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カテゴリー「2-5 消費者の権利」の3件の記事

2015年12月 9日 (水)

No.261 ゴルフ場施設を引き継いだ会社は預託金を返せ!──会員ら22人が集団提訴

 12月8日、標記の集団提訴を行うとともに、記者会見を行った。
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 本件の経過の概略は、次のとおりである。
S47 一庫(ひとくら)総合開発(株)設立(その後一庫開発(株)に商号変更)、「一庫レイクサイドカンツリー倶楽部」、「ときわ台カンツリー倶楽部」を経営
H19・12~H20・3 「ナンノグループ」傘下の有限会社が一庫に融資
H20・2 一庫の代表取締役が交代
H20・3・1

 ①新旧の役員が連名で「会員の皆様へ お知らせ」の文書を配布。
 「一庫は(株)チェリーゴルフマネジメントから経営支援を受けることになった。我々はこれを機に一庫の取締役の職を辞し、チェリーゴルフグループから代表取締役としてMと運営スタッフを迎え、両コースの再建を見守りたい。」
 ②「チェリーゴルフグループ (株)チェリーゴルフマネジメント」代表取締役が会員に文書を配布。
 「この度、チェリーゴルフグループは両ゴルフコースの経営支援をすることとなった。本件両ゴルフコースについては、慢性的な来場者の減少や施設の老朽化が経営を大きく圧迫しているため、先ずは施設の整備が重要。早速、グリーンの改修工事やレストランの運営指導、最新のコンピューターシステムの導入に着手するなど、本件両ゴルフコースの再建を目指す。」

H20・3~H21・2 ナンノグループの関係会社が2つのゴルフ場の施設を順次取得。
H21・3 (株)チェリーゴルフ一庫、(株)チェリーゴルフときわ台の代表取締役名義の「共通会員各位 ごあいさつ」の文書を配布。

 ①一庫開発は経営破綻をきたしており、預託金の返還に応じられないばかりか、ゴルフ場を維持していく資金すら確保できない結果、会員のプレー権すら確保できない状態にあった。
 ②チェリーゴルフグループは、両ゴルフ倶楽部の理事会の承認を得て、両ゴルフ場の運営・サービス業務の一切を(株)チェリーゴルフときわ台と(株)チェリーゴルフ一庫において受託し、施設の整備を進めている。
 ③3月よりコースの名称も「チェリーゴルフときわ台コース」及び「チェリーゴルフ一庫コース」に変更し、共通会員には「ときわ台コース」「一庫コース」のいずれかをホームコースとして選択した上で、新たに上記各コースのプレー会員(預託金なし)への移行をお願いする。
 ④「チェリーゴルフときわ台コース」ないし「チェリーゴルフ一庫コース」のプレー会員の会員証書を発行するには、一庫開発が発行した会員権(旧会員権)をA社に、預託金の額面にかかわらず一律1万円で譲渡してもらう必要がある。

 要するに、1万円と引き換えに預託金の返還請求権を放棄して「プレー会員」になって下さい、それが嫌なら、預託金も戻らないうえプレーもできなくなりますよ、というものであった。
 上記に登場する関係会社はすべてN氏とその親族が役員を務め、自ら「ナンノグループ」と称するとおり、事実上一体の関係にあった。
 多数の会社を関係させて会員を煙に巻き、500万円もの多額の預託金の返還債務を事実上免れる、このようなやり方が認められてよいはずはない。

 そこで、2011年7月、これに納得できない会員から相談を受け、訴訟を起こしたところ、朝日新聞が報道してくれた(「No.37 ゴルフ会員権の被害救済を求めて、提訴します」)。これを読まれた方から問い合わせがあり、2013年3月までの間に3人の方が次々と原告に加わり、原告は4人となった。
 そして、この訴訟は2015年3月20日、和解が成立した。

 その報道を見て、さらに多くの会員の方から相談が寄せられ、2回の集団説明会などを経て、昨日の提訴となったものである。
 今回は原告22名、被告となった会社9社、役員ら14名、弁護団12名の大規模訴訟である。

 原告の一人として記者会見に臨んだHさんは、「ずっと納得ができないままだった。このような訴訟の機会を待っていた。」とおっしゃった。
 このような被害者の皆さんの怒りを力に、頑張っていきたい。

 詳しくは、「ゴルフ会員権被害救済弁護団」のホームページをご覧いただきたい。
 弁護団への依頼方法についても、説明されている。

 以下は、各新聞・テレビの報道である。

◆(朝日新聞2015年12月7日夕刊)

ゴルフ場預託金の返還求め集団提訴へ 大阪の会員ら

 ゴルフ会員権と引き換えに50万~500万円を預けたのに一律1万円しか返さないのは不当として、大阪府と兵庫県の会員男女22人が、経営難で撤退したゴルフ場経営会社の施設を引き継いだ企業側に預託金の全額返還を求め、8日に大阪地裁へ集団提訴する。
 原告は1980~90年代、兵庫県川西市で二つのゴルフ場を経営していた「一庫(ひとくら)総合開発」側に預託金を払い、優先プレーできる会員権を得た人や相続人。会員は数千人という。
 訴えによると、同社の経営難でゴルフ場は2009年までに「チェリーゴルフマネジメント」(大阪府摂津市)とグループ会社が実質的に引き継いだ。預託金は一定期間後に返す会則だったが、チェリー社側は預託金は引き継いでいないと主張し、会員権を1万円で買い取る条件に応じればプレーを続けられるとした。

◆(毎日新聞2015年12月7日夕刊)
ゴルフ場預託金 返還求め「譲渡先」提訴へ 大阪地裁

 ゴルフ場会員権と引き換えに預けた500万~50万円の預託金が、ゴルフ場を実質的に事業譲渡された運営会社グループから1万円しか返還されないのは不当として、大阪府や兵庫県の22人が現在の運営会社グループらを相手に計約5440万円の返還を求める集団訴訟を8日、大阪地裁に起こす。会員は約8000人いたとされ、同様に訴訟を起こす人は今後増える可能性もある。
 原告は40~80代の男女。訴えによると、兵庫県川西市の二つのゴルフ場を運営していた「一庫(ひとくら)開発」に1980~91年、500万~50万円を預け、優先的にプレーできる会員権を取得した。会則には、会員権取得から10年以上たってからの退会者には預託金を返還すると記されていたという。
 一庫開発は2008年3月、外部から経営支援を受けることが決まったと会員に知らせた。1年後、ゴルフ場の運営を受託したとする会社グループは「一庫開発は経営破綻し、預託金の返還に応じられない」などと通知。名称変更したゴルフ場でプレーするには会員権を1万円で譲渡する必要があるとし、応じなければプレーの資格を失うと通告したという。
 原告は、一庫開発は破綻ではなく事業を譲渡したのであり、預託金も新しい会社グループに引き継がれていると主張。2度の通知の間に「事業主体の交代を知ることは困難で、預託金の返還を求める権利が侵害された」などとして全額返還を求める方針だ。
 現在ゴルフ場を運営する会社グループ側は取材に「答えられない」としている。【堀江拓哉】

「大規模な消費者被害だ」
 「話し合いもなく一方的な通知だけ。到底、納得できない」。集団訴訟を起こす堺市内の男性(72)は、400万円の預託金が返還されないと憤る。
 自動車販売店に勤めていた1989年、会員権を取得して運営会社に預託。会則には10年たつと返還可能と記されており、10年経過後に返還を求めた。会社側と「2009年から分割での返還」で合意したという。だが返還は一度もない。
 09年に新しい運営会社から届いた「会員権を1万円で買い上げる。拒んだ場合はプレーはできない」とする通知を見て「だまされた」と思った。納得いかず、提訴を決めた。
 大阪弁護士会の有志12人でつくる弁護団の事務局長を務める三浦直樹弁護士は「多くの人に返還をあきらめさせ泣き寝入りを強いている。大規模な消費者被害だ」と指摘している。【堀江拓哉】

 【ことば】ゴルフ場の預託金

 ゴルフ場の運営会社に預けて会員権を得ると、一般客よりも優先的にプレーできる。会社側は開発資金や維持費に充てる。預託から10年程度で返還に応じる運営会社が多いとされる。バブル崩壊や不況で返還できなくなったり、返還が集中して経営破綻につながったりしたケースも全国で相次ぎ、各地で訴訟も起きた。

◆(産経新聞2015年12月7日夕刊)
ゴルフ会員権の預託金返還に応じないのは不当…会員が運営引き継ぎ会社を集団訴訟へ 大阪地裁

 経営難にあったゴルフ場を実質的に引き継いだ会社が預託金の返還に応じないのは不当だとして、兵庫県や大阪府の会員22人が8日にも、大阪府摂津市の会社などに預託金額に相当する計約5400万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こすことが7日、代理人弁護士への取材で分かった。
 代理人によると、原告らは昭和55年~平成6年、兵庫県川西市で2つのゴルフ場を経営していた「一(ひと)庫(くら)総合開発」に約50万~500万円の預託金を支払い、会員権を取得。
 同社は会則で、入会から10年を過ぎれば退会時に預託金を返還すると定めていたが、経営破綻。21年3月に不動産やゴルフ事業を手がける「ナンノグループ」の関連会社が事業委託を受けたと会員に通知し、プレーする権利と引き換えに、一律1万円で預託金債権を譲渡するよう求めた。
 しかし同グループ数社は通知の1年前にゴルフ場の土地や建物を取得しており、会員側はこの時点で実質的に事業を継承していたと主張。それにもかかわらず、従来と同じゴルフクラブの名称で営業を続けたため「事業主体の交代に気づけず、預託金回収の機会を逸した」としている。
 訴訟では、事業を引き継いだ会社が旧来の商号をそのまま使用する場合は、引き継ぎ前の債務も弁済する責任を負うと定めた会社法に基づき、ナンノグループ側に返還義務があると主張する方針。
 代理人弁護士によると、会員は数千人いるとみられ、別の会員による大阪地裁での同様の訴訟は今年3月に和解が成立している。

◆(毎日放送)
「預託金返還を」ゴルフ会員22人が提訴

 兵庫県にあるゴルフ場の会員22人が、「会員権と引き換えに預けた預託金が返されないのは納得できない」として事業を引き継いだいまの運営会社を相手取り裁判を起こしました。
 訴状などによりますと川西市にあるゴルフ場の会員22人は1980年代から90年代にかけて一人50万円から500万円の預託金を預け当時の運営会社「一庫総合開発」から優先的にプレーできる会員権を取得しました。
 ところが、その後、会社が経営難に陥って2009年までに別のゴルフ場運営会社に事業を譲渡。
 新たな運営会社は「預託金は引き継いでおらず返還できない。会員権は一律1万円で買い上げる」などと通知してきたということです。
 原告らは今の運営会社に対し預託金の返還や損害賠償など総額およそ5400万円の支払いを求めています。
 「一律1万円で買い取る、プレーをしたかったら出しなさい。どうしても考えられない」(500万円を預託した男性)
 訴えに対し今の運営会社側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。

◆(朝日放送)
【大阪】ゴルフ会員権預託金の返還求め集団提訴

ゴルフ場会員権と引き換えに預けた金が、経営難のために運営会社が変わったとの理由で返還されないのは不当だとして、会員らが集団訴訟を起こしました。
8日、大阪地裁に提訴したのは、大阪や兵庫に住む男女22人です。訴状によりますと原告らは、兵庫県川西市で2つのゴルフ場を経営していた会社に50万円~500万円の預託金を支払い、会員権を得ていましたが、ゴルフ場は経営難で、大阪の別の運営会社「チェリーゴルフグループ」に実質的に譲渡されました。ところが、チェリー社が預託金の返還に応じず「会員権を1万円で買い取る」などと通知してきたため、原告らが訴えを起こしたものです。原告の1人、檜垣健志さん(69)は、「会員権1000万、500万、100万、一律1万円で買い取る。こういう理不尽なことは通るのか」と話します。原告らは、預託金5400万円の返還を求めており、運営会社側は、「訴状が届いていないのでコメントできないとしています。

◆(関西テレビ)
兵庫のゴルフ会員権 預託金の返還求め会員が提訴

ゴルフ場の会員権と引き換えに預けた金が、運営会社が変わったことで返還されないのは不当だとしてゴルフ場の会員らが返還を求め裁判を起こしました。
訴状によると兵庫県川西市にあるゴルフ場の会員22人は、会員権を得る代わりに運営会社である「一庫総合開発」に500万円から50万円の預託金を支払いました。
その後、経営難のためゴルフ場は別の運営会社「チェリーゴルフ」に譲渡されましたが、この会社は預託金を返さず「会員権は一律一万円で買い取る」と通知したということです。
会員らはチェリーゴルフ側が、前の会社から事業を引き継いでいないように装い、預託金の返金に応じないのは不当だとして、約5400万円の返還と賠償を求めています。
チェリーゴルフ側は「訴状が届いておらずコメントできない」としています。

◆(読売テレビ)
預託金返還求め提訴 兵庫のゴルフ場会員ら

兵庫県にあるゴルフ場の会員らが会員権と引き換えに預けた金が返金されないのは不当だとして、8日、大阪地裁におよそ5400万円の返還を求める訴訟を起こした。訴えを起こしたのは、兵庫県川西市の「一庫開発」が運営していたゴルフ場の会員ら22人。訴状などによると原告らは会員権を得るかわりに支払う預託金として50万円から500万円を「一庫開発」に預けていたという。しかしその後、この会社は経営難から大阪・摂津市にある「チェリーゴルフグループ」に事業を譲渡。原告らは新たな運営会社グループが「預託金は返還出来ない」と一方的に通知してきたと主張。預託金およそ5400万円の全額返還を求め提訴に踏み切ったという。預託金が未返還の会員は、およそ8000人いるとみられているが、運営会社グループは取材に対し、「コメント出来ない」としている。


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2012年11月30日 (金)

No.99 「学園前ガーランドヒル事件」と木村達也先生とのご縁

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◆11月25日、「学園前ガーランドヒル事件」の同窓会「紅葉会」が、奈良公園にある料亭「江戸三」で行われた。
 この事件は、平成元年10月から平成2年10月にかけて、ある分譲会社が奈良市五条西1丁目で一戸建て住宅77戸が8000万円~1億3500万円で販売したが、売れ残った区画について、わずか4か月後の平成3年2月に一気に4000万円も値下げ、更に同年10月には5000~6000万円も値下げして売りに出したことから、先に購入した15世帯が「値下げ販売禁止の仮処分」の申立てを行い、続いて不当利得返還請求訴訟を起こした事件である。

◆当時はバブル経済の絶頂期から崩壊に向かう時期で、高値で売り抜けようと図る業者も多かった。この事件でも、「値段はこれ以上安く安くならないのか」という購入者らに対して、「今の時代に不動産の値下がりなどあるはずがない。」、「まだまだ上がりますよ、いったん上がったものは下がりませんよ。」、「他の客に対しても一切値引き販売をしていない、他の客と不公平になることはしない。」、「1億2000万円であったらいつでも売れるし、うちが売ってあげる。」などと言いたい放題のセールストークを述べて、原告らに購入を決意させたのである。
 大変難しい事件であることはわかりながらも、購入者たちにとっては4000万円、6000万円というのは人生を左右するお金であることから、裁判所による和解勧告も視野に入れて、仮処分申立を行った。
 これに対し裁判所は、上記のようなセールストークを詳細に認定し、「債権者らにおいてその差額の返還を要求したい心情は十分に理解できる。」としつつ、仮処分命令の申立自体は却下した(大阪地裁平成5年4月21日決定・判例時報1492号118頁)。
 そして、続いて起こした本訴も、地裁(平成10年11月)、高裁(平成11年8月)とも敗訴して終わった。

◆このように、厳しい結果に終わった事件であるにもかかわらず、原告であった皆さんは私たち弁護団に感謝してくれて、ほぼ毎年「紅葉会」という名で同窓会を開いてくれているのである。弁護団として、弁護士冥利に尽きる、光栄なことである。
 今年は、参加者は元原告3人、弁護士は木村達也先生と私たち夫婦だけであったが、素晴しい快晴と紅葉の下、おいしい料理とお酒をいただきながら、なつかしい語らいの時間を持つことができた。心から感謝申し上げる次第である。
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◆ちなみに、弁護団長の木村達也先生と私は、特別な縁で繋がっている。
 先生はサラ金・クレジット問題に古くから取り組んでおられたことから、私は司法修習生時代に数人の修習生たちと事務所訪問をさせていただき、先生の弁護士としての姿勢に感銘を受けた。また、同じ和歌山県の隣町のご出身だということで親近感を持った。
 そして、このガーランドヒル事件を受任することになった際、この事件は広い意味で消費者問題ではないかと考えて、弁護団長への就任をお願いしたのである。更に、このガーランド事件と同種の事件(木津川台、北登美ヶ丘など)でも弁護団長をお願いした。
 その後、木村先生は日弁連の消費者問題対策委員会の委員長になられたのであるが、平成7年1月、阪神大震災で住宅倒壊によって多数の犠牲者が出たことから、同委員会の中に「土地住宅部会」を設置し、そして、その初代部会に参加しないかと、私を一本釣りで誘って下さったのである。
 それがきっかけとなり、私はその後2008年まで10年以上にわたって土地住宅部会に参加し、部会長も務め、2005年には、初めて欠陥住宅問題をテーマにした日弁連人権大会シンポジウムにも関わらせていただいた。
 さらに、これも木村先生の発案により、欠陥住宅被害者と弁護士・建築士・学者のネットワークである「欠陥住宅全国ネット」が1996年12月に結成されて私も参加し、1997年10月に結成された地方組織である「欠陥住宅関西ネット」の代表幹事に木村先生、事務局長に私が就任した。そして、1999年5月から2006年11月まで7年半にわたり、私は全国ネットの事務局長も務めさせていただくことになった。

 このように、木村先生とは、まさに「織りなす縁」の関係にあるのである。
 先生は現在も、日弁連の貧困対策本部の重鎮として全国を走り回っておられ、そして、私は過労死防止基本法制定の取り組みに、同じように全力投球している。
 そんな木村先生と、久々にお会いして思い出話ができて、本当に楽しかった。その意味でも、ガーランドヒルの皆さんには、心から感謝したい。

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2011年7月 5日 (火)

No.37 ゴルフ会員権の被害救済を求めて、提訴します

 預託金500万円を預けて取得したH社のゴルフ会員権を持っているFさんのところに、C社から通知が届いた。
 「当社は、破綻したH社から経営委託を受けました。あなたの会員権を1万円で譲渡してくれれば、引き続きプレーはできますが、譲渡していただけない場合は、プレーもできなくなります。」

 こんなことが認められてよいのだろうか。
 相談を受けて調査してみたところ、運営を委託されたというC社を含む会社グループ(Nグループ)が、①H社に資金を融資し、②H社の役員全員を自分の派遣した人たちと総入替えし、③新役員たちが、H社の財産のすべてをNグループ傘下の会社に順次譲渡していき、④それが完了すると、新役員全員が辞任する。その結果、H社はヒトもおらずモノも残っていない、ただの「脱け殻」となっていた。

110703_4  何の落ち度もない会員が、いきなり500万円の預託金返還請求権が無に帰するというのは、どう考えてもおかしい。H社が破産し、破産手続が行われたならまだわかるが、知らないうちに、知らない会社のものになっているのである。

 この件について、朝日新聞(2011年7月3日付け朝刊)が大きく取り上げてくれた。
 以下、ネットでの記事を貼り付ける(なお、画像は新聞記事のコピーであり、用語の解説や大学教授のコメントも載っている。クリックすると大きく表示される)。

 法的な問題点はいろいろあり、ハードルは決して低くはないが、消費者問題と位置づけて頑張っていきたいと思っている。
 なお、弁護団は、立野嘉英、瓦井剛司と私である。

(以下、記事を引用)
 ゴルフ場の会員権と引き換えに預けた500万円の預託金が1万円しか戻らないのは不当として、経営破綻(はたん)した運営会社を引き継いだ会社を相手に、大阪市の50代の男性が全額の返還を求める訴訟を大阪地裁に近く起こす。同社は男性ら会員約8千人に「預託金の額面にかかわらず、一律1万円で買い上げる」と伝えたとされるが、男性は「消費者契約法の趣旨に反している」と主張している。

 バブル期に計画・開発され、その後に破綻したゴルフ場の多くで預託金の返還をめぐるトラブルや訴訟は起きているが、運営を引き継いだ会社による預託金の低額買い上げの是非を問う訴訟は異例。

 男性の代理人を務める岩城穣弁護士らによると、男性は会社勤めをしていた1989年、上司から「接待のためにゴルフ場の会員権を持っておくように」と指示された。退職後は不要になる可能性があったため、会則で「入会後10年以上たってからの退会者には預託金を分割返還する」と定めた兵庫県川西市のゴルフ場運営会社に500万円を預託し、会員権を取得した。

 その後、同社は破綻。2009年3月、新たに運営を引き継いだ大阪の会社から「預託金の額面にかかわらず一律1万円で買い上げる」「応じれば引き続き会員の権利を認めるが、拒んだ場合は資格を失う」とする通知が届いたという。

 男性側は「10年以上たてば預託金を返還するとした会則を信じて500万円を預け入れた」と指摘。訴訟では、消費者の利益を一方的に害する契約を無効とした消費者契約法の趣旨に照らし、新たな運営会社は預託金の全額返還に応じるべきだと主張するとしている。

 同社の担当者は朝日新聞の取材に「前の会社と資本関係はない。コース運営と従業員の再雇用を引き受けたに過ぎず、預託金返還義務はない」と話している。

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