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カテゴリー「3-3 労働組合」の6件の記事

2017年5月 5日 (金)

No.319 3年ぶりのメーデー参加の雑感

 5月1日、3年ぶりにメーデーに参加した。私が2年前まで所属していたあべの総合法律事務所では、5月1日が平日の場合には事務所としてメーデーに参加し、デモ行進解散後に食事会をするという伝統(?)があり、新事務所開設後も受け継ぐ予定だったが、2年前は私だけが花粉症の症状がひどかったために食事会からの参加となり、昨年は5月1日が日曜日だったので事務所としての参加は見送ったのである。
 そこで、3年ぶりのメーデー参加となったわけである。
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◆メーデーの起源は、今から130年余り前の1886年5月1日、合衆国カナダ職能労働組合連盟(後のアメリカ労働総同盟、AFL)が、シカゴを中心に8時間労働制要求(8-hour day movement)の統一ストライキを行ったのが最初だとされる。1日12時間から14時間労働が当たり前だった当時、「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、おれたちの好きなことのために」を目標に行われた(日本では未だ実現されていないどころか、当時の労働時間に戻っているといえる)。
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 しかし、その3日後の5月4日、運動の中心地だったシカゴで、ヘイマーケット広場に集まったストライキ参加者を武装警官が襲い、多数の死傷者が出たことから、1889年の第二インターナショナル創立大会で、AFLのゼネスト実施に合わせて労働者の国際的連帯としてデモを行うことを決議し、1890年5月1日、ヨーロッパ各国やアメリカなどで第1回国際メーデーが実行された。これ以来、メーデーは労働者の権利を主張する運動、また、国民がその時々の要求を掲げ団結と連帯の力を示す日として継続・発展してきた。

 このように、メーデーは8時間労働制を求める労働者の連帯の行動であるとともに、自由な時間のために闘い犠牲となった人々を忘れず、労働者の闘いを国際的に祝う日でもある。世界の大半の国では祝日とされている。
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 日本では、1920年5月2日(日曜日)、上野公園で5千人が参加したのが最初とされる。集会では「(ストライキ等を弾圧した)治安警察法17条撤廃、失業の防止、最低賃金制の確立」を決議し、また8時間労働制、東京市電争議支援、シベリア即時撤兵の動議が可決されたという。
 戦前のメーデーは1935年の第16回まで各地で取り組まれたが、1936年の2・26事件で戒厳令が敷かれたのを機に禁止された。
 戦後は、1946年の第17回メーデーから復活。東京では皇居前広場に約50万人(!)が集まり「民主人民政府の即時樹立」「食える賃金を」などを決議したとのことである。

 その後、日本では、長年「統一メーデー」が続けられてきたが、労働組合の全国中央組織の再編による組織対立の激化で、1989年以降は統一メーデーの開催ができなくなり、日本労働組合総連合会(連合)と非連合系の全国労働組合総連合(全労連)や全労協が別々に開催している。また、連合は2001年以降、4月後半の土曜日や祝日にメーデーを行うようになった。

 大阪でも、連合大阪系は大阪城公園、大阪労連系は扇町公園、大阪全労協系は中之島公園と、3つのローカルセンターが別々に開催している。
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◆当日、本当は開会は午前9時だが、横着をして午前10時に扇町公園に到着。翌日の新聞によれば、参加者は4500人。この日は少し曇があったが、風が爽やかだった。「自由法曹団大阪支部」や「民主法律協会」の旗の近くに行くと、法律事務所の弁護士や事務員さんたちがたくさん来ている。そのため、演壇で誰かがしゃべっている演説はそっちのけで、久々に顔を合わせた知り合いの人とおしゃべりが中心だ。
 私も、普段あまり顔を合わせないたくさんの弁護士や事務員さんと話をすることができた。特に、約10年前に民主法律協会の活動を一緒にしたことのあるNさんや、一緒に北欧ツアーに行き、今は2児のお母さんのFさん、20年ほど前に一緒にPTA役員として、給食の民間委託の是非を問う運動をしたIさんなどと懐かしい話ができたのは楽しかった。
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◆集会後のデモは、「西梅田公園コース」に参加。歩いた時間は40分くらいだろうか。
 歩きながらのシュプレヒコールを聞いていて、読み上げるスローガンに、今一つ工夫が必要と思った。抽象的なうえ紋切り型で、沿道で聞いている市民の心にあまり響かないのではないか。
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 例えば、「森友疑惑を糾明せよ!」というのは、昔の「ロッキード疑惑を糾明せよ!」と同じで、あまり芸がない。「8億円も値引きした理由を明らかにせよ!」とか、「昭恵氏を国会に証人喚問せよ!」など、今の時点の市民の関心事を具体的に叫ぶべきである。
 「大企業は社会的責任を取れ!」というのもあった。一般論として重要なことだが、具体的にどういうことなのか、さっぱりわからない。CSR(企業の社会的責任)のことをいっているのか、労働者に対する雇用責任をいっているのか。
 「共謀罪反対!」があったが、なぜ反対するかの理由が一言ほしい。「現代の治安維持法、共謀罪反対!」とか、「メールもラインも捜査の対象にする共謀罪反対!」とか。

 私が関わっているテーマでは、「過労死をなくそう!」というスローガンがあったが、今の世論の到達点との関係では、「企業は労働時間管理を徹底せよ!」とか、「月の100時間まで残業を認める労基法改悪反対!」とか、「過労死を自己責任にする裁量労働制の拡大反対!」といった感じで具体的に挙げた方がいいと思った。
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◆デモ行進修了後の事務所の食事会は、天満にあるイタリア料理店「アレグロ」へ。このお店は、勝利解決した過労自殺事件のNさんご家族と弁護団の年1回の同窓会で、昨年12月に連れていってもらったところ、とても美味しかったので、今回お世話になることにした。
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 所員の安田知央弁護士が、7か月になった赤ちゃんを抱いて食事会から参加したことから、大変盛り上がった。
 メーデーの歴史を考えると、こんなゆる~い感じで参加していいのかという気もするが、これも「お祭り」の楽しみ方として、大目に見てほしい。

 ※画像は上から
 ①8時間労働制を訴えるイラスト(ステッカー?)
 ②「写真でみるメーデーの歴史」(旬報社、1979年)の表紙
  この本は、旬報社のサイトで読むことができます。世界のメーデーの始まり、日本の戦前・戦後のメーデーの歴史が、とても分かりやすく書かれています。
  上述のヘイ・マーケット事件では、弾圧を受けたメーデーの指導者が8人も、証拠なしに死刑に処せられたそうです。これまで、そんな歴史は知りませんでした。
 ③今年の扇町でのメーデー(2枚)
 ④デコプラコンクール(プラカード部門)で優勝した北大阪総合法律事務所の皆さんによるデコレーション(共謀罪反対を訴える檻)と、マネキンモブ。カッコ良すぎます。お友達のフェイスブックから借用させていただきました。
 ⑤「アレグロ」での食事会(3枚)


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2016年3月19日 (土)

No.278 分野・世代を超えた連帯はできる、社会は変えられる──働き方ASU-NET第24回つどい

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 事前にお知らせしていたように(No.270 未来を切り開く連帯~若者たちの運動から学びあう~)、今広がっている若者たちの社会運動の7団体の代表の方に集まってもらってリレートークをしてもらう企画を行った。

 もたもたしているうちに、森岡孝二先生がASU-NETのホームページに詳細な報告を書いておられるので、団体紹介と、採択された「つどい宣言」もあわせて紹介しておくことにする(なお、7団体の順序を、当日の発言の順に並べ替えさせていただいた)。
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■3.16若者たちの運動から学びあう集いが満員盛況で

 3月16日、午後6時半~8時50分、エルおおさかで働き方ASU-NET第24回つどい
「未来を切り開く連帯 ~若者たちの運動から学びあう~」が開催されました。

 第1部のリレートークでは、7つの若者団体を代表して下記の7名の方からそれぞれ10分前後、各団体の結成時期、主な活動、訴えたいことなどを報告していただきました。
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 ①労働相談に取り組みブラック企業を社会問題化した
NPO法人POSSEの坂倉 昇平 さん

 ②アルバイト学生を組織し団体交渉も行っている 
 関西学生アルバイトユニオンの北村 諒 さん
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 ③労働相談と団体交渉で成果を上げる個人加盟労組
  地域労組おおさか青年部の北出 茂さん

 ④民主主義を原点に戦争法の廃止を訴える 
SEALDs KANSAI の寺田ともか さん
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 ⑤戦争法に反対し街頭での対話活動に取り組む  
  SADLの中村 研 さん 

 ⑥堺市のフーパー前で戦争法廃止の署名活動をする
 ANTSの磯田 圭介さん 
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 ⑦最低賃金1500円への引き上げを求める
  AEQUITAS京都の橋口 昌治さん

 第2部のパネルディスカッションでは、岩城穣ASU-NET代表理事(弁護士)の司会のもとで、各団体がどんな苦労に直面しているのか、またどんな展望を持っているのかを話してもらいました。
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 7つの団体は平和系と労働系に色分けすることもできますが、共通するのは若者が主体の民主主義を志向する団体であるということです。1~2部を通して、どの団体もとても個性的で、困難を抱えながらも、生き生き活動していることがわかりました。デモのサウンド一つをとっても古い世代とはずいぶん違いますが、若者が声を上げ始め、柔軟で多様性がある活動を展開していることを知って、参加者は、若者も中高年も、元気がでるつどいだったと異口同音に話していました。

 年度末の忙しいなか、会場を埋め尽くす145名の参加がありました。この場を借りてお礼を申し上げます。

■3.16 NPO法人働き方ASU-NET第24回つどい パネリストの団体紹介

◆NPO法人 POSSE(ポッセ)
 24時間無料の労働相談を中心に、若者の「働くこと」に関する様々な問題に精力的に取り組む労働NPO。ブラックバイトユニオンを支援。若者が創る雑誌POSSEを年間4回発行、ブラック企業を社会問題化してきた。

◆関西学生アルバイトユニオン
 関西の学生アルバイトを中心としたユニオン(労働組合)。ブラックアルバイトなどアルバイトに関して悩む学生や奨学金の相談活動をしている。また学生以外の相談にも応じている。

◆地域労組おおさか青年部
 全国屈指の「一人でも加入できる労働組合」の青年部として有名。東京の首都圏青年ユニオンと並び、大阪で、泣き寝入りしない若者たちの駆け込みユニオンになっている。労働相談・交渉・和解に至るまでを一貫して行い、抗議宣伝も行う能力を有する。解決した争議は多数。

◆SEALDs KANSAI(シールズ・カンサイ)
 反戦争法で若者たちの自主的な大きな運動のうねりをつくりだし、今まで関わってこなかった層や世代を巻き込み民主主義や立憲主義についても社会的問題にして来た。運動は全国規模に広がっている。

◆SADL(サドル)
 戦争法に反対し、民主主義と生活を守ることを目ざして活動している。継続的に街頭での対話活動に取り組み、参議院選挙への関心を拡げ 「争点は市民がつくる」をキャッチフレーズに活動している。

◆ANTS(アンツ)
 戦争法に反対する行動を「堺市で暮らし、働く若者」で行っている。地元に足を付けた取り組みをしている。毎月、デモや街頭宣伝をするなど、戦争と政治の強い関わりをわかりやすく伝える活動をしている。

◆AQUITAS KYOTO (エキタス 京都)
 エキタスは「正義」「公平」を意味するラテン語で「最低賃金1500円以上」を掲げ、昨年10月、12月には東京で700人のサウンドデモを行った。憲法25条の精神「社会正義」を掲げて活動している。

■3.16 NPO法人働き方ASU-NET第24回つどい宣言

         未来を切り開く連帯~若者たちの運動から学びあう~
 
 今日、わたしたちは若者の置かれた現状を変革したいという、わきあがる熱い思いを聞きました。

◇国民の半数以上が反対しているにもかかわらず、安倍内閣は民主主義をないがしろにし、平和憲を捨て、遮二無二に戦争をする国へ進んでいます。

◇3.11の東京電力福島第一原発の過酷事故の収束が混乱を極めるなかで、反対多数の世論を押し切って停止原発の再稼働が強行されています。

◇若者を使い潰すブラック企業に対する批判が強まるなかでも、過労とストレスとパワハラで心身を病み、はては過労死と過労自殺に追いやられる若者が跡を絶ちません。

◇雇用の非正規化がすすむなかで、日本の貧困率は世界最悪水準の16%となり、24歳未満の若者世代では非正規労働者の割合が5割に達し、生活困窮者が著しく増えています。

◇家計の窮迫と乏しい奨学金のために、勉学に専念すべき学生が学費や生活費を稼ぐために長時間のアルバイトを強いられ、学生を酷使するブラックバイトへの批判が高まっています。

◇若年労働者の賃金の底上げのために、最低賃金の全国平均(現行798円)を速やかに1000円に引き上げ、近い将来、生活可能な1500円に引き上げることも課題になっています。

 しかし、私たちは声を上げ行動することでこうした現状を変えることができます。いろんな課題に取り組む多様な若者グループがお互いの主張と行動に耳を傾けることは、社会を変える道筋を探ることに通じています。若者も壮年も熟年も、男も女もこうして集い、率直に語り合うなかで、互いに見えていなかったことが見えてきました。

「自分たちの未来は自分たちで決める!」という若者たちの力強い声と、柔軟でいて地に足をつけた取り組みには目を見張るものがあります。海の向こうからも政治と雇用に異議を申し立てる若者たちの声が聞こえてきます。平和と民主主と暮らしが危険にさらされるとき、長い苦難の道のりを切り開いてきた壮年・熟年世代の底力も捨てたものではありません。

 若者たちの、素直に思いを伝えあい、柔軟で壁を作らない運動の新しい流れに学びながら、すべての世代の人々が語り合い、つながり合って、政治を変え、働き方を変えて、この国の未来を切り開くために、ともに前へ進みましょう。

 ここに本つどいの名において宣言します。

                  2016年3月16日
                   NPO法人働き方ASU-NET第24回つどい

 ※画像は上から、
 ①リレートークの様子
 ②POSSEの坂倉さん
 ③関西学生アルバイトユニオンの北村さん、エキタス京都の橋口さん
 ④地域労組青年部の北出さん、SADLの中村さん
 ⑤SEALDs KANSAIの寺田さん
 ⑥ANTSの磯田さん
 ⑦コーディネーターをする私


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2014年11月17日 (月)

No.219 勤務医に明るい未来を! ──全国医師ユニオンに期待する

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 11月16日(日)午後1時30分から、東京のTKP東京駅前会議室で、勤務医の個人加盟の労働組合「全国医師ユニオン」が開いたシンポジウム「勤務医の過重労働と過労死・人権」に、シンポジストの一人として参加し、拙い講演をさせていただいた。

 私は医師の過労死事件に関わった件数は多くないが、私が可能な範囲で、①医師労働の特徴(高度の専門性と強いストレス)、②勤務医の労働実態の現状(医師不足、経営改善圧力、著しい長時間労働)、③これまでに公刊されている8つの裁判例の紹介、④いくつかの論点の検討(待機時間の労働時間性、パワハラ、過失相殺・素因減額)、⑤勤務医の過重労働の改善と過労死防止法の活用、といった点について、約1時間にわたってお話しした(これまで多くの医師の過労死事件に関わってこられた松丸先生に、過去の講演レジュメや資料をいただくなど、大変お世話になった。ありがとうございました)。
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 他のシンポジストは、医師ユニオン代表の植山直人さんと、小児科医師中原過労死裁判の元原告で、東京過労死家族の会代表の中原のり子さん。
 植山医師のお話は、医師の過重労働の原因、日本の医師の労働実態、医師の労働と医療の安全、医師を守る運動の始まり、ユニオンの主な活動と今後求められる活動などについて、短時間で大変整理されたものであった。
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 中原さんのお話も、前から概略はお聞きし、また判決も読んでいたが、改めて当時の過重労働で疲弊した様子や、自殺される直前の夫婦の会話、亡くなったご主人が遺書に書いたことを実現しようと決意してこれまで頑張ってきたことなどを聞かせていただいて、深く感銘を受けた。
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 その後の討論では、公立八鹿病院事件(34歳の青年医師が、赴任後わずか70日後に過重労働とパワハラで自殺した事件。今年5月26日に鳥取地裁米子支部で判決が出され、現在広島高裁松江支部で審理中)と、最近医師ユニオンが全面協力を決めた、ある地域の総合病院の産婦人科医師の過労自死事件(現在地裁で行政訴訟が係属中)の2つの事件の原告である遺族からの長文のメッセージが読み上げられ、会場はしんとなり聴き入った。また、パワハラを受けて3つの病院を転々とし、2番目の病院と民事調停を行った方の報告などがあった。裁判や裁判官に対する率直な質問もあったので、私なりに率直に意見を述べた(笑)。

 終了後の懇親会も、和気あいあいとして、とても楽しいものであった。最後の一言で、私は医師ユニオンの皆さんに、①医師ユニオンとして、勤務医のための制度改善要求をまとめること、また、②全国の勤務医の置かれている過重労働やパワハラの事例をまとめた「勤務医黒書」のようなものを作ることを提案させていただいた。これらを作る過程で、全国で議論を起こすことに、大変意味があると感じたからである。
 もっとも、帰宅して医師ユニオンのホームページを拝見したら、「勤務医労働実態調査2012」というものが行われ、2013年7月19日付で最終報告書が公表されており、すばらしい内容であった(存じあげずに、失礼しました)。
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 今の日本社会で、労働組合が独自のサブカルチャー(カウンターカルチャー)に基づいて、要求や提言をすること(それは、必ずしも対立とは限らない)は、とても重要な役割を持っていると思う。そして、勤務医の労働条件を改善するためには、勤務医自身が声をあげるしかないが、個々の勤務医が声をあげることは難しく、だからこそユニオンとして声をあげる意味は大きい。

 その意味で、医師ユニオンは、勤務医の未来を担っていると思うのである。そんな皆さんと親しくなることができ、心からうれしく思うとともに、過労死防止対策の具体化や、過労死防止学会でも一緒に頑張っていけることを願いながら、2泊3日の東京滞在からの帰路についた。

 ※画像の1、2番目は私、3番目は中原のり子さん。
  4番目は、医師ユニオンのホームページのトップページ、5番目は、今回いただいた医師ユニオンのニュース。
  どちらも、大変充実しています。


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2012年4月11日 (水)

No.65 「大阪青年ユニオン」の出発にエールを送る

 2012年4月1日、「大阪青年ユニオン」が発足した。

120410  これまで、徹底して若者の目線、感性、心情に立脚し、またITを駆使するなどのユニークな活動をしてきた「地域労組おおさか青年部」が、今般、「大阪青年ユニオン」と名称を変更したのである。

 私は、メッセージの依頼に応えて、次のようなメッセージを送った。

「大阪青年ユニオン」の皆さん

 「地域労組おおさか青年部」から「大阪青年ユニオン」への発展、おめでとうございます。

 現在の青年たちの置かれている状況、否、国民と労働者全体の置かれている状況自体が、過去に前例のない酷いものです。
 そんな中で、皆さんは
 「労働法は、自分たちの力で活用し、守らせるもの」
 「正しくキレよう!」
と、青年自身の目線で呼びかけ、団交を「ニコニコ動画」で同時中継するなどITも活用して、多くの貴重な成果を挙げてきました。

 確かに、「お父さん・お母さん世代」が中心となってきた従来の労働組合運動は、歴史的に大きな役割を果たしてきました。
 しかし、現在の日本社会の状況は、「お父さん・お母さん世代」も含めて前代未聞のものであり、とりわけ青年の置かれた状況の深刻さは筆舌に尽くし難いものとなっています。
 そんな中で、皆さんは、ひと味もふた味も違ったユニークで、かつ、全青年労働者を対象にした労働運動を模索していって下さい。
 そして、「大阪青年ユニオン」の皆さんが、近い将来、日本の労働運動全体の中で大きな地歩を占めるようになられることを願います。

 様々な困難もあると思いますが、皆さんの運動が大きく花開くよう、これからも応援していきたいと思います。
頑張って下さい。


120410  東京には既に「首都圏青年ユニオン」があり、また各地にいくつかの「青年ユニオン」があるが、第2の大都市大阪でこの「大阪青年ユニオン」ができた意義は、限りなく大きい。

 ささやかながら、私も応援していきたいと思っている。

※画像は、いずれも大阪青年ユニオンのホームページから。
 イメージキャラクターの「ノロシー」が、とてもかわいい。

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2011年10月21日 (金)

No.48 労働組合の「原点」を思う ~ある過労死行政訴訟の結審を迎えて~

1 10月19日、大阪地裁809号法廷で、ある過労死事件の行政訴訟が結審した。
 被災者の塚野保則さん(死亡当時35歳)は、報知新聞社の大阪本社の事業部で12年もの経験を持つベテラン部員であったが、平成16年6月6日、報知新聞社主催のキス釣り大会で徳島に出張し、大会の裏方業務をしている最中に、クモ膜下出血を発症して倒れ、6月28日、入院先の病院で死亡した。

2 それから1か月あまりしか経っていない8月上旬、職場の労働組合(報知新聞労組)を通じて相談があり、私の呼びかけで4人の弁護団を結成し、取り組みを開始した。
 しかし、天満労基署への労災申請は不支給となり(平成18年3月)、大阪労災保険審査官への審査請求は棄却された(平成20年11月)。労働保険審査会に再審査請求をするかたわら、平成21年6月2日、行政訴訟を提訴した(なお、再審査請求も平成22年1月に棄却された)。

3 ほとんどの過労死事件では、①持ち帰り残業やサービス残業も含めた労働時間の立証、②その業務の質的過重性、③被災者の基礎疾患の有無・程度と業務による増悪(悪くなること。「ぞうあく」と読む。)が問題となるが、この件でも同じであった。
 私たちはこの件で、①塚野さんはほとんどの土日は、報知新聞社が主催していた「ボーイズリーグ」の大会の観戦やあいさつに出かけていたこと、②前年10月に同期入社の同僚が退職して人手不足の中、様々なイベントが集中したこと、③被災者はお酒とタバコを好んでいたが、それだけでクモ膜下出血を発症することはないことを、全力で主張立証した。

 そして、山場となった5月と7月の証人・原告本人尋問、そして最終準備書面の提出を経て、冒頭の結審期日を迎えたのである。

4 傍聴者は法廷に入りきれず、廊下にあふれた。弁護団の最終準備書面は「陳述します。」だけで終わりだが、原告の信子さんの最終意見陳述は本当に感動的だった。必ずや裁判官の方々の胸に届いたと信じる。

1110195 この件で特筆したいのは、支援してくれる労働組合のすばらしさである。
 職場の労働組合である報知新聞労組が加入する新聞労連(日本新聞労働組合連合)は、全国の新聞社と通信社に働く労働者の約8割の約2万7000人が加入する「産業別労働組合」(産別労組)である。その新聞労連が、「塚野さんの件は人ごとではない」として、「塚野過労死裁判を支援する会」を組織するとともに、全面的に支援してくれているのである。

 新聞社同士は互いに競争関係にあるのに、労働者は企業の壁を超えて連帯し、団結している。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という、労働運動の原点を教えてくれる。すばらしい組合、すばらしい人たちである。
 もちろん、人間が作っている組織である以上、いろんなことがあるかもしれない。しかし、職場で過労死や過労自殺が起こっても、労災申請を支援する組合さえほとんどない中で、産別組合として全国で取り組む姿を見ていると、胸が熱くなる。「労働組合は、本当はこんなにすばらしいものなんだ」と。

6 判決言渡し期日は、12月26日(月)午後1時10分と指定された。
 この日が、「1日遅いクリスマス」でも、「5日早いお正月」でもいい。塚野さんと、新聞社に働く人たちにとって、記念すべき日となることを願う。

(写真は、10月19日の結審後の報告会の様子である。手前左から4人目が塚野信子さん。)

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2011年3月26日 (土)

No.8 「今ここに ユニオンがある 夢がある」

 3月23日、エル・おおさかでシンポジウム『若者の雇用と、いまの労働運動 ~僕達がつくりたい明日のカタチ~』が開かれました。

このシンポジウムは、「地域労組おおさか青年部」の専従体制を支えるための「青年部基金」を強化しようと、有志の人々が実行委員会を作って行ったものです。

 「地域労組おおさか青年部」は、大阪府内の地域労組に所属する青年たちで構成されていますが、ここ数年、斬新なスローガンや、インターネットの活用など、ユニークな取組みで注目を浴びています。
MBS毎日放送のニュース「VOICE」(2010年3月24日)で紹介され、また同放送のドキュメント番組「映像'10」の「正しくキレよう!今どきの労働組合運動なう」(2010年11月28日)でも報道されました。
また、先日ご紹介した岩波ブックレット「就活とブラック企業」の中でも、書記長の中嶌聡さんが発言していま110323_2す。

 今回のシンポジウムの内容は、次のようなものでした。

1 基調講演 「若者の就職問題と働き方の現状」(森岡孝二・関西大学) 【写真・上】
2 実践レポート!未来を切りひらく若者の労働運動
 ① 「首都圏青年ユニオンが歩んできた10年を振り返って」(河添誠・首都圏青年ユニオン書記長)【写真・下】
 ② 「正しくキレよう!第三の選択肢としてのユニオン」(中嶌聡・地域労組おおさか青年部書記長)
3 リレートーク 「働く若者に未来はあるか?!」
 発言者:河添誠、中嶌聡、中西基(弁護士) コーディネーター:岩城穣(弁護士)110323
 会場発言:不当解雇に対して団体交渉で闘っている男性、闘って勝利解決した女性など
4 地域労組おおさか青年部基金への加入の訴え
5 閉会あいさつ

 若い皆さんが手作りで準備した企画で、たどたどしさ、あぶなっかしさがかえって新鮮で、あったかく、元気の出るつどいでした。
このような企画に、コーディネーターとして関わらせていただけたのは、とても光栄なことと感謝しています。
何よりも参加者の心を打ったのは、やはり悔しい思いをしながら頑張っている当事者の発言でした。
特に今は、ひと昔前とは比較にならないほど、世間はもちろん、「自分自身」の中でも、「自己責任論」が大手を振っています。
「解雇されるのは自分が悪い」、「それに異議申立をするのはワガママだ」というイデオロギーのもとで、自分の人間としての誇りをかけて闘うこと自体、本当に大変なことなのです。
そんな若者たちにとって、ユニオンは自分の「居場所」であり、「人生の学校」であり、「出撃基地」なんだなあと思いました。

 最後に、基金への参加の呼びかけを、木下秀雄(大阪市大)、根本到(大阪市大)、脇田滋(龍谷大)、森岡孝二(関西大学)の4人の研究者の方々を代表して森岡教授が行いました。表題の川柳は、その訴えの中で森岡教授が披露したものです。
古今東西を問わず、激動の時代を動かしたのは、いつも若者たちでした。
若者が自分自身と社会の未来に希望を持てなくさせられている暗い時代であっても、その閉塞感を打ち破るのは、やはり未来に生きる若者しかありません。

若者の、若者による、若者のための労働運動への期待。
森岡先生が川柳に込めた思いを共有する人々は、決して少なくないと思うのです。

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