巻である)。
 また、例えば「風立ちぬ」では写真に近い水彩画であるのに対し、クレヨンのような描線が基調になっていることから、「鳥獣戯画」のように柔らかく、温かい描画になっている。こんな描画が描けるのは、日本のアニメ、中でもジブリだからこそではないだろうか。
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 また、脇役のキャラクターの容姿もとても個性的である。たぶん、実際の声役の俳優に近い容姿にしているのではないかと思う(例えばかぐや姫は朝倉あき、捨丸は高良健吾、翁は地井武男、相模は高畑淳子、阿部右大臣は伊集院光、御門は中村七之助、車持皇子は橋爪功というそれぞれの声役にとても似ている)。

 高畑監督が入社早々から構想していたもので、企画から完成までに8年、製作費50億円を費やしたという。その間に、製作者の氏家齊一郎氏が2011年に亡くなり、「翁(おきな)」(おじいさん)の声役の地井武男氏が、声収録後の2012年6月に亡くなっているのだから、制作に関わった人たちの人生の重みまで感じる作品である。こんな作品を、わずか1000円(夫婦どちらかが50歳以上割引(笑))で観させてもらうのは、少し申し訳ない気がする。

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 また、日本にすばらしいアニメ映画が一つ加わったといってよいだろう。ぜひ、子どもたちだけでなく、大人も含めて、たくさんの方々に観てほしいと思う。

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2013年9月27日 (金)

No.136 ドラマ「半沢直樹」の超人気の理由

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 ドラマ「日曜劇場」の連続ドラマ「半沢直樹」(全10回)が、9月22日(日)の最終回で終了した。
 最終回の視聴率は関東地区42.2%、関西地区45.5%で、今世紀最高、関西地区では歴代民放ドラマ1位だったという。1983年に国民的人気ドラマとなったNHK連続テレビ小説「おしん」で平均視聴率52.6%というから、現在の多局時代を考えると、いかにすごい視聴率であるかがわかる。
 私は「アレは面白いなあ」というクチコミをあちこちから耳にして、ようやく見始めたのが第7回からであったが、確かに面白かった。面白い、というより痛快なのである。
 銀行内部での上司の不正を、同期入社の仲間と知恵と力を出し合って一緒に暴いていく。その過程でピンチに陥るが、危機一髪のところで大逆転をして、悪人を断罪する。
 流行語とまでなった決めゼリフは「やられたら、やり返す。倍返しだ!」
 なぜこのドラマがこれだけ爆発的な人気を得たのだろうか。

 よく言われているようだが、上記のようなストーリーは、基本的に時代劇に近いと思う。「お主もワルよのう」みたいな悪党を、ハラハラドキドキの経過を経て、主人公が最後に打ち負かす。これを、現代の銀行を舞台に設定したという点が新しい。そして、この現代性が、日々上司からのパワハラや理不尽な要求に苦しむサラリーマン層の心を掴んだとされるのである。
 また、「銀行の本来の役割」や「同期入社の仲間同士の友情」なども、今や失われつつあるものを思い出させてくれるのであろう。

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 そのため、ストーリー的には突っ込みどころ満載の無理な部分も含みながらも、最後は痛快な大逆転勝利を収めるだろう‥‥そんな安心感をもって見ていることができるのである。

 しかし、その点からいえば、最終回の終わり方には「?」を感じた人も多かったのではないだろうか。半沢に脅されたとはいえ大和田常務の悪事を証言した内藤営業部長は出向になったのに、巨悪を暴かれた大和田常務は平取締役への降格で済まされる。そして何よりも、「2階級特進」もあるかと囁かれた半沢は、系列の弱小証券会社に出向を言い渡されたのである。
 言渡しを受けた半沢の目の奥の怒りが、その理不尽さを訴えていた。

 これについては、「取締役会で大和田を土下座までさせたのはやり過ぎだったからやむを得ない」という意見もある。しかし、このドラマはそんな常識論を超えた痛快さをウリにしていたのだから、最後に常識論を持ってくるのは一貫性がない。
 また、このような終わり方は原作どおりであり、そこからの更なるリベンジを図る続編が予定されているという情報もある。しかし、このドラマはドラマで一旦完結となるのだから、それなりの種明かしをしておかないと不親切である。視聴者はこのドラマのコンセプトがわからなくなり「はあ?」というようなストレスを感じながら終わらざるを得なくなってしまう。

 とはいえ、全体として、大変面白いドラマであったことは間違いない。そして、「企業のあり方」、「不正を許さない」、「職場の仲間との友情や連帯」といったテーマについて、全国あちこちで議論がなされたとしたら、社会的な意義も決して小さくないと思うのである。

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2013年8月17日 (土)

No.135 宮崎駿監督が「風立ちぬ」に込めたもの

 8月16日、ご多分に漏れず、この夏最大の人気アニメ映画、「風立ちぬ」を観てきた。
 日本海軍の象徴ともいえる戦闘機「零戦」を設計した堀越二郎の半生を描いた作品である。
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 まず何よりも、映像が余りに美しく、優しく、細やかである。山々や草木、大空や雲などはもちろん、真鍮やジュラルミンなどのキズや錆び、木造の建物の汚れや生活感、「風」や「水」の柔らかさやふくよかさなどに驚かされる。ある意味で現実のものより現実らしく、自然よりも自然で、それでいて、手描きの水彩画のような優しさがある。アニメでこれほどの描写をしたものがあっただろうか。
 また、映像の動きもすごい。特に関東大震災の場面や、紙飛行機や試作機の飛行感、傘が風に飛ばされたり、奈穂子がベランダから落ちそうになるときの浮揚感などである。

 しかし、宮崎駿監督がこの作品に込めたかったものは何か、ということになると、かなり「謎解き」の世界である。インターネットで論評や解説を見ると、論点も賛否も実に様々で興味深く、考えさせられる。
 よく言われているのは、次のような疑問である。
①自分の夢を追って実現した零戦が破壊・殺戮に使われ、残骸と焦土だけが残ったのに、残虐な場面は描かず、批判や反省の表現も見られないのは、戦争や兵器を肯定的にとらえているのではないか。
②物語の中で主人公は何度も夢と現実を行き来し、現実感がないのではないか。
③公共の場所での喫煙シーンが頻繁に出てくるうえ、肺結核で病床にある妻の菜穂子の前でも吸っているのは問題ではないか(日本禁煙学会が配慮を求める要望書を出したそうである。)。

 しかし私は、宮崎監督がこれらのことを理解していないはずはなく、批判も含めてすべて予想したうえで、それも含めてメッセージを込めて制作していると思う。
 このうち②・③については私には荷が重いが(これもいろいろな理解が可能なようである)、①については、私は監督はこの作品をもって、現代社会への問題提起をしているのではないかと思いたい。

 まず、(a)自分は夢を追い、「いい飛行機を作りたい」だけで頑張っていても、それは多くの人々から収奪と、家族たちの犠牲の上に立つものであり、またその結果が日本を「破裂」させるかもしれないことを自覚しなければならない。
 しかし、(b)そうはいっても、その時代時代には、逃れられない大きな流れ(運命)というものがあり、それに従って生きることは否定されるべきではない。生きること自体が大変であり、尊いものである。
 (a)と(b)は矛盾を孕んでおり、「(a)だが(b)である」、「(b)だが(a)である」の両方の悩み、葛藤を常に生み続けている。
 この矛盾は、現代社会でもそのままあるのではないか。例えば、「いい商品を安く作りたい」「会社の業績を上げたい」と願い、自己犠牲的に働いている多くのサラリーマンは、結果として取引先に犠牲を強い、家族と過ごす時間も持てず、自らを「破裂」に追い込んでいるうえ、大量生産・大量廃棄で地球環境を破壊するのに加担しているのではないか。それは矛盾であるし、現代社会もそのような「運命」から逃れられていないのではないか。しかし、だからこそ、そのことを皆が認識し、議論をすべきではないか。

 もう一つは、そのような大きな流れの中で先の戦争が起き悲惨な結果に終わったが、今またそのような戦争への大きな動きが出始めていないか。そんな動きに疑問を持つべきではないか。二郎の時代は、それだけで特高警察に目を付けられたが、大きな動きは「運命」だけはないのではないか。

 そして、宮崎監督は、このような問題提起を皆で議論してほしいが、過去の戦争の悲惨さをありきたりな映像にしてしまうと、「今」と切り離された「過去」の問題として扱われてしまうと考えたのではないだろうか。

 いずれにせよ、このような議論自体を、宮崎監督は望んでいると思う。日本人が終戦とその意味を考えるこの時期にこの作品を公開したのも、スタジオジブリの発行する冊子で宮崎監督が憲法改正反対を表明したのも、映画の入館者に感想を知らせてほしいとのお願い文を配布しているのも、そこに宮崎監督の思いが込められていると思うのである。

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2013年6月17日 (月)

No.123 祝・「探偵!ナイトスクープ」25周年

 私は毎日ほとんど、阪和線天王寺駅発の最終電車で帰ることが多いので、ニュースは別にして、通常のテレビ番組を観ることはまず不可能である。
 しかし、金曜日の夜は少し早く帰ることがあり、午後11時17分から始まる「探偵!ナイトスクープ」だけは、週末の解放感を伴って、時々観ることがある。

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 1988年3月に始まったこの関西の人気番組が、この3月で25周年を迎えたという(朝日新聞5月31日付夕刊)。
 私が弁護士になったのが1988年4月なので、この番組の年輪は、そのまま私の弁護士の年輪と重なっている。
 この番組が人気を失わないのは、①世代を超えて家族みんなで楽しめること、②大阪の下町の「ベタさ」が心地よいことだろう。

 局長は長い間上岡龍太郎さんが務めていて軽妙な味があったが、すぐに涙でクシャクシャになる西田敏行さんの在任期間の方が長くなったとのことである。西田局長は涙もろいところがウリになっているが、いつの間にか西田局長に負けないくらい、私自身も涙もろくなってしまった。
 実は私は、20年間にわたって秘書を務められた知性派美人の岡部まりさんのファンであった。2010年7月の前回の参院選に立候補したため辞められたのは、返す返すも残念だった。また、何らかの形で姿を現してほしいと思う。

 この番組には、歴史に残る面白い依頼がたくさんあるが、4月5日放送の「10年以上口をきいていない父と母」は歴史に残るヒットだったと、私も思う。
 実は10年どころではなく23年間会話が本当になかったという。父が話さなくなった理由は、「子ども中心の妻にすねていたら引っ込みがつかなくなった」というが、実際ありそうな気がするから笑える。
 2人だけになり勇気を振り絞って話しかける父と、それを待つ母の姿を見て、なぜか涙がとまらなかった。

 関西ならではの人情味に溢れたこの番組が、いつまでも続くことを願う。


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